この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。
取扱上の注意
・ 続々と寒気がするので、早めに離脱。ソリッドスクエア内の大戸屋で定食を喰って離脱。
・ どうしても今日済ませておかねばならない用事があり、某所へ。
・ 帰る途中、新宿で乗り換え。快速に乗ろうと快速上りホームに降りると、国鉄色の 183 系編成が止まっていた。両端はクハ 189(特に下り方は クハ 189-1)、中間にはサロ 189 が挟み込まれていた。クハ 189-1516 とサロは大窓、他(183 系 MM' unit)は小窓。両端のクハの HM 表示器は LED 化されていなかった。
← お茶の水方(1 号車)
(クハ 189-1516][モハ 183-16][モハ 182-16][モハ 183-17][モハ 182-17][サロ 189-112][モハ 183-18][モハ 182-18][クハ 189-1)
・ 遠目にはあまりよくわからないが、上り方のクハ 189-1516 はそこここで塗装が剥げていて痛々しい。クリーム 4 号の地肌に水色やモスグリーンが覗いている部分があり、この車の来歴を表わしている。特に運転台下の通風グリル附近ではかなり深く剥落が起きていて、赤 2 号← モスグリーン ← 水色 ← 赤 2 号と塗り重ねられた*1層が断層のように見えてしまっている。
・ 程なくして、回送列車は千葉方に発車していった。
*1: Original は国鉄色。Light に近い場所なので、赤 2 号。その後〔あさま〕色(現在は〔妙高〕で現行)に塗られ(モスグリーン)、信越本線横川〜軽井沢間(「碓井線」)の廃止に伴う〔あさま〕の廃止で中央線に転属して〔あずさ〕色に(水色)。さらにその後千マリに転属し、再び国鉄色を纏った。
・ このところある素材を材料にしてモゾモゾやっていたのだが、ほぼ手順が固まった。
Software の version は使用時のもの。また、以下の記述は特に断りのない限りこれらの version についてのものなので、その後状況が変化している可能性もある(少なくとも transcode 1.0.0 では状況が異なる)。
・ 客先に素材を持っていくなら menu なしの DVD でもぶっちゃけ構わないといえば構わないんだが、やっぱり何かと不便なので、今後の練習にもなるし、こんな↓方針で authoring することに。
・ まずは software を install。今回は 2/22 時点での最新 ports set を使って install した。音声圧縮に AC3 を使用するので、関連する tools は liba52 support を組み込んで install しておく必要がある。また、当然ながら libdv support は必須。その他使用したい codec があれば、組み込んでおく。
・ 素材を fwcontrol(8) で file に吸い出す。じっと我慢の子であった。
・ 編集 software 等を使って DV stream を切ったり繋いだり。手前味噌だが、私は dvview を使った*1。ところで、既に dvview という名前の software が他に発表されているようなので、正式版公開時には program 名を変える予定。
・ Stream の取り扱いではいくつか注意点がある。
*1: 今回の日記を書くのに合わせて pre06 を公開した。Code を整理しただけで、機能は変わっていないはず(bug を埋め込んでしまったかも‥‥)。
*2: 次の MPEG2 stream へ seek している間、直前の MPEG2 stream の最後の frame を表示したまま画面が止まったりする。xine で再生するときは先読みをしてくれるのでほとんど気にならないが(逆に menu 間を移動するときにその動作が仇になることもある)、PS2 や安い単体 DVD player ではこの現象が発生した。
・ Stream を適当に切ったり張ったりして下拵えが終わったら、MPEG2 stream file に変換する。基本的には前回と同様だが、一括して変換できるように script を書いた。Command line の意味については前回を参照のこと。
#! /bin/sh matrix_file=/usr/tmp/$$.matrix.txt cat - > $matrix_file << MATRIX # High resolution INTRA table 8,16,18,20,24,25,26,30 16,16,20,23,25,26,30,30 18,20,22,24,26,28,29,31 20,21,23,24,26,28,31,31 21,23,24,25,28,30,30,33 23,24,25,28,30,30,33,36 24,25,26,29,29,31,34,38 25,26,28,29,31,34,38,42 # TMPEGEnc NON-INTRA table 16,17,18,19,20,21,22,23 17,18,19,20,21,22,23,24 