「書きかけの歳時記」
2005/04版 その3

(since '05.04.25)

この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。

取扱上の注意

[前日へ続く]

2005/04/21 (木) 晴、ところにより一時雨 <客先へ>

ひる〜よる [日常]

11 時前に起きる。

ごそごそ支度して出発。

泉岳寺でいつもの 2100 形使用の快特に乗り換え。

品川で地上に湧いて出てみると‥‥あれ、雨が降ってますか?

鮫洲附近を走行中、結構大粒の雨に。窓や屋根からバラバラと音がする。うげー。

‥‥川崎は晴れていた。うむー。

会議ののち、作業。

その途中、5/12 から正式に次の仕事へ shift することが決定。

一段落ついたので、今日は早めに離脱。

諸般の事情で大井町と有楽町に寄る(← 一部方面には意味明瞭)。「予約 cancel 分の予約」とか謎の event 発生(爆)。

有楽町ではやっぱり sauce の匂いに釣られて UFO 戦士ヤキソバン。

秋葉原経由(乗り換えただけで降りてませんよ?)で帰宅。

一旦帰ったあと再び浅草橋へ。どうにも腰が痛いので、森の治療院で鍼を打ってもらう。

腰の感覚が戻ってきたこともあってか、最近腰がすぐに痛くなる。が、以前の「重篤になるまで痛くならない」という状態と違い、ちょっと悪化するとすぐに痛くなるので、逆に鍼を打つとすぐに効果を実感できる。しばらくは継続する痛みとの戦いになりそうだが、この山を乗りきれば‥‥。

明日は早起きしてみたかったりするので(謎)、26 時前にはふとんへふっとんだ。



2005/04/22 (金) <いべんと>

あさ [日常]

0640 時頃起きる。

風呂に入ったあと、0720 時頃すっぱつ。

4 分で現着。‥‥おおう、電源車と中継車が!

邪魔にならないしネタにもなるので地上ホームでやるのかなーとか思っていたら、なんと車寄で撮影ですか。ガードレール沿いには数十人の人の列。元々 3m と幅がない上に通勤・通学時間帯なので人通りも多く(特に学生)、その人たちの邪魔にならないように見物人を整理する警備担当者も大変だ。

中継開始の約 5 分前にご本人登場。総武線隅田川橋梁の解説板近くで待機(この場所でそのまま中継開始になった)。本番前も通行人は引っ切り無しだが、駅の片側に学校が 3 つ集まってることから女子中高生という「遠慮という言葉を知らない人種」も多く、

「だれこれ、だれこれ」
「芸能人?」
「しらなーい」

などと大声でしゃべりながらすぐ脇を通過していく。‥‥本人を目の前にして聞こえるように失礼な噂をする神経は全く理解できない。まあ、その親の世代の遠慮のなさを見てれば、ああなるのも無理はないけどな。本人より、環境に問題があるのだろう。

‥‥そして、今回も「中高年」と「幼稚園くらいの子供がいそうな年代の女性*1」の傍若無人ぶりを堪能させられる (-.-#。警備員の言うことを聞きゃあしねぇ。「通行の支障にならないように側溝より後ろに下がってください」「中継中は撮影しないでください。そろそろ本番が近いのでご遠慮願います」「携帯電話は電波が mic の電波と混信して noise が入ることがあるので電源を切ってください」と前説があったにも関わらず、全く無視。挙げ句には警備員に直接咎められても、

  • 通路に出ないよう言われて、「いや、写真撮ってるだけだから」(← それもやめろって言われてるだろボケ)
  • Movie を廻してるのをやめるよう言われて、「これ、(望遠鏡代わりに)見てるだけだから」(← その赤い LED が点灯してるのは一体なんだ)
  • バシバシ写真を撮ってるのをやめるよう言われて、「撮るだけ、撮るだけ」(← もはや意味不明)

言っとくけど、これ、全部別の個体だからね。

ほかにも「電源を切ってください」と注意されてるのを無視して携帯で写真を撮り続けてる馬鹿とか。Staff は本当に大変だ‥‥ (__;

ともあれ、「車寄北東隅」→「両国麦酒館内部」→「券売機前広場」と移動しつつ、大きな trouble もなく無事中継終了。おつかれさーん。

子供連れがやたらといたので、中継終了後は Bekker's 前の広場に移動してなぜか撮影大会発生。黒山の人だかりで大変なことに。そしてここでも「通路を開けてくださーい!」と叫ぶ staff の声を完全に無視して通路を塞ぎまくるのは中高年であった。壁が一段引っ込んだ隅のところに立っていた私は、一瞬目があった staff と思わず苦笑いを交わす羽目に。

数分後、民族大移動開始。大型 bus tour を髣髴とさせる状態でホームへ移動。そしてここでも「左側通行です! 1 列で(階段を)登ってください!!」と叫ぶ staff を完全に無視するのは以下略。

ホーム上では「なるべく邪魔にならないように」という配慮からか、団体専用階段より西の、浅草橋方の端へ。ここでも子供連れと中高年が以下略。

上り列車を 1 本見送ったあと、カメラさんと音声さんの 2 人を引き連れ、通勤客と共に圧縮されつつ出ていった。待ってる間、「いってらっしゃーい!」と 3 秒毎に叫ぶ子供が発生*2。最初は応答していたが、際限なく叫び続けるので、最後はグンニョリしていた。かわいそうに。ちなみに、その子供はホームへ移動した直後に staff に指示されたわけでもないのに駆け寄っていって手を繋ぎ、なんかしゃべったりしてたのだが、それをけしかけたのも叫ぶことをけしかけたのも、一緒にいた母親だった。ほんとに手に負えん。私の隣ではそれをみながら JR 東日本企画の社員が溜め息を吐いていた。‥‥気持ちはよく解るぞ。

出発していったあと、「やっぱりやさしいよね〜。(子供と)手を繋いでくれるし、『いってらっしゃーい』って言えば手を振ってくれるし」とはぁはぁしている母親連中のしゃべり声を BGN に改札へ。‥‥Image を大事にする商売なんだから、邪険にできるわけねーだろ。無意識に弱みに付け込んでるのが全くわかってない。「無邪気」って怖いね。

せっかくなので文殊でそば喰ってから帰宅。‥‥毎度のことながら、この時間帯は車道いっぱいに拡がって歩く歩行者が邪魔なことこの上ない。

*1: 歳はそれほどいっていないが、行動は既に立派なオバハンだ。子供をダシに使う分、中高年より余計質が悪いという説も。

*2: 次回の放送分や digest で両国駅出発の scene に関口氏と手を繋いで話をしている白い服を着た子供が映っていたら、それ。


にっちゅう [日常]

篭って仕事。


ゆうがた [旅行準備]

へろへろと TL 浅草橋へ。

‥‥かーんりょー。


よる [日常]

今日の BS2 での再放送は時刻変更になっていたので、ちゃんと録画されてるか check。

録れてた :-D

そのままなんとなく内容を見てみる。‥‥‥しまった、映ってる‥‥。

22 時近くになって飯を喰いに出掛けようとするが‥‥日中暖かかったせいか、鼻水が止まりません ;_;

ドーピングするが効果はなし。内服薬では効果が出るのに時間がかかりすぎる。

諦めようかとも思ったんだが、結局大量のちり紙を持って強行。加真呂で中落ち。途中で鼻をかんだら完全に詰まってしまって焦ったが、「鼻の軟骨を強く押すと少し通りがよくなりませんか」てくのろじでなんとか乗りきる。

帰ってから「鉄道乗りつくしの旅」の dubbing を。ようやく今日の分まで 1 本(つーか 2 本目)の tape にまとめ終えた。


飲んでやる! [日常]

あまりにも鼻が鬱陶しい!

というわけで、「鼻炎カプセル」を 1 錠。少しは落ち着いてもらいたいものであるなぁ。


「合理化」 [雑感]

諸般の事情で NTT の営業窓口へ行こうと思っていたのだが、都内の営業窓口が西新宿の 1 箇所を除いて一昨年末をもって全廃されていたことを今日になって知った。なにー。

確かに出掛けていくのは面倒なので web で済ませる人が多いのは解るが、窓口だといろいろな手続きが一回で決着するので、助かってたんだよな。工事の手配はほぼ完結するし、聞きたいことがあってもその場で済むし。Web だといつ返事が来るのかも判らないし(実際、web から申し込んだはいいものの一向に応答がないので痺れを切らせて窓口に行ったこともある)、細かい内容を打ち合わせるにも不向き。116 も話が通りにくいし(たまたま繋がった担当者によって当たり外れも大きい)、資料を見ながら話した方が早いものもある。

いわゆる「合理化」というものはだいたいこういう方向へ進んでいくものだが、窓口へ行きたくなるのは大抵「いざ」という時なので、結構困る。1 箇所とは言え窓口が残ったことに満足するべきなんだろうか。


しんや [日常]

なんか疲れてるので、25 時頃には布団へ。そのまま本を読んだりして、寝たのは多分 26 時頃。


ぐるぐる [日記]

えーと

大却下。

つか、GW にタタミは欠かせません! むしろないと死にます。和室はらしょー(← たたみ違いです)。あ、あと会話の中で「単駅指定」なんて単語を使う人ももちろん拒否権なし。ところで、俺はこれ、ほんとにわかんない。

例のPJ の「喫煙規制は弱いものいじめでは」とする件についてはいろいろ思うところがあるのだが、また改めて。元記事が消えてるし。

ムネムネ線廃止。まあ、予想通りの結末だな。

アホが多くて気疲れするのは確かなんだが、「外に出ないで引きこもっている人間のほうが人としての神経は正常なのではないか」ってのはどうかねぇ。むしろ普段そうやって「自宅」や「同じ行動や思考 pattern を取る集団」に閉じこもっている人間の方が、外に出たときにまともな communication を取れない気がするが。「社会性」というのは経験(← 主に失敗の)とそれに対する反省で培われる気がするんだけどな。いってみれば、ある種の訓練が必要なわけで。自分自身の過去に照らし合わせてもそう思う。

ちうか、それは「空間の広さ」という要素や、「近在が住宅街であるかどうか」ということも影響していたのではないかと。で、実際のところは、「恐れていたほどの混乱はなかった」というのが正直なところ。アホは多かったが、少なくともよりはマシだった。‥‥比べるものが間違えてる気はするが、「言葉が通じない連中」と「子供をダシに使う親子連れ」が大暴れだったのは同じ。



2005/04/23 (土) <おでかけ>

あさ [日常]

‥‥なぜか 7 時丁度に目が覚める。むあー。

自然に目が覚めてしまったくらいなので、二度寝できるような状態でもない。モソモソ起きる。


ひるま [日常]

桜のあとは‥‥というわけで、つつじを見に「文京つつじ祭り」で賑わっている根津神社へ行ってみる。

‥‥びみょーに早いかなー。場所や品種にも因るけど。日の当たりがいいせいか、南向き斜面の一角は満開。そのほかはまだまだ。

ちうか、人が多いのはしょうがないとして、ただでさえ道幅の狭い不忍通りに路駐が溢れていて閉口する。そのうえ、driver は如何にも滅多に車を運転しなさそーなジジババばかりで(つつじを車で見に来ようと思うくらいだからな)、車の動きが怪しいことこの上ない。挙動不審だったり廻りを見ていなかったりは default で(自分に関心があることにしか気が廻っていない)、挙げ句の果てに右から抜きざまに右ウインカーを出したまま左に寄せてきたりする。危うくガードレールと車体に挟まれるところだった。

ただでさえ高齢 driver の事故の多さが問題になっている昨今、こういった目に逢うと、運転免許の更新時には適正試験を義務づけて欲しいと切実に思う。


ゆうがた〜よる [日常]

月曜以来春日寿司分が不足してきたので、発作的に小杉へ。

うまい寿司ハァハァ。


げ。 [ネタ]

廻ってたのか‥‥。


ぴんち [日記]

Counter が溢れそうです。おそらくあと数日で。

以前から思うところもあったので、当分の間日記の更新を停止します。

では、さようなら。



2005/04/24 (日) <仮営業>

再開 [日記]

そして、再開しました。こんばんは。

びみょーに今までとは変わってる風味ですが、あんまり気付かないかも。‥‥むしろ不具合で気付く可能性が?(爆)


あさ [日常]

なぜか 7 時過ぎに目が覚める。‥‥なぜ?

