「書きかけの歳時記」
2002/09版 その3

(since '05.04.25)

この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。

取扱上の注意

[前日へ続く]

2002/09/21 (土) 晴れ <買い出し‥‥?>

旅支度

日中はごそごそ旅支度。洗濯して必要な着替えを確保してみたり。だいぶん装 備が整ってきたので、今回は買い出しに走り回る必要はあまりなさそう。

大散財

昼下がりに近くの中古鉄道模型店へ行って、EF63(一次型)の茶釜と「サロン エクスプレス東京 ファイナルセット」を買い込んでみたり。昨日買った*1 「レッドアロー」は状態が今一つだったのだが、今日のはまあまあ。EF63 は「中古 扱い」だったのだが、発売当時の定価よりやや高く、その分状態もかなり良かっ た。

その足で指圧を受けに行く。終わったところであかりちゃんにでむぱを飛ばし、 出現を予告。

アキバへ。LaOX HOBBY 館へ行き、台車とやすりを買い込む。そうそう、これ まで楽器館だけで使えていた member's card が、10/10 から全店で使えるよ うになるらしいですよ?

GAMERS が 1930 で閉まるということを知らなくて、向かったときには既に shutter が。既に突入していたあかりちゃんに proxy をお願いする。ありがたや m(__)m

「買い物がまだ済んでない‥‥」という江洲さんにつきあって、石○へ。「セー フ!」と言いながら買っているのにつられて、ついとある DVD BOX をレジへ。‥‥ もって言ってから、「そういえば、『BOX 付単品』にしては、巾着袋に入って いるのはおかしい‥‥」と思ったが、もう遅い。なぜか card の決済も通って しまい、ほかの title とあわせて 8 万円以上の大散財。おかしい‥‥(爆)。まあ、 買った以上は頑張ってみるさね。江洲さんさんの話によると、わりと楽し めそうだし。それにしても、110 話以上ですか‥‥?

萬世でラーメンを喰ったあと、あっさり離脱するめがやんと別れて、メロンブッ クスへ。‥‥いよいよ event hall も終焉かー。「オープンソースまつり」は、 やりたくても場所がなくなっちゃったね‥‥。

なぜかとても品揃えがいい危険物だったりそうでなかったりする novelize を 何冊か買って、駐車場へ。あかりちゃんを乗せて疾走していく江洲さんの車を見送っ て、きこきこと自転車で帰宅。おじいちゃんは見えたのかどうか。どきどき。

*1: 昨日も買ったんかい。

s30

旅支度の一環として、digital camera の写真を吸い出しておく。‥‥PC Card adapter を挿し、data の転送を‥‥しようとすると、固まりますよ? T_T この card は 3V 動作もするはずなので、おそらく「5V 系 card 問題」ではない。 ATA 廻りにまだ bug がいるのか?

仕方がないので、USB 経由の reader/writer で吸い出し。遅いんだよなー、 これ‥‥ (-.-;

「江古田」という地名は中野区にあります。やっちゅーやっちゅーにゃのにゃの。

吸出しが終わったので、念のために server にも転送。さらに予備 battery にも充電。


2002/09/22 (日) 曇のち雨 <「さよなら〔はくつる〕&〔海峡〕ツアー」1 日目>

s30

DTCP による tunnel がうまく張れない。認証を通して tunnel に対して address を振るところまでは行くのだが、自分側の tunnel の足への route が設定されないためか、全く packet が流れていかない*1。自分側の address への route を設定すればいいんだろうと思うが、どう設定したらいいのかわ かりません‥‥。

しばらくいろいろと gateway の設定を試行錯誤するが、お手上げ‥‥。

*1: Tunnel の両端の address に関して、自分の側に対して ping6 をかけると 「No route to host」に、相手側に対してかけると「Permission denied」に なる。

買い出し

よくよく考えると、今回は函館で市営の温泉に入りに行く予定が。いつもの清 水湯とは違って、towel 類を持参しなければなりません。というわけで、買い 出し。

昨日するはずだった Video tape の買い出しも兼ねて、錦糸町へ。‥‥うへー、 雨ですよ? しかも結構本降り。またもや雨宿りをするはめに。

さらに、今回はいつもの〔銀河〕よりも発車が早いから、と集合時刻を 1 時 間早くしていたのを、すっかり忘れていた。ひー、ごめんよー T_T

出発

出ようとしたところで、ふと思い立って web を確認。‥‥うあー、 まほろさんの放映、今週からじゃん。慌てて予約を set。

雨は結構降っているが、どうも北海道では降られずに済みそうなので、傘は持 たずに出発。Bus 停までは約 3 分だし、御徒町駅前で降りてから燔楽までも 5 分程度。しかも、この時間ならまだ「上野センター*2」の通り抜けができる。 燔楽から上野駅までも 5 分程度なので、旅先で使わない傘を延々持って歩く ことを考えると、こちらでの移動の間だけ我慢したほうがいい。

Bus はわりとすぐに来た。御徒町駅前付近も、休日でしかも雨が降っているせ いか、渋滞は発生していない*3。すんなりと到着。てくてく歩いて店に向かう。

しゃぶりまくる。到着した頃には、ほかの面々はすでにあらかた食ってしまったあとだったり。すまん‥‥m(__)m

やあ3がだいぶん強まっている。順調に鉄分増強中 :-D

あかりちゃんにお見送りいただいて、〔はくつる〕へ。はぅ、今日は飲み物を持っ てこなかったので買わねばならないのに、なんでホームの自販機は「中止」‥‥ T_T。黒磯が運転停車でなく、停車扱いだったら、ホームで何か買えたのに‥‥。

比較的空いてそうな日を選んだはずだったんだけど、結構乗ってるな。堂々 11 輛編成(電源車除く)にもかかわらず、下段はほぼ埋まっていて、上段に もちらほら。ちなみに、我々は閑散時には減車対象となる 9 号車。

そんなわけで、塩兄ちゃんと 2 人で北へ向かってます。やっぱり、解放ハネ は狭いね (^^;。まあ、たまにはいいもんだけど。

*2: 御徒町駅北口の向かいから北に向かって続いている、高架下の商店街。ここを通れば、南北の移動は雨に濡れずに済む。

*3: 東から春日通りで御徒町方面に向かうとき、一番じゃまになるのは、「多慶屋」 付近の違法駐車と、横断歩道が塞がっているために曲がれない左折車。つまり、 多慶屋が閉店しているか、もしくは客が少なければ、渋滞は発生しない。


2002/09/23 (月) 青森県内・雨/函館・晴のち曇/札幌・晴 <「さよなら〔はくつる〕&〔海峡〕ツアー」2 日目>

消える鉄路、消えた鉄路

あさ、一戸到着の少し前(0613 頃)の車内放送再開で目が覚める。

わりとすっきり目覚めたおかげであまり眠気はないし、ちょうど廃止予定区間 に入った所だったので、しばしぼーっと車窓を眺める。

「山間部の隘路で、線形が良くないから」という理由でフル規格化がいち早く 決まった区間‥‥だったはずなのだが、軌道の保守状態は極めて良く、線形も 言うほど悪くない。少なくとも、埼京線程度には線形が良く、しかも勾配もそ んなにきつくないので、〔はくつる〕も快調に 100km/h 以上で飛ばしていく。 むしろ、そこを抜けて平地に降りてからのほうが急 curve が多いくらい。こ れならフル規格新幹線なんて必要ないんじゃないの?

二戸から先は(元々の計画がフル規格ではなかったのを示すかのように)新幹 線の真新しい線路構造物が脇にしばしば平行する。八戸手前では上り試運転列 車とすれ違った。それにしても、途中の駅でも結構な人数が降りていく。〔は くつる〕廃止後はこのうちのどれだけの人が高速 bus に転移するんだろうか。

八戸を出ると、程なく野辺地。駅構内の南端では、駅舎が完全に撤去され、完 全に草に覆われた「縦貫」のホームがあった。連絡跨線橋は残っているが、か つてのホームへの降り口はコンクリートの壁で塞がれていた。屋根と壁がなく なり、踏み段だけが剥き出しで残っている階段に、かえって「縦貫が消えた」 という事実を強く思い知らされる。車体を激しく叩く雨音に、侘しさが募る。

津軽海峡線

青森到着定時の 10 分前に塩兄ちゃんをたたき起こす。‥‥青森はなぜか 2 分早着。

到着した 3 番ホームのそば屋は休みだったので、〔海峡〕が発車する 6 番ホームへ移動し、そばをすする。

やや肌寒いということで、一旦ホーム上の待合室へ。待つことしばし、〔海峡 3〕号が入線。早速乗り込む。

発車までは 20 分ほど時間があったので、一旦改札を出て、前回 買いそびれた駅弁「大人の休日」を買い込む。‥‥結構小さいのね。

車両は〔はまなす〕の間合いで、14 系の 9 両編成。指定を取ってあった 3 号車は以前に〔まりも〕で活躍していた「ドリームカー」で、椅子をグリーン 車の発生品に交換したもの。Seat pitch も広く、座り心地も極めて良い。50 系に当たったほうが記念にはなったような気もするが、ここまで座り心地がい いと、夜行列車から乗り継いだ身体には実にありがたい。しかも、seat pitch 拡大によって窓割りが一致しなくなっているのだが、たまたま取った席はまさに best position。国鉄時代の椅子なので背もたれもかなり深く倒せる。「大垣 夜行」で散々お世話になったサロ 165 を思い出してしまった。

発車後、早速弁当を食う。900 円という価格にしてはややボリューム不足のよ うな気がしないではないが、ごはんが 2 種類入っていたり、おかずもいろい ろ入っていて、結構楽しめて、うまい。

青森側 では空は鉛色で、場所によって激しい雨が車体を叩いていたのだが、いざ北海 道側に出てみると、抜けるような青空。

それにしても、〔海峡〕廃止後の海峡線の処遇について、先日「蟹田〜木古 内間相互乗車に限り、普通乗車券のみで自由席車に乗車可能」と発表された*1が、 中小国〜木古内間に存在する各駅(竜飛・吉岡両海底駅を除く)はどうなるんだ ろうか。ここに停めたのでは快速と停車駅が変わらないので、単なる値上げに なる。もしかして、廃止か?