18,19,20,21,22,23,24,25 19,20,21,22,23,24,26,27 20,21,22,23,25,26,27,28 21,22,23,24,26,27,28,30 22,23,24,26,27,28,30,31 23,24,25,27,28,30,31,33 MATRIX mkdir out for source in $*; do file=`basename $source .dv` transcode -i $source -x dv -w 8500 --encode_fields b --export_asr 2 -F 8,"-c -q 6 -4 2 -2 1 -K file=$matrix_file -R 2" -y mpeg2enc,raw -N 0x2000 -n 0x1 -b 192 -m out/$file.ac3 -o out/$file mplex -r 10000 -f 8 -S 4400 out/$file.m2v out/$file.ac3 -o out/$file.mpg done rm $matrix_file
・ DV stream の decode には結局 libdv を直接使った。FFMPEG を使って decode すると確かに数割速くなるのだが、色がおかしくなる。transcode に「-k」option(「色差情報を入れ替える」)を与えると直るかもしれないが、試していない。映像の圧縮には MJPEG Tools の mpeg2enc を使用。こちらも FFMPEG が推奨されているようだが、option の与え方が面倒なようなので、今回は見送り。
・ 一方、音声の圧縮に AC3 を使用する場合、document によるといくつか方法がある(他にもあるかも)。
一番素直なのは ac3 module を使うことなのだろうが、なぜか「Bad descriptor」と error になってしまう(おそらく module で pipe をうまく扱えていないのだろう)。一方、ffmpeg module で AC3 stream を出力させると処理速度がやや速くなるが、どういうわけか stream の他に同名(ただし拡張子なし)できっかり 2KB の file*3(中身はすべて 0x00)が生成される。これはなんだろうと思いつつできあがった stream を再生してみると、stream の冒頭で音声が欠けていることがわかった。どうやらその辺りの処理が何かおかしいらしい。結局、今回は RAW export module 経由で AC3 stream を出力させた。
・ 最終的に使うのは mplex で multiplex した stream(.mpg file)。これを mplayer などで正しく再生できることが確認できたら、.m2v file と .ac3 file は削除してしまって構わない。
*3: たとえば「-m hogehoge.ac3」と指定すると、hogehoge.ac3 の他に hogehoge という 2KB の file が作られる。
・ MPEG2 stream file ができたら、authoring 用の情報を整理し、素材を準備する。
・ ここで必要なものは次の通り。
・ Chapter の位置は、その chapter が属する MPEG2 stream 先頭からの経過時間で指定する。Stream 先頭を chapter として指定したい場合は、「00:00:00」を chapter の list に含めるのを忘れないようにする*4。
・ Menu 構成を検討する上で最も注意しなければならないのは、「1 つの menu 画面に配置できる button は 36 個まで」という点だ。もし(chapter の数が多いなどで)この制限を超えそうであれば、menu 画面を分割することを考えなければならない。
・ Menu を分割したり、複数の menu を持つ構成を考える場合は、次のような制限*5に注意しなければならない。
これらの制限は再生時の操作性に影響を及ぼすので、場合によっては構成を考え直す必要も出てくるだろう。Player の性能によっては若干もたつくことがあるが、user に解放されている変数と制御構造(「if ( ) 〜 else 〜」)を title や menu の pre/post action と組み合わせて回避することも可能。
・ Menu の枚数が決定したら、その背景用画像を用意する。最終的に必要なのは MPEG2 stream(動画)だが、frame を 1 枚だけ含む MPEG2 stream を生成して用いることで静止画を背景とする menu を作ることもできる(dvdauthor 用の frontend はこの機能を持っている)。静止画を背景にする場合は 720x480 pxl の JPEG file を用意する(大きさが一致しない場合は ImageMagick などを使って resize しておくといい)。もちろん、DV stream から変換した MPEG2 stream file を使うことも可能(menu の背景を動画にできる)。