腹が減ったので、昨日の帰りに買ってきてあったおにぎりを喰い、また寝る。


よる [日常]

でもって、19 時前に目が覚めた。

そろそろ背中の汗疹が気になる季節になってきたな‥‥。薬をうまく塗れない場所なので、こまめに shower を浴びるほかは、ひたすら耐えるしかない。

でもって、起きたあとはこっそり移行作業。

今年分の日記だけは 24 時直前に完了。今までのはなんとか script でまとめて処理したいところだが、どうするかなぁ。

しかし、腹が減りました。

昨年までの分も、結局 script を書いてまとめて移管。とりあえず日記についてはこれで作業終了。ちなみにどう変わったかというと、

  • Counter を 1 桁増やした(爆)。実は同時に counter CGI も差し換えている*1。ちなみに 77777 番を踏んだのはよっこさんで、その連絡をいただいたのは 2 月 6 日の深夜。それまでの pace を考えても、まさかこんなに早く桁溢れが起きるとは思わなかったんだが‥‥。
  • GNS 3 base に移行。そのため、今年分から目次付きの年次 index が発生。
  • 同じ理由で、category index も発生。特殊な theme についてはできるだけ unique な category をつけるようにしておいたので、特定の topics を辿るのが楽になったはずなんじゃないかな、はずなんじゃないかな*2?! ただ、分類はまだ流動的で固まっていない。
  • さらに同じ理由で、RSS に対応。せっかくなので、mixi のほうにも登録してみましたよ?

そんなわけなんで、更新時刻の取得には index.rdf を使っていただけると助かります > 捕捉していただいてる antenna の管理者の方々。

一方で 25 時過ぎには 100,000 access を突破した模様。ギリギリ間に合った風味?

それにしても腹が減ったな。

*1: 今まで使ってたのが使い勝手の上で今一つだったので。ずいぶん前から気にはなってたんだが、つい放置してた。設置したときには「これでいいや〜」ってな気楽さだったんよ。‥‥まさかこんなに長く続くとは思ってなかったもんで(爆)。

*2: 実はこれを踏まえて今年の頭からはこっそり category をつけてあった。‥‥今までは表示されてなかったけど。


しんや、ちうか明け方近く [日常]

いろいろしながら「まぶらほ」つけてたらカレーが喰いたくなったので(弱)、28 時過ぎに松屋に行ってカレー大盛と 5 品目 salad ととん汁。「松屋」ってあたりがやっぱり弱い。ちなみに朝御飯。

‥‥こういう食生活してても、今まで検診や献血なんかで肝臓まわりの値が異常値になったことってないんだよね。つまらん。


あさ [日常]

眠ろうとはしたものの、身体が痒いというかちくちくして眠れない。

何度か bed と machine の前を行ったり来たり。

悶々としているうちにすっかり朝になってしまった。

結局そのあとも寝ていないのだが、紛らわしいので日を分ける。



2005/04/25 (月) 曇のち雨 <惨事>

福知山線列車脱線・転覆事故 [災害]

0918 頃、尼崎〜塚口間の踏切附近で宝塚発同志社前行の上り快速列車の前 3 輛が脱線・転覆し、うち先頭の 1 輛が横転した状態で沿線のマンションの角に天井から激突してもはや構体が原型をとどめないほどに破壊、2 輛目が構体が激しく変形。3 輛目も前寄りの車端部が押し潰されて損壊し、1・2 輛目に押し出されるように反対側へ脱線した。(NHK の特設 site

当初死者の発生は伝えられていなかったが、事故の規模からして犠牲者が出なければ奇跡だろうと思っていたところ、11 時過ぎ、2 人がなくなり、負傷者は少なくとも 139 人にのぼることが伝えられた(NHK)。犠牲となった方のご冥福を心からお祈りする。せめてこれ以上犠牲者が増えなければいいのだが‥‥。

現場は尼崎市塩江 4 丁目と伝えられているが、線形や周辺の建物の様子からすると、列車が衝突したマンションは久々知 3-27 に建っているものであるようだ(このあたり*1

当初「踏切で乗用車と衝撃して脱線・転覆した」と伝えられたが、現場が塩江 4 であっても久々知 3-27 附近であったとしても*2、衝突現場と思われる地点の手前にそれらしい踏切はない。当該列車に乗車していた乗客の声には「いつもより速度が出ていた」「突然横転した」というものが複数あり、当初は「主観による錯誤ではないか」と思っていたのだが、衝突現場手前に踏切がなかったとすれば、一部乗客の指摘にある通り速度過剰によってせり上がり脱線(日比谷線中目黒附近での脱線事故と同じ)を起こした可能性がある*3

当該列車は伊丹で 8m 程過走した影響で伊丹場面約 1 分 30 秒延、塚口通過場面で約 1 分延だったことが判明しており、一方事故現場となった地点は制限 70km/h の曲線(R = 300)の入口をやや過ぎたところにある。運転士は乗務歴 11 ヶ月の新人だったそうで、もし制限超過による脱線事故だったとした場合、運転士が遅れを気にするあまり十分に減速しなかったのだろうか。

事情を知る運転士は 1130 時現在でまだ車内に閉じ込められている。そして 1138 時現在、死者 16 人、負傷者 185 人の惨事であることが伝えられた(NHK)。

当該列車は 207 系の 7 輛編成(前から 3+4 輛?)とのことだが、1 輛目がここまで破壊されてしまった原因には、車輛が stainless を使用した軽量化車体であったことも無縁ではないだろう*4。また、事故原因がせり上がり脱線であったならば、それを起こした理由とも当然関係がある。

12 時時点では負傷者数が 223 人(尼崎市消防局発表)に。また、警察は脱線の原因を「乗用車との衝撃」ではなく「速度超過」であるとほぼ断定した様子。

1210 時頃、さらに 2 人の死亡が確認された(NHK)。他局では犠牲者を 25 名とする情報もある。

そして 1230 時、NHK でも犠牲者が 25 人に。負傷者も 239 人に増えた。1・2 輛目にはまだ閉じ込められている乗客がおり、人数や状況が判らないということから、さらに犠牲者の数が増える可能性がある。負傷者も、運転士を含む 20 人以上が重体とのことで、予断を許さない。

さらに 1237 時、犠牲者が 28 人になったと報道された(NHK)。

13 時時点では犠牲者 37 人(警察発表)、負傷者 239 人(消防発表)。また、13 時からの JR 西日本の会見によって、当該列車は前から 4+3 の 7 輛編成*5、上空からの映像で 1・2・3 輛目のように見えていたのがどうも 2・3・4 輛目らしいことが判った(会見に出席した報道各社には図面が配布された模様)。空撮影像では脱線車輛は 3 輛にしか見えず、もう 1 輛があるようには全く見えない(JR 西日本が報道に配布した見取り図によると、1・2 輛目が圧縮されて 1 輛のように見えているようだ)。このことから「脱線車輛は 3 輛」という情報が発生したと考えられる(普通脱線した車輛が外から見えないということはないので、そう判断しても無理はない)。すさまじい現状だ。一部報道で「6 輛編成」としているものがあったが、これは健在である下り方の編成が 3 輛であることと「脱線したのは 3 輛」という当初情報から導かれたものだろう。

事故原因については、JR 西日本の会見で「事故現場で脱線を発生する限界速度は 133km/h と計算された」と発表されたことから、「速度超過による脱線」という方向に傾きつつあるようだ(この限界速度も警察の要請によって算出されたものかもしれない)。もしそれが事実だとすれば、所定の制限速度の実に倍近い速度で曲線に突っ込んだことになる。破損の大小への影響はともかく、脱線原因に関してはもはや車輛の自重がどうのという話ではない。

1430 時現在の情報では、犠牲者は 39 人(女性 20 人、男性 19 人)になってしまった。これ以上犠牲者が増えないことを祈るのみだ‥‥。

願いも虚しく、15 時現在で犠牲者が 43 人(男性 22 人、女性 21 人)となったという。犠牲者の数がついに信楽高原鐵道事故('91.5.14)の 42 人を上回ってしまった。しかも、JR 西日本の発表で 1・2 輛目が露出しているとされたのは誤りで、1 輛目が 2 輛目の下に完全に潜り込んでいて、下敷となった 1 輛目に何人の乗客が閉じ込められているかも判らないという。一体犠牲者は何人になってしまうのか。暗澹とする。

1525 時には、犠牲者が 49 人(男女各 24 人、性別不明 1 人)となったことが報じられた。

16 時頃から 1930 頃まで仮眠。この間に 2 輛目からの救出活動も終了して 1 輛目に活動を集中する状態となった。犠牲者の数は 50 人(男性 27 人、女性 23 人)に、また負傷者も 325 人にのぼることが報じられた。その一方、ようやく 1 輛目に突入した救出隊によって、閉じ込められた乗客のうち少なくとも 4 人が生存していることが判ったという。なんとか全員生還して欲しい。そしてさらに多くの人が生存していることを願う。

事故原因についても 15 時の会見から徐々に報じられ始めた。曲線の開始地点から約 60m 地点に石を踏み潰したような跡(粉砕痕)があり、その 11m 先から脱線痕が始まっているという。JR 西日本は「置き石の可能性」を示しているが、現時点でその「石」の大きさは明らかでなく、置き石であるかどうかは判らない(バラストよりも不自然に大きなものであれば置き石の可能性が高いが、そうでない場合、たまたま何らかの形で跳ね上がったバラストを踏んだことも考えられる)。しかし、もし「石を踏んだ」ことが事実であるなら、これが最終的に脱線の発生を決定づけた原因である可能性が高い。当該運転士は乗務開始から約 1 ヶ月後の昨年 6 月 8 日に片町線下狛駅で 100m ほど逸走する事故を起こして乗務停止の処分を受けていたとのことで、そのことが「一刻も早く遅延を回復したい」という心理的圧力となって速度超過を招き、不安定な状態で走行していた車輛がさらに石を踏んだことで持ち上がり、曲線の遠心力を受けて最終的に脱線した‥‥と JR 西日本では見ているのだろう。編成最前部附近の乗客や運転士から当時の状況を知ることができれば事故原因の解明も進むと思うのだが。編成中間や最後尾の運転台の速度計を目撃していた乗客がもしいれば、事故当時の運転速度も判明しやすいだろう。