よほどぐっすり寝られたのか、青森〜函館間を今までではじめて一睡もしない で過ごした。五稜郭には残り僅かになってしまったキハ 56 が留置されていて、 激しく萌え。五稜郭を発車したところで塩兄ちゃんを起こす。

*1: 快速〔海峡〕が廃止され、夜行急行〔はまなす〕を除くと海峡線を通過する列 車がすべて電車特急化されてしまうため、普通列車の運転が皆無になってしま う当該区間に限って、国鉄時代に同様の状態と なった石勝線に導入された特例(俗に言う「石勝線特例」)と同等の扱いとなっ たもの(ただし、石勝線は新規路線)。

函館

函館には定着。早速 coin locker に荷物を‥‥預けようと思ったら、なぜか すべて使用中の状態。なにこれ?

重い荷物を背負って市内をうろつく気にはならないので、手回り品預かり所へ 行く。荷物 1 個当たり 400 円と高めだが、いろいろな意味で coin locker よりは安心なので、良しとする。

まずは朝市で昼食。今回は「きくよ食堂本店」へ。塩兄ちゃんはお約束の「巴 丼」(ウニ・ホタテ・いくら)を、私は奮発して「大漁丼」(ウニ・いくら・ あわび・ホタテ・かに・海老・いか)を頼んだ‥‥が、「今日はアワビの いいのが揚がっていない」という。「全体に具を多くしましょうか?」と仰る ので、そうしていただくことに。待つことしばし。出てきてみると‥‥なんか、 見本の写真に較べて、えらいことになってるような気がします (^^;

海鮮丼を堪能したので、市内散策へ。とりあえず市電を使うことにしたので、 一日乗車券を買うことにした。しかし、観光案内所が見当たらない。もしかし て委託されてるのかしらん、と駅正面に向かって右手にある「ツインクルプラザ*2」に入って訊いてみると、 「こちらでは扱っていないので、ここを出て右へ行ったところにある観光案内 所へ」という。ありゃりゃ、と思いつつ表にでてよーく見てみると‥‥うー、 駅正面の左手にあるじゃありませんか。駅舎から一段引っ込んでいる上、ここ までは駅舎内を通行していたので、全然気が付かなかったよ‥‥。それにして も、このツインクルプラザ、「JR 券」「国内旅行」などの counter とそれぞ れの待ち行列があるのはごく普通だが、「すぐあとの列車にご乗車の方」とい う独立した counter があるのにはびっくり。これは素晴らしい。もう時間が ないのに、訳のわかんない客が前で粘ってるせいで、時間切れ‥‥という事態 を何度か経験しているだけに、大変ありがたい措置だ。

まずは市電に乗って、市の西部へ。函館どっく前行きと谷地頭行きは交互にやっ てくる。さて、どっちが来るか‥‥と待っていると、丁度いい具合にどっく行 きがやってきた。すばらすぃー。

十字街を過ぎ、なんだかダメなビルが建っていそうな末広町を過ぎて、どっく 前終点の一つ手前の大町で下車。まずは駅から遠い旧跡から順に見て、そのま ま倉庫街へ向かおうと、市電の線路沿いにどっく方面に進む。

ペリー会見所跡に着く。‥‥標識と案内板が建っているだけでした (^^;

そのまま歩いて、太刀川家住宅へ。なかなかいい雰囲気の建物。中は半分倉庫 と化しているようだが。左隣にある建物もなかなかよい雰囲気。なんの建物か はよく判らないけど。

さらに歩いて、函館郵便役所跡へ。そこは同時に沖之口番所跡であって函館水 上警察署跡でもあったりする。

ふと、そこに立っている観光案内板を見て、旧ロシア領事館にも行ってみたく なる。どうせならここまで逆に廻っていればよかったんだが、まあそんなに長 距離を歩いたわけでもないし。

そんなわけで、旧ロシア領事館へ向かう。どうせならさっき通った道とは違う 経路で、と、市電の通りではなく、弥生坂を途中まで登って、bus 通りを歩い ていくことに。

弥生小の角を折れ、やや街を見下ろしつつ bus 通りを歩き、幸坂を登る。途 中で一旦道から外れて鯨族供養塔を見る。古来、鯨がいかに身近で、且つ重要 な生き物であったかを物語る石碑。ところで、セミクジラって、こういう漢字で書 くのね‥‥。

幸坂をさらに登って、旧ロシア領事館へ。かなり急な坂を登ってきたので、市 街を一望。「なんでこんな坂の上に(領事館を)つくったんですかねぇ」と 塩兄ちゃんがぼやいている。つい 6 年ほど前まで、この建物は「道南青年の 家」として用いられていたらしい。関係者の保存への努力には頭が下がるばか り。

坂を少し下り、そこから東へ向かって、今度は弥生坂を登る。咬菜園(こうさ いえん)跡で一息ついてからさらに登り、己巳役(きしのえき)海軍戦死碑へ。 いやしかし、すんごい坂だ‥‥。

また幸坂を途中まで降りて、東へ折れる。そこから元町公園方面への道は、石 畳の道として整備されていた。道の左側からは、函館市街を一望。

旧函館区公会堂前から元町公園(旧函館奉行所跡)内を通り抜け、基坂途中に ある旧イギリス領事館へ。一息つきがてら、午後の紅茶(not キリン)と洒落 込む。何の気なしに「アフタヌーンティーセット」を頼んだら、予想以上に volume があって、驚く。もちろん平らげましたが。ちなみに、向かいにある 広大な空き地は、私立函館病院跡地らしい。跡地には「ペリー提督来航記念碑」 も建っているが、その場所自体には特にゆかりはないらしい。

30 分ほどまったりした後、坂を下って、木造ルネッサンス建築の「相馬株式 会社」前を通過し、新島襄(←旧字が出ません‥‥)海外渡航の地碑へ。両側 を倉庫に挟まれた路地の行き止まりに石碑がぽつねんと建っている光景は、ちょっ と異様。

海岸沿いには道がないので、市電の通りと海岸との間に通っている道路を東へ。 「函館運上所跡」や「北海道第一歩の地碑」を見つつ、旧桟橋近くにある金森 倉庫街へ。‥‥道路の両側に並ぶ赤レンガ倉庫群の前にはびっしりと路上駐車 の列が。さらに、建物の口という口からは、内部のブティックなどの店舗が丸 見えで、想像以上に俗な雰囲気で、ちょっとがっかり。小樽のような落ち着き を求めるのが間違いか?

倉庫群を突っ切り、「明治館通り」と名付けられた広い道にでて、右へ。「日 本最古のコンクリート電柱」を見る。まさか完全にたてられた時のままという ことはないと思うけど、意外に状態がいい。ちなみに、本当の「最古の電柱」 は通りから少し路地を入ったところにあり(案内板が立っているのですぐに判 る)、それとは別に通りの角に同じ形の電柱が建っているが、これが案内板に 書かれた「夫婦電柱」であるかどうかは、不明。

そこから明治館通りを少し戻って、「はこだて明治館(旧函館郵便局)」を見 る。このあたりもそうなのだが、これまでの道すがらでも、旧い建築物がかな りよい状態で残っていたり、それらの風情を壊さぬように近い雰囲気に造られ ている建物があったりで、元町周辺の街全体を「旧くからの港町・函館」とし てもり立てていこうという意気込みが感じられる。おかげで散策にはとてもい い雰囲気なんだが、逆に言えば、市当局もそれだけ必死だということだろうか。 そもそも連絡船の廃止によって「間合い」で観光をしてくれる客は激減しただ ろうし*3、新幹線ができようものならそもそも函館を経由する旅客そのものが (旅客の好むと好まざるとに関わらず)ほとんどいなくなる*4だけに、今後ます ます「観光客がわざわざやってくる」だけの魅力をいかに維持するかが、観光 都市としての函館の未来を左右する鍵となるのだろう。