*4: 必ず「0」を指定するようにすると混乱しないだろう。もし jump 先を「title 3」などと chapter 指定なしで記述した場合の動作までは調べていない(chapter 指定がない場合に「stream の先頭」を指すか「『chapter 1 が省略された」と解釈されるかによって動作が変わってくることになる)。
*5: もしかすると間違っているかもしれないが(実際に 'Q' DVD-Author はこれらの項目に該当するような設定 file を出力する)、試した限りではこれらの制限が実在するようだ。
・ 素材が揃ったら、authoring 用の data を作成する。最終的には dvdauthor 用の XML file を用意することになるのだが、これを一から書くのは大変だ。いかにも Unix 的な構造として dvdauthor には GUI frontend が存在するので、それを利用するとだいぶん敷居が下がる。
・ dvdauthor の配布 site に認知されている GUI frontend は次の 3 つ。
このうち「最も完成度が高い」と言われているのが DVDStyler だ(これは port になっている)。この他 'Q' DVD-Author が port になっているが、完成度は「alpha quality」とされている。Polidori は CVS での配布しかないこともあってか port にもなっていない。
・ Port になっている DVDStyler と 'Q' DVD-Author を実際に使ってみた印象は次のようなもの。
一長一短はあるが、まともに使えるという点では DVDStyler しか事実上選択肢がない。日本語の text を扱えないのが致命的だが、幸いどちらも中間 file を出力することができるし、処理の中核を dvdauthor に依存している点も同じなので(つまり中間 file には根本的に互換がある)、基本的には DVDStyler を使用し、必要に応じて 'Q' DVD-Author の出力を参照・利用するのが落としどころだろう。
*6: 'Q' DVD-Author では「export」をすると出力される。DVDStyler では「一時 file を削除しない」という設定にしておくと得ることができる。
*7: Font size や text によって自動決定。
*8: 領域が重なっていると、実際に authoring して再生した際に移動できない button が発生したりする。
*9: Dialog で数値を変更することによって変更することは可能。
*10: 高さは現物に合わせて伸びるが、横方向は設定値を維持しようとする。その結果、行の分割が行なわれる。通常はそれでもいいかもしれないが、button の property の dialog にある「text size に合わせて領域を縮小」という button でもこれが作用し、しかも横幅をできるだけ小さくしようとするため、日本語q text の button は 2 文字毎に改行されてしまったりする。
・ というわけで、まずは DVDStyler で作業を開始するする。
・ 起動するとwindow 右上に menu を編集するための領域があり(通常は window の最も大きな領域をこれが占めているはずだ)、window 下部には project が持っている menu と title の一覧が表示されている(初期状態では「Menu 1」が 1 つだけあるはず)。Menu 編集領域の左側には画像が表示された領域があるが、ここは window 左端の tab を選択すると表示が変わる。以下の説明では、window 右上の領域を「編集領域」、その左側の領域を「選択領域」、window 下部の menu や title の一覧が表示されている領域を「一覧領域」と表現する。
・ 基本的な操作は、左 double-click、drag & drop と右 click で現われる menu で行なう。
一般的な操作はこれだけ。凝ったことをしようと思わなければこれらの操作で DVD を作れてしまう。複数の menu 間や title を任意に行き来したり、再生 mode によって title の繋がりを変えたりといった処理は、関係する menu や title の「Pre commands:」や「Post commands:」欄を駆使して行なうことになる。記述可能な構文などは dvdauthor の man page を参照のこと*12。
・ DVD image の生成は「File」menu から「Burn DVD...」を選ぶか、歯車の shortcut button を押す。DVD 用の image は「Temp directory:」で設定した path に作られる*13。「preview」を check しておくと、焼き込みの前に xine を起動してくれるので、意図通りの結果になっているか確認が可能。また、「create iso image」を check しておくと、指定した file に ISO image を作成してくれる(が、焼き込みに growisofs を利用する場合は普通 ISO image は不要なはず)。「burn」を check しておくと焼き込みまでを一括して処理してくれる。