21 時の news では負傷者数が 417 人(女性 238 人/男性 157 人/性別不明 2 人)となったことが報じられた(NHK)。死亡が確認された人の数は変わっていない。「生存状態で閉じ込められている」とされる 4 人も今のところ存命で、一刻も早い救出を願う。しかし、その一方で車内にはさらに生死不明の乗客が数名閉じ込められているという情報もあり、また病院に収容された負傷者の中にも「性別不明」という人が 2 名いるとのことで、非常に気掛かりだ。亡くなる方がこれ以上増えなければいいのだが‥‥。

「ニュース 10」によれば、「1 輛目で生存」と報じられたうちの 1 人は意識がないとのこと。非常に心配だ。一方、「17 時過ぎの消防からの情報で『1 輛目に 4〜5 人の生存者あり』とのこと」という報もあったが、これが既報の「4 名の生存者」のことなのかそのほかに生存者が確認されたのかは判然としなかった。「生存の 4 名の他、さらに数名の生死不明の乗客が閉じ込められている」という報道が以前からあるので、この「4〜5 名」が生死不明と報じられていた乗客のことであることを願う。

さらに「ニュース 10」では以前に行なわれた JR 西日本の会見の映像が事故原因に関する部分を一部抜粋して流されたが、この中で「衝突直前の運転速度が記録されている可能性」が示された。後方の編成(神ホシ S18 編成、207 1000 系)の乗務員用 monitor には運転士支援 system が組み込まれており、非常制動(非常 brake)が扱われた場合、その約 5 秒前からの列車速度記録が保存されるという。運転士が衝突前に非常を扱っていれば、脱線時の運転速度が判明する可能性がある(沿線からの証言で衝突前に「キキキー」という金属音を聞いたという証言もあるので、これが非常制動時の制輪子の音である可能性もある)。しかし、運転士が非常を扱ったという確証はなく、また運転士が脱線発生の瞬間に呆然自失にあり非常を扱えなかった可能性もあるので、現時点ではあくまで「記録されている可能性がある」という状況でしかない(会見は可能性を示唆するものであって「記録を回収した」というものではなかった)。

一方、報道では早い時期から「207 系の性能限界は 120km/h である」ということをしきりに強調しているが、これは通常運転での想定速度ということであり、実際にこれ以上の速度が出せないというものでもなければ*6、この速度を越えたからといってすぐに脱線などに結び付くというものではない*7。逆に言えば、性能限界を越えて速度を出すことは(加速性能の不足で加速に時間がかかったりすることはあるかもしれないが)ある程度可能なはずで、実際にどの程度速度が出ていたかを知ることは事故原因を解明する上で極めて重要だ。

2238 頃、1 輛目から 3 人の方の遺体が搬出されたと報じられた。「4〜5 人の生存者確認」という情報は、やはり既報の 4 人のことだったのだろうか。その 4 人(男性 3 人/女性 1 人、うち男性 1 人が意識不明)はいまだ車内に閉じ込められているが、現場には揮発油のような匂いが立ち込めており(駐車場に停められていた自動車から燃料が漏れたのだろうか)、burner など火花が出る器材を使えない状況だという(engine cutter も駄目かもしれない)。救出にはまだ時間がかかりそうだが、なんとか生き延びて欲しい。どうしてもこのような状況では新潟県中越地震で自動車ごと土砂崩れ現場で閉じ込められた親子のことを思い起こしてしまうのだが、あのような結末は繰り返されて欲しくない。

そして、2258 時頃には、新たに女性 1 名の死亡が確認されたと報じられた(NHK)*8。3 名の遺体とはまた別の方のようだ(2306 現在、TBS は「死者 54 人」としている)*9

2320 頃の報道によれば、現在も閉じ込められている 4 名のうちの 1 名は運転士だという。昼頃に「運転士も重体」と伝えられたのは誤報だったのか、それとも意識不明とされている男性が運転士なのか、現時点で定かではないが、とにかく 4 人ともなんとか生存のまま救出されて欲しい。救出活動は夜を徹して行なわれるとのことだが、必死に作業されている救助隊の方々も、二次災害に注意しつつ作業を頑張っていただきたい。

*1: のちに行なわれた JR 西日本の記者会見によれば、先頭車輛の停止位置は尼崎起点 1k 775m とのこと。

*2: 1155 時頃、現場は「尼崎市久々知」であると訂正された。当初「塩江」とされたのは、担当記者が「踏切事故」という前提で現場を見たために列車の進行方向を誤認したのかもしれない(現場のすぐ南にある踏切から南側が塩江 4 丁目)。

*3: 報道によれば、警察もその疑いを強めているらしく、一方 JR 西日本も運行情報の page で当初「JR宝塚線尼崎〜塚口駅間で発生した踏切事故のため」と発表していたものを 11 時過ぎに「JR宝塚線尼崎〜塚口駅間の踏切付近で発生した事故のため」という表現に差し換えている。

*4: 一般に「stainless 車体 = 軽量」と言われるが、以前にも書いている通り、車体を stainless で造っただけでは軽くはならない。これは鉄と stainless では比重がほぼ同じだからだ(鉄は 7.8、stainless は組成によっても異なるが 7.7〜8 程度。例えば、SUS304 は 7.93、SUS316 で 7.98)。それでも stainless で作ると軽量の車体ができあがるのは、「錆びない」という素材の特徴から限界まで肉厚を薄くできるから。その結果、当然側板の強度が減るので、一般に鋼製車体よりも多くの梁を入れているという。

*5: 報道に配布された見取り図によると、当該編成は尼崎方から Tc 207-17 + M1 207-31 + M2 206-17 + Tc' 206-129 + Mc 207-1033 + T 207-1019 + Tc 207-1033(神ホシ Z16 + S18)の模様。

*6: もちろん連続的に超過すれば動力系統に過度の負荷がかかることは考えられるが、すぐに故障に結び付くというものではないはず。

*7: もちろん、曲線などの線路状態によって速度限界がある場合はまた別の話。

*8: 2358 時付近の TBS の報道によれば、搬出されたのは 22 時過ぎだったのだが、2 輛目で発見されたのだという。このころには「2 輛目の救出活動は既に終了」と報じられていたので、よほど奥まったところに閉じ込められてしまい、1 輛目の救出活動の途中で発見されたのだろう。1 輛目と 2 輛目の破壊状況のすさまじさを示しているように思う。改めてご冥福をお祈りしたい。

*9: 2309 時には NHK でも「54 人」に。


「鉄道乗りつくしの旅」 [TV]

福知山線での列車脱線・衝突事故の関連で、今日 1945 からの予定だった「鉄道乗りつくしの旅」の BS2 での再放送は中止となり、5/9 の 1945 時からと変更になったようだ。確かに暢気に鉄道旅行の番組などを流している状況ではないだろう。

同じく明日放送予定の BS hi 分「大前駅」も 5/9 0745〜0800 に延期(どちらも NHK 番組表からの情報)。既に NHK では「被害者や遺族の感情に配慮する」として番組の放映を延期すると発表していたので、それによる措置だろう。

一足先に番組表で変更案内が出ていたのだが、2328 時現在、番組情報 の page でも正式に放送日の変更が announce された。BS hi/BS 2 とも、未放映分は 5/9 以降に順次放映するとのこと(5/13 は BS hi のみ。また 5/14 はどちらもなし)。それに伴って「ダイジェスト」や総集編も 5/15 以降に延期。毎日の放送分(15 分枠)と「ダイジェスト」の放映順は延期前の関係を維持するようだ(「ダイジェスト」は 1 週前の映像を放映)。


福知山線列車脱線・転覆事故(続) [災害]

2410 時から 2412 時にかけて、現場からの中継映像として、救出された人が搬送されていく様子が放送された(TBS)。人数や生死の別は不明とのことだが、生存者であることを切に願う。

一方、2414 時頃、JR 西日本が発表した「粉砕痕の写真」とされるものが発表された。Rail に沿ってかなりの量の白い粉末状の物質が散らばっている様子だ。これが事実だとするならば、それなりの大きさ(もしくは量)の岩石を巻き込んでいなければならないのではないか。Rail 周辺に残る白いものは周期的に量が変化しているようで、車輪が粉砕し、それを巻き込みつつ車輪が回転した様を窺わせる。

2420 時、犠牲者が 56 人になった、と報道された(TBS)。先ほど搬送された方だろうか。さぞかし無念だったろうと思う。

2428 時頃の報道で、先ほど搬送された方は女性で、「4 名生存」とされていたうちのお 1 人であるという。久々に明るい news だ。残りの 3 人も早く救出されるといいのだが‥‥。一方で、負傷者が 440 人(女性 272 人/男性 165 人/性別不明 3 人)に達したことも報じられた。このうち重傷が 137 人。数は判らないが重体の方もおられるはずで、これ以上亡くなる方が出ないことを祈るばかりだ。

2440 更新の情報によれば、さらに 1 人の死亡が確認され、犠牲者は 57 人(男性 30 人/女性 27 人)になったという。2520 の news ではまた 1 人搬出されたとのことだが、生死の別は現時点では不明らしい。生存者であって欲しい。

現場の中継映像が NHK で流れたが、救出現場附近は昼間のように皓々と照らされていて、必死の救出作業が続いている様子が窺える。しかし、マンション 1 階の駐車場には 3 段式の駐車機が設置されていて、ここに飛び込んだ 1 輛目の車体は駐車機の隙間にめり込んで大破しているという。作業はかなり難しいだろうが、気をつけて活動を続けていただきたい。

そして、その news の最後に「負傷者は 441 人」と報じられた。生存が確認されていた 4 人が既に負傷者に数えられていたとすれば、先ほど搬出された方は生存者であったことになる。なんとかそうであって欲しい‥‥。

2413 の news では、犠牲者が 58 人となったことが報じられた。一方、先に救出された女性は重傷だとのことで、重傷者は 138 人となっている。

28 時の news によれば、車内に閉じ込められていた生存者のうちの 1 人が 2643 時頃救出されたという。しかし、その一方で犠牲者は 59 人に。「意識不明」と伝えられていた男性だろうか。もしそうなら、非常に残念だ。

29 時の news では、28 時過ぎに相次いで 3 人の方の遺体が搬出され、29 時頃にさらに 3 人の方の遺体が搬出された、と現場からの速報が入った。未確認ながら、これで犠牲者は 65 人になってしまった。生存が判明している 1 人の救出が気掛かりだ。


くしゃみ・鼻水・鼻づまり [日常]

天気が悪いというのに、日中からずっと鼻水が止まらない。かんでもかんでもだらだら垂れてくる。膿のようなものではなく、さらさらの水っ洟。鼻づまりも多発。

さらに深夜になって一時くしゃみも止まらなくなる。これは 30 分ほどで治まったが、依然として鼻づまりがきつい。腹が減って眠れないのだが、鼻づまりが酷くて飯も喰えない。

結局 28 時過ぎにコンビニへ。弁当を買って帰る。雨が結構激しい。

1 時間半ほどかかって弁当を喰う。

30 時頃布団へ。



2005/04/26 (火) 曇のち雷雨 <一夜明けて>

ひる [日常]

12 時頃起きる。鼻は膿で詰まっていた。


福知山線列車脱線・転覆事故(続) [災害]