十字街電停へ。ここでも、おあつらえ向きにちょうど谷地頭行きがやってきた。 汗を流しに、市営の温泉に向かう。

終点の谷地頭で降りて、函館山を右に見つつ*5住宅街を抜け、市営谷地頭温泉 へ。‥‥なんだか、ずいぶん立派で奇麗な建物なんですがー (^^;。 恐る恐る中へ。

中もとても広く、奇麗だったり。入浴に不要な荷物を受付前の locker(無料) に入れ、入浴券を受付に出し、2 階へ。脱衣所もこれまた広い。浴室はもっと 広い。温泉地によくある「共同浴場」のようなものを想像していただけに、か なりびっくり。折悪しく露天風呂が maintenance のため利用できなかったの だが、それでも大満足。しばしゆったり。

ちょうど〔スーパー北斗 17〕号に間に合う最後の電車の 1 本前に乗れそうだっ たので、やや急いで電停へ。ついてみると、電車の方もちょうど折り返し作業 中。悠然と乗り込む。

1 本前に乗れた上、電車もすいすい走ったので、函館駅前には発車の 20 分前 に到着。‥‥と、塩兄ちゃんが「あれを」と指さすので、何気なしに駅前のビ ルを見ると‥‥ぐはぁ、ダメな店が、こんなところにも‥‥ (__;

もちろんダメな店には立ち寄らず、手荷物預かり所で荷物を受け取り、さらに時間があるので、 みどりの窓口できわもぽ主将に奨められたグリーン車の指定を取ってみる。

7 番ホームへ向かう途中、6 番ホームの発車案内表示を見て変な人化。‥‥急 行〔はまなす〕の表示が‥‥あっさり「1:44」と表示されてるが、今はまだ 17:12 です‥‥。発車まで 7 時間半以上ありますよ?*6

*2: JR 北海道直営の旅行センター。東日本管内に於ける「びゅうプラザ」に相当 する。

*3: そもそも、latch 内で乗り換えが完結してしまう上、連絡が良すぎたり、直通 列車を利用するなどで、改札を出る旅客自体がかなり減っているのではないだ ろうか。朝市の寂れようを見るたびにそう思う。地元の商工会から「黒字にな る」という試算まで出ていたのだし、函館の街にとっては、商工会と協議の上 で連絡船をなんとか存続するべきだったのではないか。

*4: これは青森についても同じことが言える。江差線の沿線には「北海道新幹線の 早期実現を!」という煽り看板が目に付くのだが、はっきり言って、やめてお いたほうがいいと思う。江差線沿線にとっては間違いなく逆効果だし、おそら く青森や函館にとっても、逆効果。札幌まで急いでいきたい旅客は、どのみち 空路を利用するだろうし。新幹線をつくって発展するような街は「今まで発展 の余地が十分あったのに、流動の制約によってそれが発揮されていなかった」 という、(おそらくはその地方の基幹となる)一部の都市だけで、それ以外の 地域に無理やり新幹線を通しても「逆スポイト現象」で人口がより大きな都市 に向かって流出するのが関の山。那須塩原や浦佐、上毛高原、岐阜羽島、新下 関など、新幹線の駅ができてから大分経つのに「なんでこんなところに新幹線 の駅が?」というようなところはたくさんあるし、長岡のように見事なまでに 逆スポイト現象が発生(さらに、「東京への通勤需要」を当て込んで大規模に 行なった宅地開発も大失敗)したところなど、反面教師はいくらでもあるのに。 新幹線を欲しがっている地方の皆さん、もし本当に「新幹線さえ来れば、おら がとこも都会さ」と思っているなら、あんた方は甘すぎる。いい加減に下らな いハコモノ行政とは決別して、その分の予算で通信インフラでも整備したほうがいいと思うのだが。

*5: さきほどまで市内を散策しているときに見えていたのとは、ちょうど裏側になる。

*6: まあつまり、それまでの間 6 番ホームからは 1 本も列車が発車しないという ことなんだが‥‥。

ちょー北斗

いそいそとグリーン車へ。‥‥おお、いいですよこれわ! 座席は 2+1 列で ゆったり。しかも、こーひー出してくれますよ?!(← 貧乏臭い) 受け取っ たグラニュー糖の包みを見ると、車販は JR 北海道直営らしい。これが日食系 列だったら、こうはいかないんだろうな。しかも、しばらくしてからこーひーをも う一杯頼んで、代金を払おうとしたら、「グリーン車では、サービスですので、 お金は結構です」! すげー! 最初の一杯だけじゃなかったのか!!(驚愕) ‥‥つくづく貧乏性な私‥‥ (__;。うーん、乗車前に慌てて飲み 物買い込む理由、なかったじゃん‥‥。(← これは貧乏性だったり、そうじゃ なかったり)

それにしても、何度乗ってもこいつの加速はすごいね。電車以上の start dash ですよ? じっさい、以前にめちゃ混みの自由席で揺られて*7いたとき は、加減速で振り回されるは、curve は振り子で一層かき回されるはで、えら い目にあった。やっぱり、高加減速車や振り子車輛は、ゆったり座って乗らね ばいけません。

おおー、大沼だぁー、と言っていたのもつかの間、すぐに日没。日が落ちてし まうと、車窓はただの闇。寝ます。ぐぅ。

途中何度か目を覚ますが、まだまだ着きません。うとうとしつつ、新札幌で覚 醒。

*7: まさに文字通り「揺られて」いた。いや、「揺さぶられていた」と言うか‥‥ 振り子車輛だけに、「振り回されていた」というのが最も正確かも。

サッポロー♪

そんなこんなで、札幌へ。とにかく、サッポロビール園へ行きますよ?

まずは concourse 内の coin locker に不要な荷物を押込む。ついでに、〔ま りも〕の車内で腹が減ると困るので、駅弁を買う*8きわもぽ主将ご推薦の「SL 弁当」は売り切れでした。うぐぅ。で、何で移動し ようかと考えたのだが、ふと気付くと、5 分後に千歳行きの普通列車が出る。 Guide book の地図によると、ビール園は苗穂駅のすぐ北側にあるらしい。地 下鉄の駅からビール園までは 10 分くらい歩くらしいし、んじゃ、それに乗る でしょう、というわけで、2038 発に乗る。

3 分ほどで苗穂着。‥‥しかしまぁ、見事なまでに駅周辺は真っ暗ですな。駅 前の道を札幌方面にてくてく戻り、駅構内の西側にかかる跨線橋を渡る。渡る とすぐにあるはず‥‥あるはず‥‥ありません T_T

ややいくと、じんぎすかんスメルが漂ってくる。「とりあえず、近くではあるらしい」と、 さらに進む。札幌工場正門前の道にあたったので、左折。‥‥結局、地図には 1 block ずれて載っていたのであった。嘘つきー。

途中で「札幌工場」の看板を撮影しつつ、さらに進む。ようやく到着したのは、 21 時近く。うぐぅ、すまぬ‥‥。>塩兄ちゃん

とにかく中へ。最初の受付で「ジンギスカンありとなしの席がありますが」と 訊かれ、当然「あり」の席を希望。と、小さな券を渡され、奥の建物の 2 階 へ誘導される。

席に着き、「9 時半が last order ですが」と確認されるが、「last の時に、 『あとなん皿』とまとめてお願いすることはできますか?」と訊くと、「それ は大丈夫です」と即答されたので、それでは、と注文。最も典型的なのは一番 安い cource(まあるく凍った状態の肉が出てくる)だが、あれは焼けるのに 時間がかかるので、手持ちぶさたになる上、時間がない時はかなり不利。とい うわけで、「生ラム食べ飲み放題」(3,400 円)を頼む。

肉が出てきたので、早速喰い始める。さすがに「生ラム」だけあって、乗せた 端から焼けていくので、箸を休める隙がない。というか、鉄板に乗せるのは自 分が喰う分だけにしないと、すぐに焦げてしまう。つーわけで、ひたすら喰う。

喰いました。満腹ー。最後に野菜を片付けつつ烏龍茶を飲んでいると、閉店時 刻が近付く。やや早いが、目的は達成したので、退散。

Bus はそもそも終わってそうだし、地下鉄はわざわざ駅まで行って列車が来な いとそこで終わるので、おとなしく taxi で札幌駅へ向かう。乗ってから駅前 まで 6 分。あっという間だ。

まだ発車時刻までは 45 分ほどあるので、北口前にあるコンビニでちょっと買 い物。その後、ぽてぽてと改札へ。途中の広場では、治水土木の panel 展が 行なわれていた。‥‥内容はあまり見ていないんだが、コンクリでがっちがち に固めるだけの土木行政は、どうかと思うんだがね。結果として、危険度を上 げてるだけだと思うんだが。

〔まりも〕が入線したのは、発車のおよそ 5 分前。夜行列車で、しかもも う深夜帯だというのに、忙しない。高架に改築した駅って、金沢にしろ札幌に しろ静岡にしろ、どうも構内に余裕がなさ過ぎるところばかりのような気がす る。「できるだけ安く上げたい」というのは解るが、それでないがしろにされ ている旅客 service があるなら、本末転倒なのでは。