・ DVD image の作成(menu 背景用の MPEG2 stream を作ったり、字幕/menu button の合成をしたり、DVD 用 file 群を作成したり)に関わる command や、ISO image の作成、DVD への焼き込みに使用する command は、menu bar の「Configuration」→「Settings...」で表示される dialog で設定できる(「Core」tab)。焼き込みに growisofs を使用する場合は「Burn command:」を「growisofs -Z $DEV -dvd-video "$DIR"」のように設定する。また、最初の起動時にはここの「Interface」tab で「Default: menu format:」が NTSC になっていることを確認しておく。
*11: 本来であればその値は spumux 用の XML に出力されるべき。現時点でこの機能を使うには、出力された一時 file を書き換え、手動で spumux command を実行する必要がある。
*12: Man page 自体がまだまだ未完成なので、どこにどのような action を書けるのかやってみないと判らないことが多く、その検証に時間の多くを消費することになるのだが‥‥。
*13: ここで指定した path の下に「VIDEO_TS」と「AUDIO_TS」が掘られる。
・ 非常に完成度の高い DVDStyler だが、ほぼ唯一の欠点が「日本語の text を扱えない」ことだ。Windows 版では可能らしいので、おそらく Windows と source を共用するために使用している wxWindows の国際化が不完全なのだろう(この辺りに関する情報 site もあるが、今回は追求していない)。
・ そこで、今回は 'Q' DVD-Author を使って日本語の menu 画面を作ってみた。手順はこの↓とおり。
・ この際、次の点に注意しなければならない。
・ 特に注意が必要なのが、「button 配置の一致」だ。最終的に dvdauthor を実行する際、menu 内の button は「button 番号」で参照される。この button 番号は、DVDStyler と 'Q' DVD-Author のどちらも project file に出現する順番に自動で付番され、かつその情報は spumux で button を menu 用 MPEG2 stream に合成する際に埋め込まれる。これを authoring の度に全部手で調整するのは大変面倒なので、project file level で button の順番まで一致させておくのが一番手っ取り早い。
(この項続く)
・ 春日寿司。参加が危ぶまれていた今野さんも無事に合流。5 人で堪能。写真はもりやさんのとこ参照。はぁはぁ。
・ 「能登に行きたい」と主張する塩兄が時刻表を取り出す。表紙は VSE。
「あー、もう表紙に VSE が。」
「やっぱ、車体が短いよねー」
「‥‥車体の背が高いからかなぁ。」
「‥‥つーかさあ、もしこれが BTS 化されたら、それってもしかして『shorty』ではなくて scale model では?」
「寸詰まりだよねー。」
・ さらに索引地図をみながらいろいろ。
「こないだ長崎に行った帰りに通った只見線がすごい雪で!」
「このところ週末というと止まってるよねー」
「俺が先週末に通ったときも、2 日前に復活して、3 日後にまた止まったからなぁ。今も止まってるし」
「天気運はすさまじいですよねぇ」
「台風も逃げてったしなぁ」
「その代わりに人為 miss を喰らってるけど」
(ネタは省略)
「なんか、どこか行くと必ずネタが発生するよね〜 (^^;」
「今回の旅行でも以下略。」
とか、
「次の週末に能登に行こうと思ったんですが、tenki.jp を見る度に雪の確率がだんだん高くなるんですよ!!」
「(五)さんが行くと晴れるよ、きっと」
「あ、その週末は確定申告(の準備)があるからダメ」
「んぁー、じゃあダメだ。」
とか (^^;。
・ そして、たらふくいただいたにも関わらず、あり得ない会計。いつもながら、こんなに安くていいんでしょうか (__;。ごちそうさまです m(__)m。
・ そしてなぜかモロゾフのチョコレエトをもらう m(__;m。
・ 対岸(謎)まで帰る小松さんと仕事が残っている今野さんが駅で離脱。残る 3 人で S ガストに行ってぐったり。
・ Printer の ink を買いがてら、きんしちょお植むらで定食。
・ 帰りしな、レジのところでおかみさんが店の若い女の子を指さしつつとーとつに言う。
「ちょっとぉ、この娘、彼氏いないんだって。紹介してやってよー。誰かいい男いない?」
またかいな*1 (^^;。
五「あははははははは」
若「;_;」
お「‥‥ちょっと、なんで笑ってんの (-.-#」