生存が確認されていた最後の 1 人が 7 時過ぎに救出されたという。状態は不明だが、なんとか無事であって欲しい。

一方、犠牲者は 73 人(男性 41 人/女性 32 人)に。ご冥福をお祈りする。通勤線区ということもあり、近年にない大惨事となってしまった。衝突などによらない脱線事故としては実に鶴見事故以来の大事故ということらしい。見える限りでは閉じ込められている人はいないとのことだが、これ以上犠牲者がいないことを願って止まない。病院に収容されている方の安否も気掛かりだ。


虚偽報告と原因究明(福知山線事故) [災害 / 雑感]

ところで、10 時過ぎに行なわれた JR 西日本による会見では、当初「8m 過走」とされていた報告が虚偽のものであり、実際には 40m ほどであったことが明らかにされた。乗客の証言に「伊丹で停止位置を 2〜3 輛分行き過ぎた」とするものがあったが、それとも符合する。「運転士から頼んだのか車掌から持ち出したのかは未確認」とのことだが、とにかく運転士の「過走距離を少なく報告して欲しい」という要望を車掌が取り入れたということは確からしい。

虚偽の報告というものがあってはならないのは言うまでもないが、「遅延をできるだけ取り戻して叱責を軽くしたい」という意志があったことを示す傍証として捉えることもできるだろう。

ただし、現時点では脱線当時の運転速度が危険域に達していたという証拠はなく、安易に「運転速度の超過のみが事故の原因」という結論を急ぐことは事故原因の究明の妨げになる。

乗客からは「かなりの速度を出していた」という証言が相次いでいるようだが、群衆心理としてある「確からしい事実」が提示されるとそれが真実であるかのように思い込んでしまうという傾向もあり、またマスコミもそのような証言を好んで取り上げるので、こういった声は拡大の方向へ走りやすい。再発防止には原因や経過を正しく解析する必要があり、ある「解りやすい理由」だけを取り上げて安直にそれを「決定的な原因」と決めつけることがあってはならない。被害に逢われた方々の感情は想像すらできないものだろうが、事故原因の究明はあらゆる可能性を考慮しつつ努めて冷静に行なわなければならない。

「決めつけ」と言えば、JR 西日本が記者会見で粉砕痕の写真を示して「置き石の可能性」を提示したところ、北側国交相がそれに不快感を示しているという。脱線の原因が置き石である可能性を強調しているとも取れる JR 西日本の対応に、「事故調査委員会からなんの報告も上がっていない段階でそのようなことを持ち出すのは如何なものか」。「責任逃れとも取れる発言は慎め」ということなのだろう。

現時点では「石」の大きさは不明だし、そもそも破片らしきものが見つかっていないとのことなので、粉砕痕があったことが事実であったとしても*1、それが「石」によるものかどうかも判らない(脱線車輛の床下機器が擦過したのかもしれないし、何らかの救援器材を運搬中についたとも考えられる)。その段階で置き石を決定的な原因であるかのように強調しようとすることに対してはごもっともな指摘だが、国交相の記者会見の映像を見ると、その後の発言には矛盾がある。

同じ会見では、「大幅な速度超過が脱線の原因とされているが」という記者からの質問に対し、口籠もりながらも「事実としてそういったことはあったと思っている」と発言していた*2。JR 西日本に対して上述のような発言をするのなら、ここでは自らも安易な発言は慎むべきだ。

速度超過に関しては、現在のところ状況証拠しかない。乗客の救出を最優先としていることもあって、事故原因の調査が本格化するのはまだ先だ。唯一の物証たりうる monitor 装置は(JR 西日本によれば)事故調に提出されているというが、その解析結果はまだ公表されていない。置き石があったという証拠がないのは事実だが、その一方で明らかに危険な速度で走行していたという証拠もまた現時点ではないのだ。

JR 西日本の会見を見ていた限りでは、粉砕痕があったという事実を提示し(写真が公開されたのは夜になってから)、「置き石ではないか」とする推測を述べていたに過ぎない。粉砕痕があったのが事実なら、附近で置き石事件が相次いでいたという経緯から当然その可能性を疑って然るべきだ。確証がないという点では速度超過の件と大差ない。自らも誤解を招くような発言をしておいて、JR 西日本だけを責めるのはおかしいのではないか。事故原因の調査に当たっては可能な限りの物証を収拾するのは当然のことだし、JR 側の発表は決して行き過ぎたものとは思えない。まさか「JR 西日本にとって都合のいい証拠は訊かれるまで出すな」とでも?

*1: 最悪の想像をすれば、置き石が原因であるとするために捏造したという可能性もある。ちなみに、国鉄分割民営化からまもなく発生した東中野駅での列車追突事故('88.12.05)では、事故後に追突した列車の運転台から radio 受信機が発見されたとして、当初の当局の発表では「運転士が radio を聴きながら運転したことによる注意散漫が原因」とされた。この「radio 受信機」、衝突で大破した運転台にあって傷一つなかったという。その後、当局が「遅延発生時には無閉塞運転(= 信号を無視して運転すること)を行なうよう指示していた」とも取れる通達を出していたことが明らかとなり、過密ダイヤとそれを守るために行なわれていた恒常的な危険運転こそが原因と見られるようになるに連れ、radio の話はいつの間にかどこかへ行ってしまった。

*2: ある TV 局はこの答えに対して「あったのは間違いない」という字幕を重ねていたが、これは明らかに誤りだ。世論誘導の意図でもあったのだろうか。


車輛撤去開始(福知山線事故) [災害]

1 輛目も確認できる範囲では取り残された乗客はいないとのことから、現状のままの捜索活動は終了し、事故車輛を撤去しつつ 1 輛目に向かって捜索を続行することになったようだ。通常ある程度の検証が完了するまで事故車輛は保全されるが*3、今回の事故ではそれに反してまで事故車輛を解体しなければ捜索が続けられないほどに事故車輛の損壊が酷いのだろう。

正午頃から、ほぼ原形を保っていた 3 輛目(M2 206-17)の解体撤去を線路外側から開始。重機の爪で車体を千切って毟り取り、その破片をもう 1 台の重機で離れた場所に運ぶという手順で進められたという。

14 時前までにおよそ半分の撤去を終え、警察による検証作業ののち作業を再開、16 時頃には半分程度の床板(と床下機器)を残すのみとなった。そして 16 時半前には一部の破片を除いてほぼ撤去を完了し、17 時頃からは 2 輛目の車体に慎重に穴を開けて車内に入り、取り残された人がいないかどうかを確認する作業に入ったらしい。

事故車輛を移動するなら救援列車で健在な車輛を後方に引き出すともっと早いと思うのだが(5 両目の Mc 207-1033 も脱線しているが、運転台側の台車が脱輪しているだけで転覆はしていない)、それをしないのは最後尾車輛の後方に粉砕痕(と見られるもの)を保全するためだろうか。

*3: 事故を起こした車輛は重要な物証だからだ。


〔S ひたち 23〕号衝突・脱線事故 [災害]

こんな折りも折り、1249 時頃、今度は常磐線羽鳥駅構内(上り方)の踏切で〔S ひたち 23〕号が大型トレーラーと衝撃、脱線した。乗客 2 名とトレーラーの運転手が軽傷を負っただけで、犠牲者がいなかったのが不幸中の幸い。

現場は幅約 3.5m たらずの大貨通行禁止の踏切で、警察の調べに対してトレーラーの運転手は「踏切を通過中に左前輪が脱輪し、通報 button を押したが、間に合わなかった」と話しているという。

規模の割に被害が少なかったのは、貨物自動車がトレーラー構造だったことと、列車の先頭がトレーラーの運転席附近の真横から衝撃したため、「ジャックナイフ現象」のようにトレーラーの運転席部分だけが首を振る形になり、衝撃を緩和する結果になったからだろう。

19 時現在、現場はクレーンを使用して脱線した先頭車輛を復元する作業中とのこと。


雷雨 [日常]

1449 時、突然大きな衝撃音がした。

まもなくバラバラと激しい雨が。その後もゴロゴロと雷音が聞こえる。かなりの雷雨だ。

しばらくして止んだが、最初の音はかなり近かった上にあまり響いてもいなかったので、よほど近くで落ちたんだろうか。


速度情報と車輛突入状況公開(福知山線事故) [災害]

19 時の news で、5 輛目から回収された monitor 装置から「非常制動直前の列車速度が 100km/h 余りであった」ことが判明した、と報道された。

昨夜の news 番組では「100km/h 程度では脱線しない。かなりの速度が出ていたのでは」とする「鉄道事故専門家」もいたが、さて、どうなのだろう。

ともあれ、今回の data が取れたことから、運転士が非常を扱ったことはまず確かなのだろう。また、現場で「非常を扱った brake 痕」と思われるものも見つかっているという(http://www.asahi.com/national/update/0426/OSK200504260076.html)。

このほか、マンションの 1 階に飛び込んだ 1 両目は、ほぼ正面から突っ込み、駐車機と衝撃して圧縮・破砕された状態であることが報道された。破壊の度合はまさに原形をとどめていない状態だという。

これらの事実や、現場附近の曲線が「133km/h を越えると脱線の可能性がある」とされたことから考えると、やはり単純な速度超過のみが脱線の原因ではなく、それに何らかの原因が重なって起こった事故であることは間違いないだろう。いろいろ指摘されていることも含めると、次のような要因が考えられる。

  • 非常を扱ったために車輪が lock し、フランジと rail の摩擦が増え、「せり上がり脱線」を起こした
  • 空気バネの弾力のみで車体と接続され、空気バネの歪みに対する復元力で台車の復元力を得るというボルスタレス台車の構造から、高速突入によって曲線への追従が遅れ、フランジと rail の摩擦が増えて「せり上がり脱線」を起こした
  • 「石」を踏んで車輪が浮き上がり、rail を乗り越えた
  • 緩和曲線附近で立ち上がる「カントが所定量に至るまでの勾配」が高速通過によってカタパルトのような効果を持ち、車輪が浮き上がって rail を乗り越えた

もちろん、これらの要因が複合して作用した可能性もありうる。Rail 側面や踏面にフランジによって傷がつくと思われるので、その位置や「非常ブレーキ痕」とあわせれば検証可能なのだろうと思う。これらは当然推測でしかなく、事故調査委員会による分析結果を待ちたい。


捜索続報(福知山線事故) [災害]

1950 時頃、「クローズアップ現代」の中で、「救助隊による探査の結果、1 輛目と 2 輛目の中にまだ十数人が横たわっている。生存は絶望的」と報じられた。犠牲者は 90 人近くに上る可能性が強くなってしまった。残念でならない。

今回の事故に関しては「40 年来の大事故」という表現がしばしば用いられている。これは「脱線が原因となった大事故」としては '63.11.09 の鶴見事故が最後であったことを指しているのだろう。その事故は、脱線した貨物列車に上下の横須賀線電車が相次いで突っ込み、161 人(162 人とも)の死者と 119 人の重軽傷者を出したものだが、今回の事故が単独であることを考えると、鶴見事故やその前年の三河島事故('62.05.03、死者 160 人/負傷者 325 人)より重大で、桜木町事故('51.04.24、死者 106 人/負傷者 92 人)に匹敵する。正しく史上最悪の鉄道事故と言っていい。

慎重な作業を長時間続けている救出隊のご努力には頭が下がるが、くれぐれも二次被害に注意しつつ、全員の救出まで頑張っていただきたいと思う。


風邪? [体調]