*8: 良く考えれば、荷物を突っ込む前に買って、一緒に locker にいれておけばよ かったんだが、後の祭。まあ、大した荷物じゃないし‥‥。

〔まりも〕

今日の〔まりも〕は 6 両編成。というのも、先頭の座席車である 1 号車と、 我々が乗っている禁煙の寝台車である 2 号車の間に、「増 1 号車」が連結さ れているからなんだが、この車、回送目的のため通路扱いだそうで、その旨 念を押す announce が何度もあっただけでなく、座っていた乗客が実際に車掌に追い出されていた。なん だかなー。

それにしても、続けて乗ってみると、同じ B 寝台車でも寝台側の窓の大きさ が明らかに異なるのがおもしろい。昨日の〔はくつる〕で乗ったのはかつて 「あさかぜ」で使用されていた金帯車のオハネ 25 216 で、最初から上段が固 定で製造された group なので、窓が上段の高さより下までしかない。一方、 今回〔まりも〕の 2 号車に充当されているのはスハネフ 14 501 で、種車は 3 段式で落成後 2 段化改造を受けた group。もともと上段は可動式だったた め、24 系 25 型の基本番台車と同様、窓は上段寝台の底面よりも上まである。 なんとなーく、こっちの方が解放感があっていいやね :-D

定時に札幌を発車。気動車と客車の併結列車に乗るのは初めてなので、果たし て気動車と客車のどちらの chime が鳴るのか(もしくは、独自の chime が鳴 るのか)非常に興味があるので、車掌の放送を待つ。やがて‥‥

ぴんぽんぴょん♪。

‥‥明らかに気動車 chime の最後の部分だが、それにしても短い。「気動車 chime は完全な状態で鳴らされることがまずない」というのはある意味常識な のだが、それでも大抵もう少しは鳴らす(その結果、また次に鳴らすときは中 途半端なところから始まるのだが)。「この車掌はやってくれるかもしれない」。 そう思いつつ、放送の終わりを待っていると‥‥をを! やってくれました! 頭から終わりまで、きっちり鳴らしてくれましたよ! 車掌の心意気を感じ たよ! T_T/

石勝線に入ったあたりで、弁当を喰って寝ることに。ちなみに、私は「たらば がに弁当」(1,530 円)、塩兄ちゃんは「鳥めし」(710 円)。「たらばがに 弁当」は‥‥うまかったけど、この内容でこの値段はちょっと高いね。ほかの 地域の駅弁がぐんぐん質を上げてる上に、ただでさえ北海道では新鮮な海の幸 が比較的安く食べられるので‥‥。

弁当も喰い終わったので、寝る。ところでこの〔まりも〕、さっきから延々停 まって高速貨物の交換待ちをしたり、高速貨物に追い抜かれたり、長時間の運 転停車を繰り返している。所要時間の面からも、はっきり言って、「特急」を 名乗っている理由はどこにもないと思う。愛称も「おおぞら」group から独立 したんだし、種別も「急行」に戻して利用率の向上を狙った方がいいんじゃな いの?


2002/09/24 (火) 釧路・曇/網走・晴のち曇のち雷雨/留辺蘂〜温根湯・雨上がり <「さよなら〔はくつる〕&〔海峡〕ツアー」3 日目>

続・〔まりも〕

ちょっと早めに目が覚めてしまったので、通路側の椅子に座って、空が白み始 めた車窓をぼーっと眺める。線路は海岸線に沿って走っては時折内陸の原野の 中を走り、しばらくするとまた海岸線に出る。開拓のためとはいえ、極寒の地 で線路を敷設し、また鉄路を守り抜いてきた鉄道従事者の苦労は如何ばかりだっ ただろうか。

ふと気付くと、車内には電暖が入っている。それでも、 室温は 18 度くらい。雲の合間から時折日がさすものの、太平洋の上は暑い雲 に覆われていて、打ち寄せる波もかなり荒い。道東はもう冬が間近だ。

海岸線から離れると、列車は原野の中をひたすら駆け抜ける。やがて遠くに街の明かりが見えると、 それが徐々に近付いてきて、唐突に開拓された町に飛び込み、その中心には駅 が。しばらく走ると、町並みがぷっつり切れて、また列車は原野の中を‥‥と いう光景が続く。まるで原野の海に、「町」という島が浮かんでいるよう。根 室本線ならではの風景だ。昔、宮沢賢治が汽車に揺られていた頃の岩手も、こんな 風情だったのだろうか。

あたりが明るくなってくる頃から、〔まりも〕はこまめに停まって乗客を降ろ していく。釧路に近付いているせいか、徐々に車窓から原野が消えていく。

到着 15 分前あたりで塩兄ちゃんが起きてくる。もちろん、釧路到着を知らせ る放送でもきっちりと chime を鳴らす車掌。素晴らしい。

0550 時、釧路に定着。地下通路を通って隣のホームに移動し、3 番線に停まっている釧網本線のキハ 54 に乗り込む。地下通路への階段にはガラス扉があって風雪の侵入を防ぐように なっており、冬の厳しさを伺わせる。

釧網本線

9 分の接続で、定刻に発車。東釧路で若干停車した後、 釧路市街を北に抜け、やがてキハ 54 の単行は冬枯れの釧路湿原を見ながらひた走 る。ここに投入されているキハ 54 は特急型から発生した簡易リクライニング シートを利用してアコモ改良を施されている*1ため、椅子の座り心地はいいのだ が、そのせいで窓割が一致しなくなっているのが玉に傷。

それにしても、前に 乗ったときもそうだったのだが、ここの運転士は直結段に入れるときの shock をほとんど感じさせない。ベテランかと思いきや、運転士は結構若い。代々受 け継がれる熟練の技か?

途中の釧路湿原や細岡では、ハイカーと思しき乗客がちらほらと降りていく。釧 路側にはカヌーで川下りをしている人が。今年もそろそろ終わりか。

塘路に到着。湿原観光の拠点ともなっている駅で、やはり何人か降りていく。 車輛中央にある向かい合せの席に一人で座っていた乗客も降りていったので、 荷物を持ってそちらに移動する。やっとゆったり。それにしても、車内には制 服姿の高校生(だと思われる)が結構乗っている。毎朝この列車で通学してい るのだろう。ご苦労さんだなぁ。女の子はなぜかぽにて率が高めですよ?

交換待ちの後、塘路を発車。次の茅沼までの間は、車窓の両側に湿原が広がる。 だんだんと雲が晴れてきて、日差しが出てくる。

ちょっとした峠を越えて、標茶に到着。学生は全員ここで降りていき、一般の 乗客が同じくらいの人数乗ってくる。標津線の廃線跡は車窓から見ただけでは もはや判らなかった。

列車はさらに北へ向かう。途中の摩周は弟子屈から改称された駅で、一つ手前 の南弟子屈停車前に流れる自動放送では「弟子屈へおいでの方は、次の摩周で お降り下さい‥‥」と案内が入るのが印象的。摩周湖への玄関口であることを 前面に出すために改称したものと記憶しているが、果たして効果はあったのか。 距離的には川湯温泉からのほうが近いのでは?とか、摩周湖よりも大きい屈斜 路湖の立場は?とか、そもそも弟子屈自体がそれなりに大きな町なのに、そこ で誤降車防止の案内をしなければならないような駅名改称はなんかおかしいの では?とか、いろいろ思ってみたり。新幹線改行を前にした「八戸駅改称問題」 にしてもそうなんだけど、安易に駅名だけ変えてもしょうがないと思うのは私 だけではないと思うんだが。

川湯温泉を過ぎて、次の緑までは、釧網本線でも最も駅間が長く、且つ列車の 本数が少ない区間。時折ある急 curve で速度を落としつつも、列車は快調に 峠を越えていく。途中、運転士が突然タイフォンを鳴らしまくるので、何かと 思って前方を見たら、線路上にキタキツネがぼーっと立ってこちらを見ていた。 危ないぞー。運転士が減速を始めると、キタキツネは線路を横切って茂みの中 に姿を消した。やれやれ。安心してまた速度を上げ、山道を登っていく。

オホーツク海側の平地に抜けると、空は晴れ渡っていた。知床斜里で高齢者の 集団(主に女性)が大挙して乗車。列車は海岸線沿いの原生花園の中を抜けて 走っていくが、車内は実にやかましい。もっとも、原生花園の夏は短く、あた りはもうすっかり冬枯れ。それでも、陽光に輝くオホーツク海は青く、美しい。

涛沸湖と藻琴湖の間に広がる草原で草を食んでいる馬の群れを眺め、ちょっと した峠を越えると、列車は網走に到着。以前に釧網本線に乗ったのは 5 月の連休でまだ冬枯れ、今回はもう冬が迫っていてやっぱり冬枯れ。変化に富 んだ路線だし、沿線にも見所は多いので、いつかは夏場に乗ってみたい。