五「なんつーか、人のことよりまず自分をどーにかしろって感じなんだけど (^_^;;」
お「ああ、自分? ‥‥あたしがもうちょっと若かったら気が合ってたかもよ? 旅行好きだし。」
五「あ〜、そうかもね?」
若「なんの話ですか (^_^;」
お「最近はほら、30 歳くらい離れた couple もいるし」
五「そうね。」
若「だから、なんの話ですか (-.-;」
ほんとになんの話なんだか (^^;。
・ キコキコと帰宅。
*1: こないだの長崎でもそんな話が‥‥ (^^;;;。
・
まあね。それでも場所が広い分、横浜よりはましだったが。実際のとこ、あの様相は他に表現のしようがない。ちなみに、帰りに小田原を通りかかったら、東海道線に近いホームに箱根登山の旧型車(現行塗色)と旧型車(復活塗色)の 2 連が停まっていて激しく萌え。
・ 初期設定が 40A なこともあってこれまで一度も主しゃ断器が落ちたことのなかった我が基地だが、今朝初めて落ちた。珍しく hair dryer を使っているところへたまたま電気 pot が再沸騰動作に入ったのが原因だったらしい。
・ UPS の容量が足りていなかった仕事部屋の PC が落ちたので、しばらくドキドキ。幸い忙しい job もなかったので、事なきを得る。重要な data は server にあったし、その server はしっかり backup されていたので、一安心。
・ しかし、仕事部屋の backup を増強しないとなぁ。UPS を置いてあっても、能力不足じゃ役に立たない‥‥。
・ 今日で東京大空襲から 60 年。毎年慰霊の式典が行なわれる都立横網町公園*1は実はうちのマンションから 100m と離れていない(最近マンションが建つまでは部屋から直接見えていた)。例年だとこの日と 9/1*2 は歩道に屋台が出てにぎやかなんだが(慰霊に訪れる人目当て)、今年は節目の年であるせいか、そのような「お祭り」的雰囲気はなかった。
・ ところで、3/10 が東京大空襲の日であったことはよく報道されるが、実は都の条例で「東京都平和の日」に制定されているんだそうな。知ってましたか? 私は知りませんでした‥‥ (__;;;。
・ 一方、もはやどーでもいいのだが、いわゆる「自由主義史観」によれば、「侵略したから戦災に遭った」という考え方も自虐史観なんだそうな。なんと言っていいやら。広島*3で千羽鶴を燃やした馬鹿も実は自由主義史観シンパじゃないだろうな。
*1: 旧本所被服廠跡。もともとは運動公園として整備される計画だったが、関東大震災の際に発生した火災旋風によってここで大勢の避難民が亡くなったことから慰霊公園として整備された(大震災の当時は既に被服廠が移転した跡地であったため、多くの避難民が集中していた)。後に東京大空襲の慰霊施設の性格をあわせ持つようになって現在に至る。敷地内に東京都慰霊堂と震災復興記念館がある。2001 年 3 月には東京大空襲の慰霊碑(「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」)も建てられた。
*2: 東京都の「防災の日」。言うまでもなく関東大震災があった日だ。余談だが、「防災の日」は地域によって異なります。
*3: 広島にはかの有名な碑文がある。
・ 書こうかどうしようか考えたのだが、見つけてしまったので一応書いておく。都議にも自由主義史観の人がいるらしい(ぱっと見には第三者が書いた page のように見えるが、この page はその都議自身のものだ)。
・ 個人がどんな思想を持ってもよいことは憲法で保障されてるから別にいいのだが、書かれていることを読んでいると、「共産党」「左翼組織」に対する敵意、そして恐ろしいまでの「被害者意識」の強さに辟易とする。「偏向を許すな」と仰るご本人がずいぶん偏向してるような。さらに、日本が行なった大規模空襲は当然の権利*4であって、米国に行なわれた空襲は「極悪非道な大虐殺」らしい。「東京大空襲は米国における日本人蔑視が背景にある。そうでなければあのような冷酷な作戦を遂行できるはずがない」と主張しているが、では日本人が蔑視していた中国に対する空襲についてはどう考えているのだろうか(少なくともこの都議は中国に日本が空襲を行なったということを本文中で触れているにも関わらず否定していない)。「中国が空襲を受けるのはどうでもいい」というのであれば、それこそまさに「中国人を人間以下の生物だと見なす人種偏見」ではないだろうか?
・ 我田引水ぶりもすばらしい。ご本人は「天災である関東大震災と人災である東京大空襲の犠牲者を同じ場所で追悼するのは施設の意義を曖昧にする」と主張しているが、ご本人が憎悪する「共産党」や「左翼組織」の人たちが文教委員会の場や要望書でそれと同じ主張をしていることには全く触れていない。そして「教職員組合が強引に建設を進めようとした」としているが、一方で墨田区教組は建設地を横網町公園から変更するよう要望書を出しているという。さて、どっちがうそをついている? それとも「土屋氏側の主張に負けて左翼組織が転向した」のだろうか? この要望書では「建設費が高くなるので地下でなく地上に作るべきだ」ともしているが、これも都議の主張と一致しているように見える*5。そもそも、議事録や要望書を読むと、横網町公園内に建設することをごり押しにしているのは当の都側のように思えるんだが。私にはむしろ東京都の「手っ取り早く片付けたい」という態度が見て取れるのだが、ひねくれ過ぎだろうか。