天気が悪いにも関わらず、日中から鼻水とくしゃみが全然止まらない。

おかしいなと思っていたら、夜になって頭がガンガン痛くなってきた。割れそう。

さすがにこれは変だと思って熱を計ってみたら‥‥熱あるじゃん。これって、花粉じゃなくて、風邪だってば (-.-;

フラフラしつつコンビニへ弁当を買いに行き、帰って喰った後、風邪薬を飲んで沈没。



2005/04/27 (水) <出歩く>

ひる〜よる [日常]

10 時頃起きる。鼻はやや詰まり気味であるものの、昨日とは打って変わってすっきり。

気が付いてみると、いつの間にか 27 日。引き落とし関係の処理のため、銀行巡り。

そのまま用足しのため大山方面へ。

帰りに文京区某所(っつーか区役所周辺)をうろうろして下調べ。

お江戸線で一旦帰宅し、その足で浅草橋へ行って、いつもの「森の治療院」で鍼を打ってもらう。


犠牲者さらに大幅に増加(福知山線事故) [災害]

家に帰ってみて驚いた。福知山線事故の犠牲者は確認されただけで 95 人にものぼり、さらに少なくとも 10 人が車内に取り残されていると言うではないか。

今日の 0 時頃、2 号車附近から 4 名の遺体を発見、さらに 4 名の遺体が発見され、運び出された。これより前の県警の発表によると、「車内に取り残されている乗客の数は十数人」ということだった。

ところが、2 輛目を中心に捜索を続けた結果、未明から朝までに 10 人の遺体を相次いで発見、この時点で 2 輛目を足場にして 1 輛目内部を目視するなどして調査したところ、1 輛目だけで少なくとも 20 人が取り残されていたという。

その後、朝から 2 輛目の側板を撤去する作業を開始、7 時半頃にはようやく 1 輛目の屋根が露出。9 時半頃までに 2 輛目の側板は半分程度撤去され、昼頃からは 2 輛目の撤去・捜索と平行して 1 輛目に集中して捜索を続行、午後になって 4 名の死亡を確認し、これで犠牲者は 95 人に。

さらにその後 21 時までに 1 名の死亡が確認された。15 時頃に最後の犠牲者を運び出して 2 輛目の捜索を終了したのち、現場では 1 輛目の天井部分を重機で撤去するなどして救出活動が続けられ、23 時頃にはマンション内の駐車機の鉄骨を重機で引きずり出す様子が見られた。

そして、24 時過ぎにはさらに 1 名の死亡を確認、犠牲者は 97 人に。1 輛目にはまだ 10 人近い乗客が取り残されているという。犠牲者が 100 人を越えることはほぼ確実となってしまった。痛ましい。せめて全てのご遺体が一刻も早く遺族の元へ還ることを願う。

1 輛目には、全ての事情を知るはずの運転士も依然として閉じ込められているという。探査機による調査では車内に閉じ込められている人の生存は絶望的とされており、事故原因の完全な解明もほぼ不可能となってしまった。

一方、NHK「ニュース 10」によると、マンション 1 階の駐車場部分に正面から突っ込む形となった 1 輛目は、前面が 1 階の床を突き破って地下に落ち、さらに後ろから 2 輛目の天井に押された結果、蛇腹状に圧縮されているらしい。車体は左に 45 度程度傾いた状態だという。昨日救助された生存者は、先の 2 人が最後部の扉附近に挟まれた状態で発見され、最後の 1 人は先頭附近の車外に放り出されていたという。まさに奇跡というほかない。

中継の映像では、tunnel 掘削時の支保工のようにマンション 2 階の床や梁を鉄柱で支えながら捜索活動を続けている様が窺えた。作業を進める方々には、くれぐれも二次災害のないよう、気をつけていただきたいと思う。


事故の主原因は「転覆」?(福知山線事故) [災害 / 雑感]

以前から「軽量ステンレス車体」の車輛に乗る度に感じていたことがある。「どうも鋼製車輛に比べて重心が高いんじゃないか?」ということだ。これは予て周囲の人に話していたことでもある。

私は関東に住んでいるので、209 系や E231 系に代表される、俗に言う「走ルンです」series に乗る機会が多い。これは東急車輛と JR 東日本が共同で開発し、JR 東日本の新津車輛製作所で製造されているものだ。よほど建造費が安いらしく、JR 東日本のみならず、京成・東急・相鉄など関東近郊の民鉄に相次いで導入され、最近ではさらに名古屋圏や関西でも導入が進んでいる。南海で導入されたのは記憶に新しい。

その「走ルンです」だが、乗っているとなにか揺れ方がおかしい。鋼製車輛の揺れ方に慣れているせいもあるのだろうが、どうも「ぐらんぐらん」と頭を振るような揺れが大きいような気がするのだ。蛇行動も鋼製車体に比べて多いような気がする。乗っていて、いつも不安感に襲われる。

思い当たる節がないではない。「軽量ステンレス車輛」はその通り車体重量が鋼製車輛より軽くなっている。そのうえ、床下機器も MG*1 の代わりに SIV*2 を採用したり、電車の motor 制御が抵抗制御*3(界磁添加励磁制御を含む)から VVVF*4 に移行するなどで、かつてに比べて軽量化が進んでいる。その一方、屋根に乗っている冷房装置が大きく軽量化されたという話は聞かない。最近の車輛は窓が開かず換気ができないため、以前に比べて一層の冷房能力が要求されていることも考えられる。

そして、下廻りの変化だ。そのような車輛は同時に台車の軽量化も図らないと意味がないので、ほぼ例外なくボルスタレス台車を採用している。「ボルスタレス台車の車輛に乗っているとボヨボヨ跳ねているような変な乗り心地がする」と感じるのは私だけではない。しかも通勤用車輛ではヨーダンパ*5も搭載されていない。結果として「フラフラ」しながら走っているような気がしてならない。台車が蛇行動を起こしてガタガタいっているのもよく聞く。もちろん蛇行動を全く起こさないということは原理的にあり得ない*6し、ある程度はやむを得ないのだが、それにしてもどうにも気になって仕方がない*7

今回の事故現場を調査した調査委員会によると、rail には車輪がつけた傷らしいものが驚くほど少ない(というか、ほとんど見られない)ため、列車が横転する形で脱線したのではないかと考えられるという。事故当時、曲線の内側から当該列車を目撃していた沿線住民の「外側に倒れるように突っ込んでいった」という証言に符合するし、乗客の中にも同じような証言があったこととも一致する。もしも 207 系の重心が従来の車輛よりも高くなっていたとしたら、実に納得のいく話だ。

「制限 70 の曲線を 100km/h 程度で通過したくらいでは脱線しないはず」とは JR 西日本や「鉄道専門家」が予て発言していたが、その根拠が従来の鋼製車体を前提としており、207 系がその前提から外れていたとしたら、どうだろうか。特に JR 西日本の「133km/h 以上でないと脱線しない」とする「試算結果」がどのような根拠によって算出されたのか、非常に関心がある。前提次第では、実は「現在の『制限速度』には以前ほどの余裕がない」ということにもなるし、従来の車輛を前提として設定されたカント量が不適切である可能性もある。もしこのようなことがあれば、それは安全確保の上で重大な「誤算」であることになる。

ただ、完全に横転した状態で脱線したとすると、駐車場に突っ込んだ 1 輛目の傾斜が 45 度程度で止まっているのと矛盾するような気がする。車輛が横向きになっているわけではないので完全に 1 回転したというのも考えにくいし(もしそうだったら生存者がいたかどうか判らない)、おそらく遠心力によって右側の車輪が浮き上がり、それと同時に何らかの理由(緩和曲線のカントの立ち上がり部分とか*8)で左側の車輪も浮き上がって、「傾きながら飛んでいく」ような状態だったのではないだろうか。2 輛目もそれに引っ張られて外に飛び出したものの、電動車であることから 1 輛目ほどには車輪が浮かず、そのため左側の車輪が rail に引っ掛かって 1 輛目より大きく傾き、天井と側板の境目附近から建物に衝撃したと考えられる。こちらはほぼ横転に近い状態であったろう。ほぼ横転状態だった 2 輛目がどちらを向いて衝突したのかが原因究明の上で重要であると思う。

ところで、「なぜ現場に脱線防止ガードが設置されていなかったのか」という指摘があちこち(主にマスコミや国会)で行なわれているようだが、横転が主原因だったとすれば、脱線防止ガードはあっても全く意味がなかったことだろう。逆に無理に脱輪を押さえ付けることによって「なめらかな脱線」が妨げられることになり、今回横転を免れた 3 輛目も一緒に横転していた恐れがある。

*1: 電動発電機。走行に使用する電源は直流だが(これは交流電動機を使用する VVVF 車でも同じ)、蛍光灯など一部の機器・設備は交流を必要とするため、直流 motor で発電機を廻して交流電源を取り出す装置。国鉄型の電車の場合、多くは電動車 1 unit に 1 機ずつ装備されていたが(特急型では例外もある)、近年では「他の unit からの給電で事足りる」として一部の unit から撤去したり(山手線 205 系の後半期など)、SIV に積み替えたものもある(磐越西線の 455 系など)。

*2: 静止型 inverter。一定電圧・一定周波数の交流電源を電気的に生成するもので、家庭用の蛍光灯照明器具に使われる「インバータ」と機能は同じ。電車の motor の駆動や家庭用のエアコンなどに使われる VVVF inverter を単に「インバータ」と呼んだりすることがあるせいか、そうでないことを明示するために「静止型」と呼ばれる。

*3: 従来の車輛で主流だった制御方式。直流電動機を使用し、抵抗器をその前後の回路に挿入して分圧したり、motor の回路的な繋がりを組み替えるなどして motor にかかる電圧を制御し、回転数を制御する。構造が簡単で、「低速時にトルクが大きい」という直流電動機の特性もあり、扱いやすい。しかしその一方、重くて大きな抵抗器を積む必要があり、また直流電動機の「回転数に上限がある」という特性から低速性能と高速性能を両立しにくいという限界もある。さらに、抵抗器を使って電源を分圧する領域(比較的低速時)には分圧した電圧を熱をして放出するため、連続運転が連続する場合は電源消費効率が低い上、冷却が不十分だった場合熱によって抵抗器が溶けるといった故障の原因になることもある(このため出力の大きな電車では電動送風機を積んでいるものが多い)。

*4: 可変電圧・可変周波数制御 inverter。三相誘導電動機に加える電源の電圧や周波数を制御する方式。本来交流電動機は「電源消費効率がよく、回転数の上限が緩い」という特徴があったが、同時に「電源周波数に同期してしか回転できない」という制約もあり、それを制御回路によって変化させるようにし、さらに電圧も制御して効率を向上して、任意の回転数を得られるようにしたもの。抵抗制御に比べると制御は複雑だが、抵抗器などによる loss が少ないため、最近主流となった。以前からエアコンなどでは実用化されていたが(近年では洗濯機や冷蔵庫にも使われている)、鉄道車輛での実用化が難しかったのは、大電力を制御するための電子素子がなかなか開発されなかったから。

*5: 台車と車体が勝手に運動して揺れが増えたりすると脱線を起こしやすくなるので、それを防止するために台車と車体を連結する油圧ダンパ。JR では高速走行を基本とする車輛や特に乗り心地を重視する車輛(主に特急型など)に装備されている。民鉄でも京王電鉄の 7000 系などには装備されている。