*1: 車輛の中央部にやや大きな table があり、そこから前後にある椅子は全てそ の table のほうを向いている。つまり、車内の椅子が全て中央の table を挟んで向かい合っているため、「集団見合い型」とも呼ばれている。座席の方転は不可。

網走

網走では定期観光 bus に乗る予定だが、午後の便なので、時間がたっぷりあ る。まずは朝飯、それからできればひとっ風呂浴びてさっぱりしたい。朝飯は 立ち食いソバか喫茶店の海鮮丼でも‥‥と思ったが、「ちゃんとしたものが食 べたい」という塩兄ちゃんの意見により、まずは駅構内の観光案内所へ。

「海産物を食べたいのだが、どこかにいいところは?」と訊いてみると、網走 刑務所の入口の向かい付近におみやげものを売る施設があり、そこの 2 階が restaurant になっているという。親切なことに窓口の方がわざわざ電話で確 認してくださり、10 時から営業しているということが判った。少し時間があ るが、てくてく歩いていくとちょうど開店する頃合。決まりだね :-D==

ついでに、「風呂に入りたいのだが、温泉か銭湯はありますか?」と訊くと、 「一番早く開くのは網走湖畔にある網走湖荘で、12 時から入れます」とのこ と。定観 bus が駅前を出るのが 1310 時なので、時間的にちょっと厳しいが、bus か taxi で帰ってくれば、十分間に合うだろう。

観光案内所を出たところで、定期観光 bus の PR 掲示のあたりを眺めていた塩兄ちゃんが「ちょっと、これこれ」と指をさすの で、見てみると‥‥なんと!

二ツ岩の「オホーツク水族館」は、平成 14 年 8 月 31 日をもちまして閉館 いたしましたので、悪しからずご了承願います。

と、「網走バス」名の掲示がガム tape で貼っつけてある。んまあ。水族館の 経営は全国どこも厳しいらしいので、然も有りなん、という感じではあるのだ が、その水族館は 9 月を除いて*2定期観光 bus の経路にも入っている。10 月からどうするのかねぇ、と、他人事ながら心配してみたり。

とにかく、温泉に入りに行くかどうかは、流れ次第。ということで、一応風呂にも 入れるよう装備を整えて、余分な荷物を coin locker に突っ込む。Coin locker がある団体乗車口では、幼稚園児の集団がいて、かなりやかましい。 これから先生に引率されて列車で女満別まで行くようなのだが、教育の一環と はいえ、引率者も大変だ。同乗した乗客にはもはや「ご愁傷さま」としか言う べき言葉がない。

大騒ぎの集団の脇を抜け、駅前の観光案内板を見る。2 個所に marking された「サンゴ草群落地」の間 にある「鉄道公園」の文字がむちゃくちゃ気になる。かつてこの地を走ってい た湧網線を記念したものだろうか。

かなり場違いな喧騒をあとに、駅前の国道をぽてぽてと西へ。駅前を離れるとあっという間に建物が疎らにな る。このあたりは網走川沿いの谷間で両側に山が迫っているし、そもそも網走 駅自体が市街の西外れにある*3ので、ある意味当然といえば当然なのだが、やは り一抹の寂寥感は禁じ得ない。

歩くことしばし。教えられた「オホーツクバザール」へ到着。まだ開店直後と いうことで、客はほとんどいない。おみやげを見るのはとりあえずあとだよね、 ということで、2 階に直行。階段を挟んだ両側に食堂があるが、国道に面した大きな食堂は営業していないようで、 「どうぞこちらへ〜」という声に導かれつつ線路側の食堂へ。もちろん、一番乗り (^^;

塩兄ちゃんは三色丼。私はトロサーモン親子重を頼む。何か sire order を‥‥ というわけで、「ほたての塩辛」なるものを頼もうと思ったら、「丼ものには 付け合わせでついてますよ」ということなので、ほたての貝焼きを頼むことに。 500 円のものと 300 円のものがあるということなので 500 円のものを頼んだ ら、「すみません、今は 300 円のものしかないそうです」ということで、300 円のものをもらう。‥‥いやー、うまい。貝焼きも、300 円のものでも十分で かくて、うまかった :-D==

堪能しました。会計を済ませて 1 階のみやげ売り場へ。時間があるので、網 走湖荘までは歩いていこうということになったのだが、それでもやや時間が余 るので、土産物を見て廻る。‥‥当然ながら、オホーツク周辺の海の幸が多い のだが、生物を送る相手はとりあえずいないし、御菓子の類は持って歩くのが 大変だし‥‥というわけで、バター飴を買う。ついでに、ちょっと興味を引か れたので、「夕張メロンジュース」(200g 入り缶、200 円)なるものを買お うとしたら、「すぐ飲みます?」と訊かれる。ええ、というと、奥から冷えた のを出してくれた。ありがとう (^^)

網走湖に向かっててくてく歩き出す。すぐに網走刑務所への入口を通過する。刑 務所の門は網走川にかかる橋を渡った対岸にあり、国道側の袂からでは見えない*4。橋を渡って までは見に行かなかったのだが、それでも、刑務所が正面の網走川と背後の山 に囲まれて建っているのがよく判る。

さらに少し行くと、国道通の分岐点に行き当たる。その手前に建っている民家 から、甲高い犬の鳴き声が聞こえてきた。やけに賑やかなので、「なんだろう」 と思って見てみると、sun room 状になったところに小型犬が 3 頭いて、外へ 向かって盛んに吠えている。私と視線が合うと、ますます元気に吠えはじめ、 挙げ句にはガラスに前足を当てて立ち上がって吠えまくる始末。ただ単に喧嘩 を売っているのとは明らかに違って、殺気というより、必死さが伝わって来る。 ちぎれるほど尻尾を振り立てつつ、少しでもこちらに来ようと、ガラスの向こ うで互いに押し合い圧し合い。なんだか、吠えているというより、「叫んでい る」といった感じ。敢えて人語に訳すとすれば、「出してよー! ねぇ出してー! お願い! 出してー! きゃー!!」というような‥‥ (-.-;

分岐点。直進すると、能取湖南岸を経由して常呂・紋別方面へ(国道 238 号線)。このあたりにはかつて湧網線がその方向へ走っていたはずなのだが、 もはや影も形もない。もしかすると、交差点の上方を over cross している道路 がその名残なのかなー、とか思ってみたり*5

分岐点を南に折れ、国道 39 号線を進む。交差点の角に建っている LAWSON の駐車場の片隅では、LAWSON の看板の下に何やら石碑が建っている。なんだ ろうと思って見てみると、「山田製軸所跡」と書いてある。なんでも、マッチ の軸を作る工場が建っていたらしい。うーん。しかもこの石碑、国道の側から 見るとまるで LAWSON の看板の支柱の台座のように見えるのだが、裏から見る と、ちゃんと独立しているのであった。なんだか騙し絵を見ている気分。歩道 の脇で咲き乱れているコスモスなどの色とりどりの花を見つつ進むと、すぐに 網走川の河畔にでる。対岸の川岸は手付かずの自然がそのままになっているよ うで、なんだかいい雰囲気。逆に、国道側の岸は、垂直のコンクリート護岸で ガッチリ固められている。やや不釣り合いのような気がするが、国道のすぐ脇 まで川が迫っており、国道に川が面していない下流側はやはりコンクリートで 固められていないことから、侵食を防ぐためにやむなく護岸で固めた、という感じ。

川沿いに歩く。対岸には木々が生い茂っているが、樹が生えているのは川岸だ けで、その向こう側は平地が広がっているのが隙間から見える。湿地帯?*6

それにしても、地図で見ると近そうに見えるのだが、なかなか湖に出ない。 Design を優先しがちな観光 map ではよくあることだが、距離が推し量りづら いので、もうちょっと何とかしてもらえると、助かるんだけどなぁ*7‥‥ (^^;

途中で bus 停を見つける。風呂に入れるのは 12 時からで、定観 bus が駅を 出るのは 1310 時。行きはどうせ時間があるのでいいのだが、帰りもてくてく 歩いていては、絶対に間に合わない。Taxi でも拾うかね、と話していたのだ が、丁度いい時間に路線 bus があるなら、それを利用したい。早速時刻を見 てみると‥‥なんか、丁度いい時間に便があるじゃん (^^)。現地へ 着いたら、念の為に近くの停留所を探し、時刻を確認することにする。‥‥そ れにしても、同じ網走駅前方面の時刻表が 2 枚も貼ってあるのが、いやーな 感じ‥‥。

さらに歩いているうち、「あばしり川」の河川標識が。秋口なのにも関わらず、 さっきから微妙に汗ばむくらいの陽気だったので、うっかりすると自分が北海 道にいることを忘れてしまいそうになるのだが、監督官庁名が「建設省」でも 「国土交通省」でもないあたりで北海道にいることを実感してみたりなんかし て (^^;

さらに少し歩き、天都山へ登る道の入口にある踏切の近くに来たら、警報器が 鳴り出した。様子を見ていると、網走駅方面からの上りキハ 40 単行が走って きた。側面には、漫画化されたキタキツネのでっかい paint がなされている。 思わず Digital8 VCR で撮影してみたり。