・ また、史観とは関係ないが「青少年に配慮し、残酷な場面の展示はするべきでない」という主張にも同意しかねる。一方で主張する「東京大空襲の悲惨さや残虐性を余すことなく伝えよ」という論旨とどう両立するのか、頭の悪い私には全く理解できない。本来戦争とは多くの人命が国家の名の下に奪われる残酷なものだ。「普段人の死に触れることのない子供に残酷な写真等を見せる影響は計り知れない」と言うが、ではその残虐さをどう伝えろと言うのか。「諸外国では暴力や死体などの映像表現が厳しい規制の対象になっている」というのは事実だろうが、それは「見せたくないときに見させない権利」を主張する一方、「見せるべきときには見させられる権利」も対になっていると考えるべきだろう。単に「臭いものには蓋をしておけばいい」というのは如何にも無責任だ。自分達が責任を取りたくないから隠しておきたいだけではないのか? 湾岸戦争の際には米軍提供の「空爆の精度の高さを喧伝する空撮映像」ばかりが報道されたが、わたしはその「TV game の画面のような映像」をみて寒気がした。一体その下でどれだけの人が殺されているかが全く伺えない無機質な映像は、Iraq で米兵の死体が引き回されている映像よりもよほど不気味であった。
・ 重箱の隅ばかりつついてすまないが、もうひとつ。「米国は自らの成した大犯罪を隠蔽するために遺体の掘り起こしも禁じた」と主張しているが、そうした遺体の一部(その程度の割合かは判らない)が空襲の一週間後に行なわれた天皇の視察に先だって埋められた(つまり「天皇の目に入らないよう隠された」)とされることについてはどう考えているのだろうか。そうでなくても、かの戦争に関して、日本国民の命を最も軽く扱っていたのは実は大日本帝国政府自身ではないかとさえ感じられるのだが。国民の命より国体の護持を優先していたのは疑う余地もないのではないか。もっとも、そうでもなければ、とても戦争など起こせるものではないが。そして、そもそもそれは国家暴力の本質でもある。
・ まあ、「市民活動の盛り上がりによって偏向展示を潰した」とやたら声高に叫んでいる辺り、「自由主義史観陣営必死だな」という感じ。冷静さを欠いた文面や論調は、むしろご本人が大嫌いな「左翼」や「極左」に通じるものを感じるのだが、どうだろうか。
・ 実際のところ、私からすれば、「東京大空襲が日本の侵略行為に起因するものかどうか」なんてことはどうでもいい。戦争さえ起きていなければあの大空襲がなかったのは疑いようのない事実だ。都議は「昭和16年12月パールハーバーへの攻撃で日米戦争が始ま」ったと書いているので、日本の真珠湾攻撃が開戦を決定づけたことは否定していないのだろう。であれば、それを行なった日本に日米戦争*6に対する責任が全くないということはあり得ない。つまり、東京大空襲が America による一方的な犯罪であるということもあり得ない。おおよそすべての侵略戦争が「防衛」の名の下に行なわれるであろうことを棚に上げても、多くの人命を戦争の惨禍に巻き込んだ責任はあまりにも重いものだ。これは他国民に対してだけではなく、自国民に対してももちろん言えることだ。現在の憲法前文こそは、その反省を表わしているものだと、私は考える。
・ 慰霊の式典に関連して、TV の interview に応え「あんな思いはもう二度としたくないです。‥‥戦争はいやです」と泣き出すのをこらえて語っていた老婦人の言葉が胸に染みる。憎むべきは戦争それ自体だ。そこにはいかなる「大義名分」も成立しない。戦争に勝者などいないのだ。私には安易に戦争や武力を容認する立場はどうしても取ることができない。
・ ところで、土屋某なる議員が所属する民主党は平和祈念館建設を推進してるようですな。
*4: この都議は、「日本が中国で大規模都市空襲を行なった」とする内容の展示が予定にあることに対し、それが事実かそうでないかということには触れず、「このような展示は『日本はこんなことをしたのだから東京大空襲は当然の報い』という誘導で、偏向だ」として非難している。まるで「東京大空襲以外は取るに足らない事件で、東京大空襲だけが許し得ない戦争犯罪である」という論調で、気持ちが悪くなる。
*5: 都議はどちらとも明記していないが、わざわざ「住民から『震災と戦災を同じ場所で悼むのはおかしい』『地下の施設は建設費がかかりすぎるのではないか』と疑問が出された」と取り上げているくらいなので、少なくとも否定する立場ではないのだろう。
*6:
と都議は書いている。「日本は Asia を解放した」という立場からすれば、「Asia は敵ではなかったので、戦争はあくまで日本と America との間のもの」ということなのだろう。
メールはこちらへ...[五反田 秋彦 as (五)/ Akihiko GOTANDA (a-gota_AT_agt.ne.jp)]
この日記は、GNSを使用して作成されています。作製者の GORRY さんに感謝 m(__)m。