*6: 蛇行動は rail と車輪との間の「遊び」が原因で起こる。しかし、この「遊び」がある程度ないと、摩擦が多発して smooth に走れないだけではなく、ちょっとした rail のふらつきによって車輪が押し出されて脱線する恐れがある。

*7: 車体が軽くなっていることから、鋼製車体に比べて車体そのものの慣性が減少していることも関係しているのかもしれない。

*8: 置き石の可能性は警察によってほぼ否定された。実際、昨日夜の記者会見で JR 西日本が「粉砕された石の破片」として示したものは、「どうも無理があるのではないか」と感じた。


なぜ「無理な回復運転」をする必要があったのか(福知山線事故) [災害 / 雑感]

運転士が制限速度を越える速度で走行したことが事故原因の一つであることは疑う余地もない。では、なぜそのような無理な運転をしなければならなかったのか。事情を知る運転士の生存がほぼ絶望と見られることから、周辺の状況から類推せざるを得ない。

直接の理由は、伊丹駅での延発を回復しようとしたことだ。その延発を招いた原因は、停車時の過走にある。

マスコミから出されている「技量の問題」という指摘は、一つの要素として考えられはするものの、決定的な問題ではないと思われる。当該運転士は乗務開始直後にも 100m の過走を起こしていることが明らかになっているが、もしそれ以外に運転事故を起こしていないとすれば、逆にそれから 10 ヶ月以上の間、過密路線での運転を問題なくこなしていたことになる。

一度でも実車を運転したことがあると解るが、過密ダイヤで問題なく運転を行なうのは相当な技量を要求される。特に通勤線区ではただでさえ限界運転を要求されることが多く、それを「秒」の単位でこなすのは大変なことだ。その条件下でさらに停止位置をピッタリ合わせるのは一筋縄では行かない。仮に 100km/h で走行していたとして、減速の timing が 1 秒遅れると、それだけで停止位置は約 28m ずれてしまう。最近の車輛は加減速性能が向上しているのである程度の失敗は調整が効くが、それも「ダイヤに余裕があれば」の話で、性能の向上を前提としてギリギリのダイヤが組まれていた場合、その回復は容易ではない。よく運転士から出る話では、天候や乗車率によっても加減速特性はかなり変化するという。列車の運転で最も難しいのは「ピタリと停めること」だ。下手をすると、一駅毎に brake の効きが全く変わってしまうことも考えられる。最後はどうしても運転士の技量や勘に頼らざるを得ない。ある程度運転密度の高い線区では自動運転を導入できない理由もそこにある。「勘」と「経験」を駆使しなければ、限界運転はできないのだ。

「運転が荒らかった」というのも、どの時点を取り上げてそう感じたのかが問題だ。もし伊丹へ停車する際の減速時であったなら、停止位置を越えてしまうことを途中で感じて制動を強めたのかもしれない。「停止位置を直すときにすごい速度で戻った」というのもあくまで主観であり、遅延が拡大するのを恐れていればそれなりの速度で戻っただろう。そこでまた戻り過ぎたりすれば確かに技量面でかなり不安だということになるが、そのような話は出ていない。「いつもより速かった」というのも、回復運転をする場合は常にそうであるから、それそのものが致命的なわけではない。

「乗務経験」も、同じ理由であまり問題にはならないだろう。例え 30 年の経験を持つ運転士でも、その「経験」が 1 時間に 1 本しか走らない閑散線区でのものであれば、都市部の過密線区では素人同然だ。また、車輛や動力方式によっても運転の特性や方法は千差万別だ。実際、国鉄末期での「広域配転」では、北海道から東京近郊に配転となったベテラン運転士がノイローゼから自殺に追い込まれ、裁判となったこともある(その当時、配転先の武蔵野線は今よりずっと列車本数が少なかったが、それでも元の線区に比べれば「過密線区」だったろう)。また、運転密度だけではなく線形や輸送断面などの問題もあり、実際にその線区でどのくらい乗務したかというのが最も重要になる。過走に対する処分として乗務停止になっていた期間を除いても半年以上の実績はあったろうから、経験としては極端に不安を感じるものではないだろう。

むしろ問題は、「なぜそうまでして無理に速度を出さなければならなかったか」という点にあると思う。一つには報道でも指摘されていたことだが「本人の真面目な性格」が挙げられるかもしれない。しかし、実際に最も大きな要素だったのは「処分を恐れた」ということではないか。当該運転士は、上狛駅での過走事故の際に乗務停止処分を受け、「内勤教育」を受けていたという。既に一度処分を受け、しかもそれから 1 年と経っていないのだから、当然そのことが頭をよぎったに違いない。

以前から JR 西日本の労組は「過度の締め付け」を訴えていたという。もちろん安全や定時性の確保に一定の緊張感は必要だが、それが行き過ぎればかえって焦りを招く結果になり、さらには「叱責を恐れるあまり若干のことには目をつぶる」ということに繋がる。

今回の事故に関しても「今月始め、1 週間にわたって 1 秒単位で遅延状況を自主報告させていた」ことが報道された(http://www.asahi.com/national/update/0427/OSK200504260105.html)。担当運輸部長は「定時運転に加え、ダイヤの改定に反映させるため」だとしているそうだが、もし本当に「実情をダイヤに反映させる」ことが目的ならば、日常的に遅れが目立つとされる「要注意列車」が遅延する要因を調査しなければならないはずだ。それをせずに出発時刻のみを報告させていたとすれば、たとえば遅延の原因が(学校・会社の仕業時刻や列車の接続に丁度いいなど)多客による乗降時間の増大であったとしても、単に乗務員に対してそれを吸収する圧力をかけるだけに過ぎない。

2001 年には尼崎電車区でこんなことがあったという。8 月 30 日にある運転士が乗務していたところ、車掌から機器の異常を知らされ、それを処置したため 55 秒の遅延が発生。これはどう考えてもやむを得ない事情ではないかと思うのだが、現場管理者は翌 31 日にこれを理由として乗務停止の処分とし、休み明けの 9 月 3 日から「日勤教育」を指示したという。これは「自分の過去の事故をレポートしろ」などとして会社への帰属意識を問うものだったというが(左方面の「自己批判しろ」というのと似ていると思うのは私だけか?)、当該運転士は過去に事故歴がないために書けずにいたところ、「8 割は書かないと認めない」としたほか、人格を否定するような罵声を浴びせるなどしたという。このレポートの作成は上長が勤務する内勤室の中央に机を置いて行なわれ、上長の席に取り囲まれている上、他の乗務員からも丸見えなので「教育」を受けていることが明らかで、まさに「晒し者」と言うべき状況に置かれるという。さらに「教育」を受けている間は茶を飲むことも許されず、便所に行くときには許可が必要で、場合によっては上長がついてくることもあったらしい。精神的に追い詰められた当該運転士は 3 日後の 9 月 6 日に自殺。父親が原告となって現在損害賠償を求める民事裁判で係争中(労組の page訴状)。

2000 年 3 月 17 日には、高槻電車区に所属する指導主任 1 級を持つ熟練運転士が快速電車に乗務中飛び込みと思われる人身事故に遭遇(通行人が発見した遺体に遺書があったという)。当該運転士は異常は感じたものの人身事故には気付かず、通常通り勤務を続けて網干で仮眠、翌朝に人身事故の連絡を受けて高槻電車区に呼ばれ、事情聴取を受けた。その日は帰宅したが、気分が悪いと伏せったままで、妻は様子がおかしいと感じたものの風邪かと思っていたという。そして特休日明けの 20 日、朝 7 時には既に姿がなく、午後に職場から「警察に出頭することになっていたが、連絡がつかない」と連絡があるに至って始めて家族は人身事故のことを知った。しかし連絡がつかないまま迎えた 21 日朝、職場から「遺書はないか」と家族に連絡。高槻電車区の車庫内で自殺していたのが 21 日未明に発見されたのだという。この件では、「事情聴取」が「ひき逃げ犯」として追求するものであったり、指導運転士としては屈辱的な「運転指導の video 教材を強制的に見せる」といったものだったなど、事故に気付かなかっただけでも良心が咎められるであろう運転士に「配慮に欠けた会社側の対応が自殺の一因と判断」して、茨城労基署が労災を認定している(担当弁護士の page)。

そのほかにも尼崎電車区では社員への人権侵害があるとして、神戸地方法務局に調査と是正勧告を申告したという。

今回の事故を起こした運転士は京橋電車区所属とのことだが、過剰な職場管理や「内勤教育」の実体がどの電車区でも同じようなものだとすれば、これはまさに恐怖以外のなにものでもないだろう。「なんとしてでも避けたい」と考えたとしても不思議ではない。これが無理な運転をする原因になった可能性は否定しきれないのではないか。この件については東京新聞でも指摘されている

このような「締め付け」は JR 東海でも指摘されている。一方、JR 東日本ではこのようなことはあまり聞かれない。その代わりにささやかれているのが「JR 東日本全体を牛耳っているのは動労が中心となっている JR 東鉄労だ」という話だが、それを置いておいても、京阪神地区と東京近郊とでは事情に大きな違いがある。それは「競争の有無」だ。

今回の事故の報道でも取り上げられているが、京阪神地区は激しい競争が行なわれている。これは鉄道建設期に(地形の関係もあってか)競争を奨励するような政策が取られたことが関係している。優位性を放棄することはそのまま収益性に影響するので、各社ともサービスや利便性で競っている。これは旅客にとっていい面もあるのだが、行き過ぎると安全がおろそかにされる危険がある。まして、民鉄各社は利益性のいい線区を中心に保有しているのに対し、JR 西日本は多くの不採算線区をも抱え、さらに収益をあげることを暗黙の内に期待されている*9。阪神・淡路大震災の財政的損害もいまだに抱えたままだ。これが乗務員への過剰な締め付けを招いたことは想像に難くない。

一方の東日本はどうか。朝 rush 時のは首都圏各線は今日も順調に遅延している。元々多客による乗降時間の増大を織り込んで所要時間が日中などより多く取ってある上に、さらに遅延が発生する。これは JR に限らず、民鉄各線でも恒常的に発生している。そして、乗客の方もそれに慣らされていて、当然だと思っている。京阪神地区と比べて旅客流動が集中しすぎているという事情もあるが、最も大きな要因は京浜間などのごく一部を除いて競争が存在していないことにある。鉄道建設期に政府によって徹底的な需給調整が行なわれたため、競合するような計画に対しては免許が出なかったという経緯があるからだ。

さらにもう一つの要因として、JR 東日本は分割民営化直後に東中野列車追突事故を経験している。このときは当局による「運転士個人の資質に問題があった」と仕向けるための工作があったようだが、結局のところ、過密ダイヤとそれを守らせようとする圧力とが原因となって発生した事故だった。この事故の発生直後、それまでの通達を撤回して「信号を厳守するように」という通達を出したところ、途端に無ダイヤ状態になってしまったことは有名だ。つまり、「端から守ることなど不可能なダイヤを組んでいた」ということになる*10。このことが、当時の世相に「少しくらい遅れても安全が重要だ」という雰囲気を作ったことも間違いない。

「サービスの向上」はもちろん大切だ。しかし、公共輸送機関で最も大切なのは「安全」であることを忘れてはならない。特に鉄道のような「大量輸送機関」では、一度事故が起こると甚大な被害が発生する。経済的な損失も大きいが、何より失われた多くの人命は決して戻ってこない。