さらにしばらく歩いて、ようやく網走湖畔へ。湖から流れ出る唯一の河川であ るはずの網走川は湖自体の広さに較べると極めて細く、しかも下流側から歩い ていくと、左の崖と右の木立で遮られて視界が開けていないため、突然広い湖 面が目に飛び込んでくる。広々とした風景に思わず「おお!」と息を飲むが、 反面、湖の広さを目にしたことで目的地までの道程に暗然となって「をを‥‥」 を溜息をつきそうになったり。それにしても、開けた湖面と湖畔の木々、晴れ渡っ た青空の取り合わせが美しい。傍らを時折通過する自動車の音のほかは、かす かに聞こえる鳥の鳴き声以外、何も聞こえない。遠くの湖面では、クルーザー が何やら猛然と黒煙をあげている。エンストか?と思ったが、どうやら単なる 不完全燃焼の模様。のどかな光景だ。なんか違うような気もするが。

さらにぽてぽてと歩く。途中、湖畔に camp 場があり、網走湖のでっかいイラ スト入りの看板が。‥‥今いるところって、この絵で言うと、右下の隅っこだ よね (^^;

そのまま camp 場を突っ切る。ずっとアスファルトの上を歩いてきたので、足 の裏から伝わってくる芝生の柔かさが心地いい。左手の山の中腹には、割と大 きな hotel が湖面を見下ろすように何軒か建っている。

Camp 場を抜けると、道路と湖面に挟まれて「網走湖畔荘」が建っている*8。そ の前に bus 停があったので、時刻を確認‥‥げ。丁度いい便がありそうだっ た路線はどうやら天都山から降りてくるものだったらしく。全然 timing が 合いません。うぐぅ。嫌な予感があたった‥‥。まあ、taxi だね。どうせ、 車なら 10 分もかからんでしょう。

やがて、前方に何やら立派な建物が見えてくる。なんか、神社をそのまま高層 化したような作りに見える。よもや‥‥と思ったが、どうやらそれが目的地の 「網走湖荘」らしい。こんなに立派な建物だとは思っていなかったので、ちょっ とびっくり。

「あれ、あれ」と塩兄ちゃんが指をさすので、何かあるのかとジーッと見てい たら‥‥をを、湖畔に仕掛けられた漁網の上に鴨が何羽か。Camera を向ける と、モソモソ動き出した。あんたら、全然動かないから、しばらく気付かなかっ たよ‥‥ (^^;

1156 分、現地前到着。ドンピシャの timing だ。真ん前に bus 停があったの で、念の為に時刻を確認してみるが、やはり空振り。当たり前だけど。まあし かし、目の前に停留所があるのは、いいことだ。ていうか、このあたり一帯は hotel も多いので、石北本線に仮乗降場とか置かないのかしらん。設置してくれてもいいような気もするんだが*9

入浴のみの客の入口は、正面入口とは別に湖面に面した側にあるようなので、 案内表示に従って回り込む。正面玄関前にはうっそうと木立が生い茂り、木立 の中にある石碑や、湖水の畔に設置された木製の休憩設備が、いい味を出して いる。一部を除き、客室は湖の入り江に面しており、眺めもかなりよさそう。 今度はここに泊まってみてもいいなあ。

玄関から入って券売機で入浴券を買い、館内へ。‥‥なんか、廊下が真っ暗な んですけど (^^;。まぎれもなく一番で飛び込んでしまったらしい。

やや複雑な経路で、大浴場へ。湖水に面した建物ではなく、その裏(道路に面 した棟)にあるようで、湖を見ながら湯船に漬かる、というわけには行かなかっ たが、浴室内はかなり広々としていて、清潔だ。まだ誰もいないうちに、と浴 室内の写真を撮っていたら、宿の方が慌てて「今、お湯を出しますから」と言 いつつボイラー室に飛び込んでいった。「あ、はいー、すみません」と見送り、 服を脱いでもう一度浴室に入ってみると、湯船の中に湯が出ていた。なるほど (^^;

「石鹸を持ってこなかったから」と玄関でシャンプーを買っていた塩兄ちゃん が、「やられた」とぼやいている。‥‥浴室に備え付けられてるじゃん、 shampoo も body soap も (^^;。ありがたいんだけど、だったら券 売機で ticket を売らないでくださいな。まあ、別の時に再利用できるからい いんだけどさ。

からだを洗ってさっぱりし、湯船に漬かる。露天風呂があったので、しばしまっ たり。サウナもあったようなのだが、時間がそれほどなかったのと、なぜか鼻 血が出ていたので、ちょっとパス。最近よく鼻血が出るんだよね。別に興奮も 何もしてないのに。(← そっちかよ)

40 分頃、塩兄ちゃんより一足先にあがって lobby へ降り、taxi を呼んでも らう。本当はさっき入るときに時刻を指定して呼んでおいてもらえばよかった んだけど、思い付いたのが既に体を洗い始めたあとだったので。Lobby へ降り るときには、さすがに通路の照明はついていた。

Taxi は 10 分弱でやってきた。急いで塩兄ちゃんを呼びに行き、taxi に乗り 込む。お世話さまー (^^)

一路、駅へと向かう。‥‥のだが、前を走っている車が異常にノロノロ走って いる上、妙に路肩に寄って走っている。それだけならいざ知らず、フラフラと 右に寄ったり左に寄ったり。はみ出し禁止の道路だし、時間にもまだ余裕がある ので、車間を取ってちんたらあとに着いていく。

無事、1301 には駅に到着。Bus の発車予定時刻まではまだ 9 分ほどある。てぐすねを引いて定観 bus を待つ。

*2: 9 月中だけは、水族館に立ち寄る代わりに能取湖の群生地でサンゴ草を見ることになっている。

*3: 市役所など、市街の中心へは、網走駅よりもむしろとなりの桂台駅(釧網本線) からのほうが近い。駅は網走駅のほうがずっと大きいし、交通機関の拠点は網 走駅なんだけど。ただ、網走の bus terminal がこの両駅の中間にあるあたりが、市街中心と鉄道の駅との距離感を表わしているような気がしないではない。

*4: 橋を渡って、門のところまでは、誰でも立ち入り可能。刑務作業によってつ くられた製品の販売所も、橋を渡った対岸にある。

*5: 帰ってから調べてみたら、実際、国道との立体交差部分については線路用地跡 を転用したものらしい。ただし、湧網線があった頃は、今とは逆に国道 39 号 線が跨線橋で線路を跨いでいたらしいが。

*6: 実際には開墾された農地であることが、のちに判った。道路のようなものや自 動車も見えたので、湿地帯にしては妙な気はしていたのだが。

*7: それでも、この地図は(大雑把ではあるものの)駅からの距離が書き込んであ るところもあるので、まだマシではある。

*8: 名前は似ているが、目指す「網走湖荘」とは別物。

*9: もっとも、かつて北海道に数多くあった仮乗降場は、国鉄の分割民営化に伴っ て整理され、今では一部が駅に昇格されたほかは信号場に格下げされたり廃止 されたりし、現在では存在しない。廃止された特定地方交通線と運命を共にし た乗降場もかなりの数に上ったはず。実際、湧網線にも石北本線との分岐点近 くに「大曲」仮乗降場があったらしく(ちょうど網走刑務所正門の向かいあた り、郵便局の裏)、もし石北本線にこれが残っていれば、便利だったのだが。

定観

Bus は網走 BT 始発で、1300 時に出発してくる。観光案内所に行って乗り場 を確認すると、駅前乗り場の 1 番だというので、そこへ行って待つことしば し。1304 時、bus が駅前到着。早速船車券を提示して乗ろうとしたら、「観 光案内所で、乗車券と引き換えてきてください」という。うう、事前には「予 約不要です」としか案内されてなかったし、bus 会社の専用窓口もなかったし、 乗り場を訊いたときにも手続きについて何も言われなかったので、そのまま乗 れると思ってました‥‥*10。まあ、窓口の人は基本的に親切だったし(「オホー ツクバザール」にわざわざ電話して営業時間を確認してくれたのと同じ人)、 まだ若くて業務にあまり慣れていないようだったので、単に「乗車券は既に持っ ているか」と確認しそびれただけなんだろう。

幸い時間はまだあるので、観光案内所へ。受け取った乗車券の写真を撮ろうと 思ったら、ほかの乗客がいないかどうか案内所に確認しに来ていた bus guide に、その場でもぎられちゃいました (^^;

定刻に網走駅前を発車。乗客は我々のほかには 3 人だけ。平日とはいえ、大 変だの‥‥。どうでもいいが、この guide さんは、妙に軽い。地の喋りの部 分と、reference 通りの(guide 特有の節回しの)部分との gap がモノスゴ イ‥‥。

Bus はまず駅前の信号から国道 39 号線を北へ向かい、海岸近くで左に折れ、 主要地方道 76 号線へ。二ツ岩を通りかかったところで、改めてオホーツク水 族館の閉館が話題に。本当に、10 月から、どうなるんだろ。