本来なら死ぬ必要のなかった 100 名近い人達を死に追いやったものは一体なんだったのか。一運転士を生け贄にするのは簡単なことだろう。しかし、それでは問題の根本解決にはならない。最終的に悲劇を引き起こした「脱線・転覆の mechanism」を解析し、対策を施すのはもちろん大切だが、その situation を引き起こした background にも目を向け、膿を出しておかなければならない。単に「速度制限地点で速度照査を行なう」だけでは、いつまで経っても違う形で歪みが出続けるだろう。

この事故が「とかげの尻尾切り」で終わらないことを切に願う。

*9: この事故が発生するまで、JR 各社は「利潤を追求すればするほど誉められる」という希有な存在であった。国民に「赤字国鉄」の鼻薬が効きすぎた結果と言える。

*10: 余談だが、JR 東日本では東中野事故の教訓がのちに「安全性を確保しつつ列車間隔をつめられる信号 system の開発」に繋がった。



2005/04/28 (木) <うろうろ>

あさ〜ひるすぎ [日常]

夜はくしゃみと鼻水が止まらなかったのだが、朝になったらすっかり治まってしまった。しかし、明日から連休。今日のうちに医者には行っておかないと‥‥。

ともあれ、朝一番で区役所へ。

その足で同愛記念病院へ。うちからだと、耳鼻咽喉科では一番近いのがここなんだよな‥‥。

で、やっぱり待たされる。ついでに看護士もいつも通りつっけんどん。土地柄に加えて老人ホームが併設されてることもあって相変わらずわけのわからん年寄りの対応に忙殺されてるのはわかるんだが、必要なことすらろくに言ってくれないのは実に困る。こっちはプロじゃないんだぞ?

一方、ついでにかかった皮膚科の医師は、無愛想かと思いきや変なところがお茶目というみょーなノリの人。うーん。で、患部を見せるとき‥‥

「この、テープがペタペタ貼ってあるのは、何か意味があるんですか?」
「あ〜、置き鍼がしてあって‥‥」
「?」
「あの、肩凝り・腰痛持ちなんで‥‥」
「‥‥あー。あははははー」

引いた笑いはよせ (-_-;

そして、「この症状はプロトピック(軟膏)では手に負えません。」とステロイド剤を出されましたよ‥‥?

「う〜ん、あんまりステロイドは使いたくないんですよね‥‥」
「以前に何かありました?」

(ステロイドの長期連用で現在の状況を招いたことを説明する)

「でも、一回ステロイドできれいにしちゃわなきゃ、ずっとこのままですよ? 特に手!」
「はぁ‥‥」
「これだけ(症状が)出てると、痒くないですか?」
「ええ、かゆいです」
「夜、眠れなくて、寝不足になったりしません?」
「そうなんですよね〜」
「ステロイド使いましょう(きっぱり)」
「‥‥はい‥‥」

「ちゃんと管理すればステロイドはいい薬」っての、頭では解ってるんだけどね‥‥しくしくしくしくしく

そのほかに「全身くまなく塗ってください。1 本を 1 週間で使い切る勢いで!」と保湿剤も出されましたが‥‥背中とか、自分一人でどーやって塗れと。

耳鼻科では「今朝、急に症状が落ち着いちゃったんですよねー」と話したら「ああ、顔を見ればわかります。典型的な鼻炎の患者さんですね。」とお墨付きをもらう。「見ればわかる」のか‥‥ (__;。で、左の鼻から何かというと膿のような‥‥という症状を話すと、やっぱり副鼻腔炎の疑いがあるということで、連休明けに CT を取ることに。ついでに採血して allergen test もすることに。

「前にやったことあります?」
「はい」
「いつ頃ですか?」
「え〜と‥‥ 5 年くらい前ですかねー」
「う〜ん、状況が変わってるかもしれないから、もう一度やっておきましょうか」
「はぁ」
「前は、何に出てました?」
「えーと、スギ・ヒノキ・ブタクサ・ハウスダスト・カビ‥‥」
「あー、全部ですか‥‥ (^.^;
「お約束のやつですよねー (^_^;
「多分、今回も期待通りの結果になると思います‥‥ (^_^;
「はっはっは (-_-;

CT の予約をして、診察は終了。1F に降りて、お会計。

‥‥で、9 千円近いお布施 (__;。ちなみに、この病院は地域の拠点病院であるせいか、初診時に「特別初診料」というのがかかります。1,500 円。今回は耳鼻咽喉科と皮膚科にかかったので、これだけで 3,000 円也。この「特別初診料」、他の病院の照会状があったり、救急搬送されてきた場合などにはかからないが、一般外来で来て今までかかったことのない科にかかったり、再診でも前回から一定の期間が経過していて継続した治療と見做されなかった場合は、徴収されます。で、私の場合は以前にかかっていたが泌尿器科*1だったので、問答無用、と。‥‥しくしくしく。

会計は予想より早く済んだが、薬が出るまで時間がかかりそうだったので、その間に隣の棟の軽食 corner で軽く昼飯。

食後にたんまりと薬をもらって、撤収。

*1: 尿管結石でねー‥‥。いたいんだよー ;_;


ごご〜よる [日常]

でもって、客先へ。

個別に打ち合わさったりしたあと、作業。

‥‥今日は早めに離脱してみたりしますよ?

気絶しながら浅草橋へ。そして、キコキコと帰宅。

Mail を出した後、2 時間ほど仮眠。


救出活動終了(福知山線事故) [災害]

今日未明までに 97 人の犠牲が確認されていた事故は、奇しくも桜木町事故と同じ 106 名の犠牲者を出す大惨事となってしまった。犠牲者の数では戦後 4 番目(八高線列車脱線事故・鶴見事故・三河島事故に次ぐ)、単独の列車事故としては八高線脱線事故についで実に戦後 2 番目だ。八高線脱線事故が戦後の混乱期('47)に起きたことを考えれば、今回の事故は正しく戦後最悪の鉄道事故と言っていい。このような大事故はこれまで「歴史上の出来事」としてどこか遠いものだったのだが、それが今日においてもまだ日常と隣り合わせに存在していることを見せつけられた思いで、暗澹とする。

27 日 0740 時頃にようやく車体が露出して以来、今日未明までの 1 輛目での救助活動は後方から前方へ向かって進められていたが、先頭部分は元々 5m あった部分が 3m に圧縮されるほど破壊が酷く、そのままでは続行不可能に。

朝 9 時頃からは、まず車輛と駐車場の間に挟まっている自動車を重機で支え、車輛を数 m 引き出して救助隊が入る空間を確保する作業を開始。そして、10 時過ぎから午前中に相次いで 6 名の遺体が運び出された。

1240 時頃には 104 人目に死亡が確認された運転士の遺体を運転席から運び出し、1320 時過ぎにはさらに車体が引き出された。そして 1505 時頃、106 人目となる犠牲者を運び出した。

17 時半頃には遺体安置所とされていた体育館に収容されていた 102 名の犠牲者のうち最後の 1 人が家族の元へと還った。

1830 時過ぎには重機で 1 輛目の先頭部も建物の外へ引きずり出され、車外に放り出された乗客がいないか捜索が続けられたが、建物内に取り残されている人はいないとして 1930 時頃に捜索活動は終了、現地対策本部は解散した。

最終的な犠牲者は男性 59 人/女性 47 人。負傷者は自主的に医者にかかっていてのちに事故の関連と判明した人もいたため、重傷 150 人/軽傷 311 人の 461 人となった。

亡くなった方の内、搬送後に死亡が確認されたのは 4 人だけで、ほとんどの方は即死、しかも圧死であったという。なんの落ち度もないのに突然の死を迎えなければならなかったのは本当に理不尽だろうが、長く苦しまずに済んだのが果たして唯一の救いだったと言っていいのかどうか。やりたいことや必要としてくれる人達を遺していくのはさぞ無念だったろう。遺族や周囲の人達が悲しみに打ち拉がれているのを見ると胸が締め付けられる。犠牲となった方々のご冥福と怪我を負われた方々の一日も早いご回復を心からお祈りする。

捜索活動が終了したことで、今後は事故原因の究明が本格化する。警察と事故調の活動に注目していきたい。



2005/04/29 (金) <寝て曜日>

ゆうがた [日常]

「眠くなりますよ〜?」といわれていた薬(眠剤に非ず)を久々に飲んだせいか、これも久々によく寝ました‥‥。


新たな事実(福知山線事故) [災害]

今日までに、またいくつか新事実が明らかとなった。

運転士に対する遅延回復の強い心理的圧力の存在が報道でも指摘されているが、伊丹での過走直後、車掌が運転士に「急ごう」と連絡電話で言っていたことが明らかとなった。また、事故当時当該列車について行なわれていたかどうかはわからないが、通常、数秒でも遅延が発生すると指令から運転士に無線で「定時運転を心掛けるよう呼び掛け」ていたという。車掌にとっては遅延の連帯責任を問われるのが、また指令にとっては管理責任を問われるのが心配だったのだろうか。ともあれ、これらのことが運転士に一層の圧力となったことは確かだろう。過走の状況を確認しようと指令が呼び出した際に運転士が応答しなかったのも、この「呼び掛け」を恐れてのことだったかもしれない。

一方、最後尾車輛が停車した地点の横にある架線柱に傷がついていたという。もっとも、「傷」と言っても、コンクリートが崩壊し、鉄筋が部分的に剥き出しになるほどのものだ。車体側面が擦過したくらいであのようになるとは思えず、おそらく正面もしくは妻面(の角)など、列車の進行方向と垂直に近い面が衝突したのではないか。

また、JR 西日本は粉砕痕について「置き石の可能性を示唆したことは予断を与えた可能性があった」と陳謝したという。が、警察などはかなり早い時期から置き石の可能性に否定的だったし、置き石の可能性を示唆したこと自体は一つの捜査情報としてそれなりの意味があったように思う。最初にその可能性を「示唆」した時点ではそれほど不自然にも思われなかったのだが(この時点では粉砕痕の写真の公表はなかった)、その後国交相からそれを批判されたのち(翌日?)の会見で写真を示しながら行なわれた会見では、写真に写っているどうにも関係のなさそうな石を「これが破片です」と指し示したり、「間違いありません!」と発言するなど、ほとんどムキになっていたように思えたので、この「陳謝」は言ってみれば「敗北宣言」だったのだろう。

ともあれ、106 名もの尊い人命を犠牲にしている事故だ。脱線の machanism を解明するのももちろんだが、運転士を取り巻く組織的な問題を含めて、多角的に原因を追求し、二度とこのような惨事を繰り返さないよう、徹底して対策を進めてもらいたい。

ところで、事故調の一員である永瀬氏が現場を視察して「この状況は転覆が原因となった脱線事故の典型的なものだ」という主旨の発言をしていたが‥‥「典型的」と言えるほど日本では転覆事故があったようには思えないんだが。氏は元国鉄の運転士だったそうだが、現業の経験と事故調査は次元が違うと思う。こんな不用意な発言をする人が委員で、本当に大丈夫なのか? > 事故調
(海外で視察を重ねてきたというのであれば少しは納得するが、それでもそんなに事例が多くはないような。)



2005/04/30 (土) <げっとー>

あさ [日常]

10 時頃起きた。

もぞもぞ。


今更だが [買い物]

京セラ製 AirH" PHONE 端末(俗に言う「京ぽん」)を買った。

まず錦糸町ヨドバシに行ったところ、旧 logo 品は完売。「次の入荷はいつになるか判らない。他店舗の在庫も不明」。

そこで、次に上野ヨドバシに行ってみた。やはり旧 logo 品は完売で、もう入荷はないという。「他の店舗にあるか判ります?」と訊いたら「調べてみますね。少々お待ち下さい」。しばし端末をいじっていた店員さん、「ん?」と顔をしかめて横のほうへ歩いていく。なんだろ、と思っていたら‥‥その箱はなんですか?

「Silver が 1 台だけ cancel になったようで、これならございますが」

らっきー :-)

引き渡しまで 2.5H ほど見て欲しい、ということなので、その間に昼飯を喰うことにする。‥‥気が付いたら太昌園に吸い込まれていた(爆)。ダブルランチにウーロン茶と追加のハラミを頼み、全額 point で清算 (^^;

さらに 15 分ほど別の場所で時間を潰したあと、引き取り。2,940 円也。これまた全額 point で(爆)。


よる [日常]

一旦家に帰って仮眠したあと、アキバの Willcom へ出掛け、請求書をまとめる申し込み。これで data 端末の方は複数台契約割引で毎月 200 円引、今回買った音声端末も「ウィルコム定額プラン」がファミリー割引で 2,200 円に*1

その足で浅草橋に行って、鍼を打ってもらう。諸般の事情で、今日が今回の旅行前最後の鍼。円皮針も分けてもらう。

*1: 旧い pamphlet では「定額プランの契約が複数あるときのみ 2 台目以降が割引になる」と書かれているが、新しい catalogue や web site などでは「1 台目が AIR-EDGE 各料金 cource の場合」も割引対象になるとされている。定額 plan の予約 campaign の特典内容が途中で変わっているので、もしかするとそのとき一緒に変わったのかもしれないが、このことを知らない店員もいるので注意(錦糸町ヨドバシの店員に確認したときには「割引にならない」と言われた)。


勇み足(福知山線脱線事故) [災害]

夜の「ブロードキャスター」で福知山線事故のことを取り上げていた。たまたま途中から見たのでどこの電車区の模様かは判らなかったが(そもそも情報源の保護のため明らかにしていなかったかもしれない)、例の「日勤教育」を取り上げていた。録音された音声などが放送されていたが‥‥それを聞いてまず思ったのは、まるで「人活」(じんかつ)だな、ということだった。

「人活」とは、国鉄末期に「余剰人員を活用するため」として各地に設けられた「人材活用センター」のこと。その実態は「活用」とは掛け離れた「何度も点呼を繰り返す」「草むしりをさせる」「『教材ビデオ』を見せて感想文を書かせる」というようなもので、収容された職員のほとんどが国労所属だったこともあり、「分割民営化に反対する人間を薄暗い部屋に押し込め、仕事らしい仕事も与えず飼い殺しの状態にし、自主的に国鉄を辞めるよう仕向ける」ことが目的だったと言われた。実際その扱いの酷さは常軌を逸したもので、多くの自殺者を出したこともあり、当時のマスコミが大きく取り上げて問題化したため、当局が「改める」と約束をし、「要員機動センター」へ名称を変えた。程なく国鉄自体がなくなってしまったため、要員機動センターがマスコミに取り上げられることはあまりなかったが、看板がかけ変わっただけで結局内容は変わっていなかったらしく、その様態自体は国鉄清算事業団にそのまま引き継がれたようだ(こちらも「就職を斡旋する」という名目の元に同じような状態が続いたが、「斡旋期間」が最初から 5 年間とされていたため、分割民営化の 5 年後に全員強制解雇)。

「人活」は国鉄時代のものだが、そもそもそれが置かれた背景には分割民営化をにらんだ 10 万人規模の人員削減がある。分割民営化に当たってはなぜか「108 千人」という人員削減目標が先にあり(ちなみにこの数字の根拠は結局不明)、「新会社に忠誠を誓うかどうか」というふるい分け(というか、ふるい分けにかけるための「見せしめ」)に「人活」が使われたと言われている*2(実際、「人活に行きたくない」として「転向」した人は結構いたそうだ)。

現在 JR で現場長となっている人は、まだそのころを知っていてもおかしくない。または、このような「日勤教育」のやりかたが分割民営化以後も伝統として連綿と現場の責任者に引き継がれてきた可能性も考えられる。労組が会社を牛耳ってしまった東日本*3とは違い、「経営陣による恐怖政治」が現場にそのまま残っていたとしても不思議はない。

*2: 最終的に、この戦略は各方面から批判を浴びつつも「功を奏した」ようで、「国労潰しが最大の目的」と言われた国鉄分割民営化ののち、労働組合の勢力地図は大きく変わった(これによって「国労壊滅」→「『総評』の弱体化と『連合』への衣替え」→「日本社会党の消滅」というその後の流れが決定づけられたといっていい)。ところが、新会社(JR 各社)で必要な人員に関して、都市部は定員を充足したが、地方では薬が効きすぎて業務に支障を来たすほどに定員を割り込んでしまったため、一旦「不採用」とした国労組合員をも一部採用せざるを得なくなったりした。結局、地方を中心に国労組合員が残存したわけだが、それを知った中曽根首相が「国労(組合員)が残ってるじゃないか!」と激怒したという episode は有名。国鉄分割民営化の真の目的が「国労潰し(→ 間接的な社会党潰し)」と「国鉄が所有する土地の(財界への)払い下げ」であったといわれる理由の一つ。

*3: JR 東日本を支配しているのは経営陣ではなく JR 東鉄労であると言われていて、その権力たるや、人事権に介入できるほどであるという。その JR 東鉄労の中心にいるのは動労で、国鉄時代は「もっとも過激な労組」と言われていた(最初は当然分割民営化に反対していたが、あるとき突然「労使協調路線」(= 分割民営化に賛成する立場)に転向)。革マル派との繋がりも取りざたされている。ちなみに、ストのない「ベタ凪ぎ企業」となった JR にあって千葉方面ではいまだに時々「動労千葉」によるストがあるが、これは過激を極めた動労千葉地本(国鉄動力車労働組合千葉地方本部)が「過激」と言われた動労にすら「過激すぎる」として追い出され、独立した労組となったもの(正式名称が「国鉄千葉動力車労働組合」なのに略称が「動労千葉」と逆の語順になっているのはその名残)。


続・勇み足(福知山線脱線事故) [雑感]

一方、JR 西日本管内で相次ぐ「過走事故」でマスコミは連日大賑いだが、今は福知山線事故の関連でマスコミが飛び付いているだけで(何しろ日本のマスコミは「journalism」ではなくて「sensationalism」だ)、それそのものはそれほど珍しいことではない。安全性確保の対策上「お手本」として時々名前が挙がる京急でも、2 週間ほど前、私が乗っていた下り快特が蒲田で 30m ほど過走した。幸か不幸か元々下りの快特は羽田空港から来る上り列車と接続を取るために蒲田で 1 分ほどボーッと停まっているダイヤなので影響もほとんどなかったが(もっとも停止位置まで戻っていく勢いはそれなりのものだった)、そうでなくとも「過走」=「危険性増大」という論調は当たらない。信号 system 上、出発信号機を越えて冒進してしまうと後続の列車に対する信号に影響を与えるため後退処置が大変になることはあるが、一連のマスコミ報道は単なる「揚げ足取り」か「弱いものいじめ」、はっきり言ってしまえば「憂さ晴らし」だろう。

それを問題として取り上げるなら、列車毎に編成長が違っていたり、駅によって編成輛数に対応する停止位置がバラバラだったり、そういう停止位置のどれに従うかを乗務員が把握しておかねばならなかったり、そもそもダイヤが過密なので目的とする停止位置目標に向かって一気に減速して停まらないと定時運転が確保できなかったり(ちなみに「減速開始目標」のようなものは山手線などを除いて基本的にない)というようなことを問題として取り上げないと、なんの system 改善にも繋がらないんだが、そういう問題は取材すらしてないんだろうかね。


続々・勇み足(福知山線脱線事故) [雑感]

「揚げ足取り」と言えば、今日の「ブロードキャスター」では、ある出演者が「怪我人に対して JR 西日本の社員が見舞金を持ってきたが、この封筒に紅白の水引がついていたそうだ」と報告したことに対して出演者全員で「何を考えているんだ。失礼にも程がある。一体どれだけ重大な事故を起こしてしまったのか自覚はないのか。会社全体が乗客のことを考えない体質なのだろう」と目を剥いて憤慨していたが、番組の終わり近くになって「一般的には白い封筒に入れるが、紅白の水引をつけることも作法にあるので、当然失礼には当たらない」と訂正が入った。

作法にあるのであれば、JR 西日本はむしろ(高くつくのを承知で)わざわざ水引付きの封筒を用意したと考えるのが妥当で、それだけ被害者に対して誠意を表わそうとしたということなのだろう。

当該の報告は如何にも突然行なわれたようだったので(他の出演者の反応からは台本にはなかったような印象を受けた)、これが staff の確認の結果によるものか、視聴者から指摘の電話によって判ったことかは不明だが、訂正稿を読み上げた横で「だからといって、被害者の心理にもう少し気を使っても‥‥」としぶとく食い下がるのは、みっともないよ、留さん。


続々々・勇み足(福知山線脱線事故) [雑感]

ところで、今まで昼間に起きた事件・事故に関する民放の報道はワイドショーの team が取材をするためか見ていていらいらしたので(テレ朝などは夜の news 番組でも映像を使い廻すので結局同じこと)、今回の事故に関しては意図的に NHK と「NEWS 23」と「今日の出来事」しか見ていなかったのだが(特に NHK は自身が叩かれている最中ということもあってかそれなりに節度があったように感じた)、‥‥案の定というか、なんか相当酷かったらしいね。

「Mic が銃口のように見えた」とはかつて複数の芸能人が言っていた言葉だが、日本で犯罪や事故の被害者をもっとも容赦のない形で食い物にしてるのは、マスコミだよな。

一方で「加害者とされた人」やその周辺に対する「報道被害」もたびたび発生しているわけだが、今回は運転士が死亡しているのでほとんど見られないものの(「ゲーム脳」を持ち出した某 news site くらいなもんか)、もし運転士が生きていたら、「加害者」としてやはりあることないこと書かれていたことだろう。それこそ、個人攻撃に終始して、「日勤教育」にまで関心が行ったかどうか、実に怪しい。


ささやかな疑問(福知山線脱線事故) [災害]

今回の事故に関し、「2 輛目が逆向きになっていない」とされていることに関して、TV の「再現 CG」でよく報道されているような「編成全体が横転しながら真っ直ぐマンションに突っ込んでいった」という状況とは違っていたんじゃないかと思うんだが(自重が大きいせいで車輛は 1 輛目ほど浮かず、衝突直前まで rail の上を左の車輪だけで走ってたように思える)、この件はまた改めて。



[後日へ続く]

[最新版へ] [一覧へ] [今年の目次へ] [今年のカテゴリ一覧へ]

メールはこちらへ...[五反田 秋彦 as (五)/ Akihiko GOTANDA (a-gota_AT_agt.ne.jp)]

この日記は、GNSを使用して作成されています。作製者の GORRY さんに感謝 m(__)m