とにかく、9 月中はもともと水族館には立ち寄らないので、bus はそのまま坂 を登っていく。やがて右に曲がり、岬への坂を降りていく。右側には牧場が‥‥ なんか、馬が地面に座ってますが。珍しい‥‥。

能取岬へ到着。やや雲が出てきたのに加え、風が強く、微妙に肌寒い。それで も、20 分ばかしうろうろ。陸地の方は霞んで見えないが、その先の知床半島 の稜線が割とくっきり見えてたり。海が奇麗。

再び bus へ。さきほどの 76 号線をさらに進む‥‥をを、砂利道だ。ばうん ばうん。

海岸線の近くまで降りてきたところで未舗装区間が終わり、道なりに左に曲が ると、今度は能取湖に沿って走って行く。左手に広がる畑には甜菜(ビート・ 砂糖大根)。湖畔の木々は微妙に紅葉が始まっている。

国道 238 号線を右へ。ほどなく、卯原内のサンゴ草群生地に到着。この「サ ンゴ草」、本来は「厚岸草」といい、その名の通り厚岸周辺に群生地があった らしいのだが、今ではそちらの群落が縮小してしまい、この卯原内のものが国 内最大だそうな。いまでは、本家の厚岸町からも視察団が来るらしい。約 15 分間散策。群落の中心近くまで木道が設置されているのだが、ちょうど見頃*11 ということで、びっしり三脚が並んでいる。湧網線が走っていた頃はこの群落 のすぐ脇を抜けていたようなので*12、さぞ目を楽しませてくれたことだろう。 ‥‥なんか、塩兄ちゃんが風景に溶け込んでますが‥‥。

サンゴ草を堪能し、bus は東へ。国道 238 号線は能取湖とわかれて小さな峠 を越え、網走湖畔へ出る。このあたりは、かつて湧網線と並走していた区間。 鉄道で通りたかったなぁ‥‥。

さっき歩いて通った分岐点を南に折れ、例の踏切を越えて天都山に登っていく。 やがて、山頂に建つ「オホーツク流氷館」に到着。この建物は展望台を兼ねて いて、屋上が無料で入れる展望台、2〜3 回がおみやげ屋、1 階と地下が「流 氷館」(有料)となっている。一行は一旦屋上の展望台へ直行、周辺の風景の 説明を受け、流氷館の入場券*13を受け取ったのち、解散。

展望台からは網走湖と網走市内、それと NHK の送信鉄塔 (^^; がよく見える。市街方面は、その先の原生花園から知床半島までが一望。逆側 は、網走湖や、その湖畔の北側半分を一望できる。

午前中にてくてく歩いた網 走川の対岸の木立の向こうに見えた平地は、現在では網走刑務所内の食糧を賄 う耕作地として開墾されているそうだ。当然「塀の外」なので、刑期満了間近 の受刑者が作業に従事しているとのこと。もっとも、重罪を置かした長期受刑 者が収監されていたのは昔の話で、現在網走刑務所に服役しているのは、比較 的軽いとされている罪状の短期受刑者だという。

階下の流氷館へ。展示物の内容や量はあまり多くないが、何といっても目玉は 「本物の流氷」が展示してあり、それに実際に触れられること。展示室には巨 大な氷が並んでいて、なかなか壮観。微妙に青く透き通っているのが美しい。 よく見ると年輪のような縞が見えたりしておもしろい。ところで、この展示室 は氷が解けないように氷点下 20 度程度に保たれているので、寒いのがダメな 人には展示室の入口で coat を貸してくれます。借りなかったけど。

約 25 分間の見学のあと、再び bus へ。登ってきた道を途中まで降りて左に 入ると、「博物館 網走監獄」。かつて実際に使用されていた門や建物を移築 し*14、昔の刑務所の受刑者の生活や、道路工事に借り出された当時の受刑者の 悲惨な境遇などを紹介するもので、全体として展示内容は重い*15。その雰囲気 を示すように、空には暗雲が‥‥。

入場券を受け取って*16、中へ。正門の前にはかつての光景が池を使って再現さ れている。網走川を模した池の畔に立っている木々の紅葉が美しい。ちなみに、 この「博物館正門」は、かつて二見ヵ岡場外農場の門として使用されていたも の。

団体扱いということで、入口で bus guide から博物館専属の guide に引き継 ぎ。博物館の敷地にはそれなりの広さと展示物があり、渡された pamphlet に は model course が「急いで廻る人」と「じっくりみたい人」向けに 2 通り 示されているが、今回はその中間的な route で廻る。

まず最初に、れんが造りの門(現在も使用されている刑務所正門のレプリカ) をくぐる。本物の正門に使用されているレンガは、全て受刑者によって焼かれ たものだそうな。これに限らず、現在ここに移築されている建物は、当時全て 受刑者の手で建てられたものだという。

旧管理棟の前で左折し、花壇を左手に見ながら進む。

休泊所を見る。名前は聞こえがいいが、雰囲気は竪穴住居。それもそのはず、 道路工事などに駆り出されて何日も場外を移動しつつ作業をするための、組立 式‥‥つまり、掘っ立て小屋。茅葺きの簡素なものと、もうちょっとだけ立派 な木造のものとの 2 種類が展示されているが、結局のところどちらも簡単に 分解・組み立てができる点に特化しているのは変わりなく、隙間だらけ。寝床 は板張りに毛布一枚、枕は、かつては一本の長い丸太を全員で使っていたのが、 のちに一人ずつの分に切れた丸太に改善されたらしい。でも、どちらにしても 丸太‥‥。

「行刑資料館」を見る。この建物は移築したものではなく、中央に広い吹き抜 けのある 2 階建ての構造。「展示室」のようなものはなく、1 階中央に網走 市街周辺の立体地図があり、展示物は 1・2 階の壁沿いに panel や実物、や や大型の再現模型などで展示・陳列されている。展示内容は、かつて北海道の 受刑者が従事した道内全域の道路建設に纏わるもの。現在も改良されて供用さ れ続けている道内主要道路の建設が、受刑者の無数の犠牲の上に推し進められ たということを、数々の写真や物品で紹介している。あまりに過酷な状況に死 者が続出し、その遺体をその場に埋め立てつつ建設を進めていったため、改良 工事や土砂崩れなどがあると、今でも大量の人骨が出土するらしい。定紋 tunnel などについてはそのような話を聞いていたが、道路工事全体で、しか もここまで非道い状態であったとは‥‥。

旧監房へ。この木造の建物は実際に使用されていたものを移築したもので、も ともとはやはり受刑者の手で建てられたのだという。中央から放射状に延びる 建物の一部は改修のため現在立ち入り禁止。解放されている部分の雑居房と独 房を見学。構造に工夫が凝らされた格子や、何度も脱獄を切り返した「Y・S」 (仮名)について説明を受ける。

外に出たら、雨が降り出していた。あうー、「のち雷雨」って予報があたっち まったよ‥‥。博物館備え付けの傘を借り、とにかく次へ。

風呂。映画などで映像化されたこともある、流れ作業式の入浴が人形で再現さ れている。第一の浴槽に 3 分間漬かり、それを出て 3 分間体を擦り、第二の 浴槽に 3 分間。最後に 3 分間で髭を剃る。一度に十数人ずつ、看守の笛の合 図に従って一斉に入浴。

れんが造りの独居房と、木造の懲罰房。どちらも懲罰目的のものだが、特に懲 罰房のほうは内部に光が一切入らないように作られていて、7 昼夜入居させら れているうちに発狂する者もあったという。

最後に旧管理棟へ。これも 85 年まで実際に使用されていた建物で、やはり囚 人達の手によって建設されたもの。内部には面会室や所長室が再現されている。 もう一方の片隅には、やる気があるのかないのかよくわからないおみやげ売り 場がこじんまりと。

ここで guide は終了。解散し、教講堂などを外から眺めつつ、bus へ向かう。 途中、正門に傘を返す。

一時はどうなることかと思ったのだが、ごく短時間、やや強く降っただけで、 雨はあまり強い降りにはならなかった。それでも傘を差さずに歩くには鬱陶し く、駅に戻る途中刑務所(こちらは本物)の入口前で一旦停車したときも、降 りる人はいなかった*17

*10: 今までに乗った定観の運行会社は、乗車可能な場所(自社の BT だけでなく、 新潟駅前や那覇空港など)に自社の案内所やきっぷ売り場を持っているところ ばかりだった。観光 bus の扱いを観光案内所に委託しているところは、今回 が初めて。

*11: 厳密には、peak を過ぎて微妙に黒ずみ始めているらしい。これが 10 月に入 ると、真っ黒になってしまうのだそうな。

*12: 国道と群落のちょうど中間付近を走っていたらしい。国道で東から群生地に向 かうと、直前に橋がかかっているのだが、これと並んで北側にかかっている橋 と、その前後の cycling road が、湧網線の跡。ちなみに、今回は行かれなかっ たが、付近には卯原内駅跡があり、これが例の「鉄道公園」として整備されて いるものらしい。湧網線が湖畔を走っていた区間にはほかにも何ヵ所か群生地 がある。

*13: 定観の料金に含まれている。

*14: ただし、施設の入口に建っている、網走刑務所を象徴するれんが造りの門は、 レプリカ(本物は現在も網走刑務所の正門として現役で使用中)。

*15: まあ、そもそも「刑務所」なので、楽しいものでないのは当然なのだが、ここ まで過酷なものであったとは、入って見てみるまで知らなかった。

*16: ここの見学料も、定観の料金に含まれている。

*17: 網走刑務所での降車見学はない。ただし、希望すれば下車ができ、定観の乗車 券で刑務所から駅まで路線 bus を利用することができる。

網走→温根湯

駅前で定観を降りる。乗車予定の〔オホーツク 8〕号の発車までは 45 分ほど あるので、coin locker 前の立ち食いソバで軽く腹拵え。‥‥多分、もう二度 とここではソバは喰いません*18

荷物を出して、待合で待つ。改札が始まったので、早速車内へ。‥‥となりの キロハの普通車部分は狭苦しそうだなー*19

定刻に発車。午前中に約 1 時間半かけて歩いた区間を、気動車は僅か 5 分足 らずで通過。やっぱり速いなぁ (^^;

ほどなく日没。外は真っ暗。寝る。

留辺蘂で下車。発車を見送ってから改札に向かったら、改札は無人。あれ?無 人駅?と思っていたら、話し声を聞き付けた駅員が出てきた。せっかくなので、 下車印を押してもらう。さらについでなので「温根湯へ行く bus の乗り場は どこですか?」と訊くと、「もう今日は bus ありませんよ。Taxi で行くしか」 という答え。ギョッとして「19 時 1 分のがありますよねぇ?!」というと、 「19 時 1 分‥‥あったっけかなぁ‥‥」と呟きつつも、駅舎の前の建物のと ころだ、と教えてくれた。通過予定時刻までは 30 分ほどあったので、 塩兄ちゃんには荷物と一緒に駅の待合で待っていてもらい、視察に行く。

ごくごく小さなロータリー(というより、乗降場)を挟んで建っていたのは、 簡保関連施設。駅舎から出ると、北見行きの bus が定時に通過していった。 その bus は駅舎正面の街道筋から入ってきてロータリーの奥でくるりと廻り、 件の建物の前で一旦停まって、また来た方へ走って行ったので、bus が停まっ たあたりへ行ってみると‥‥ありました、ありました。北見行きと温根湯行き の両方の時刻表が一緒に貼ってあります。ちゃあんと 1901 時の便も記載され ている。ほっと一安心 (^^;。しかしこの停留所の標識、「温根湯行 き」と書かれた面に北見行きの、「北見行き」と書かれた面に温根湯行きの時 刻表が貼ってあるのは、如何なることか。一瞬焦ったぞ‥‥。

雨は微妙に降っているが、徐々に止んできた。 ついでなので、周りを見て歩く。駅前にはかなり大きな駐輪場が作られていて、 その周辺が小綺麗に整備されている。高濱虚子の句碑が建っていたりもする。 件の建物の方へ渡る横断歩道の傍らにもうひとつ停留所標識が建っているのを 見つけるが‥‥「臨時」とか書いてあるし、さっきの bus もここには停まら なかったし、これじゃないよね‥‥?*20

外側から駅構内を見ると、本線上に島式ホームが一本。その北見方の端に下り 本線を跨ぐ跨線橋へ登る階段があり、跨線橋を渡って階段を下ると駅本屋の改 札左手に出る。本線上のホームは(特急が停車することもあり)それなりの有 効長があるのだが、その手前には本線上のホームとは別に屋根のないごく短いホームがある。 有効長は 2 輛分くらい。駅本屋から見ると駅前から改札に向かって右側にあっ て、ホームの本屋側の端は slope になっている。暗くてよく見えないが、ど うやら木で作られているらしい。仮乗降場などによくあったホームを大きく立 派にしたような印象。跨線橋が蔓延る前にはよくあった構造だ。昔使っていた ホームがそのまま残っていたのかしらん。

駅前をうろうろしているうちに、上り列車がやってきた。‥‥あれ? 本線か ら逸れて‥‥件の短いホームに入った。到着した列車は網走でも見かけた「キ タキツネ」なキハ 40。ドアを開けると、乗務員がエンド交換作業を始めた。 どうやら、そのホームは折り返し列車の発着に使われているらしい。せっかく なので写真を撮っていたら、ちょうど近くを通りかかった男子高校生を驚かせ てしまった。雨上がりだということもあり、flash の光を雷光かと思ってしまっ たらしい。ごめんねー f(^^;

早着の可能性も考慮して、10 分前に荷物毎停留所に移動。ほぼ定時に bus がやってきた。やはり、「仮」でない停留所で待っていてよかったらしい。北 見から走ってきた bus の車内には先客が一人、留辺蘂から乗ったのは我々 2 人のほかは女子高生が一人だけ。

北見方面から乗ってきた客は、留辺蘂駅を出てすぐ、駅前通りにある停留所で 早々と降りてしまった。Bus は駅前通りをそのまま西へ。石北本線の線路を渡 り、bypass に合流すると、乗降のないまま疾走していく。車窓にはほとんど 明かりも見えず、信号もない道路なので、ただひたすら闇を突いて走って行く。 車内には停留所を知らせる prerecorded announce の声だけが響き渡る。

Bypass への合流点付近に「1 号線」という停留所があり、そこから「2 号線」「3 号線」「4 号線」‥‥と、北海道らしい地名が続いていく。「10 号線」が欠番で、「13 号線」まで続いたあと、「スポーツセンター前」なる 停留所が突然現われると、次は「1 条通り」。Bus はそこで右折。どうやら、 ここまで走ってきた道路が「1 条通り」らしい。

右折の後、小刻みに右へ左へと曲がっているうち、終点に着いてしまった。‥‥ 人っ子一人歩いてないんですが? 本当に温泉町か‥‥?

Bus terminal 前の道路には arcade があり、あかりは煌々とついているが、 開いている店は snack くらい。一旦入口を間違え、目指す hotel の隣に行っ てしまったが、どちらも川沿いに建っているものの川沿いには道がなく、また bus terminal の前まで戻って反対側へ。BT には運転手が暇そうに立っていた。 以前東山温泉(会津若松市)へ行ったときもそうだったのだが、宿泊予約時に JTB でもらえる地図には入口が明示されていないので、入口を探してうろうろする羽目 になることが多々ある。これだけはどうにかしてもらえないもんだろうか‥‥。

*18: 別に店の小母ちゃんがどうこうというのではなく、単にまずかっただけ。かき 揚げてんぷらは衣だけだし。こんなてんぷらは京都駅 2・3 番ホームで喰って 以来だ。ソバもまずいし。暇そうにしている小母ちゃんが気の毒に思えるくら い。

*19: 遠軽方 1/3 室が普通車、残りの 2/3 室がグリーン。Deck はこの間にある(車端ではない)。

*20: 困ったことに、どちらにも同じ時刻表が掲出されている。

温根湯温泉「大江本家」

ようやく hotel へ。Check in すると、案内がてら荷物を台車に載せて運んで くれた。

案内されたのは、なぜか新館(飛燕閣)。つまり、予約したのより広い部屋。旧館の 8 畳一間に対して、こちらは 10 畳+広縁。予約時点で新館にも空きがあったの は事実なんだが、予約完了と同時に宿泊契約も完了しているので、現地で料金 が高い部屋に案内されても、追加料金は発生しない。ここは(宿泊に関しては) 端末での手配だったので詳細は不明だが、もしかして旧館を希望する客がほか にほとんどいなかった*21のか? 私らは広くていいんだけど (^^;。部屋は 7 階で、温泉街を一望。もっとも、町全体が暗くてほとんど何も見えないけど‥‥。

食事の時間を限界まで遅くして 20 時にしてもらい、まずはひとっ風呂。風呂 は客室等とは別棟になっていて、1 階から奥に行き、土産物売り場のさらに先 の突き当たりにある。風呂へ向かっていると、若い女性客と結構行き合う。今 season?

脱衣所や浴室は広々としていて、とても清潔。脱衣所の 奥には coin laundry もあるので、旅の荷物を減らしたい人にはたまらないか も。こういった宿はあまりないので、実にありがたい。浴室の奥からは露天風 呂にも出られるようになっているが、これは最初に間違って渡ってしまった隣 の hotel との間の道と、hotel の前を流れる川に面したところにある。道理 で短絡する通路がないわけだ‥‥。浴室内にはドライサウナとミストサウナが あるが、浴室そのものがいつでも入浴可能であるのに対し、サウナは深夜は利 用できないので、注意。

食事に行こうとしたところで、最後の SmartMedia が full になってしまって いることに気付く。仕方がないので、急いで data を吸い上げ*22。‥‥USB 経由の data 転送はむちゃくちゃ遅い*23‥‥ T_T。食事は 3 階の restaurant だったのだが、若干遅くなって催促させてしまった。すいません‥‥。

Restaurant は和風の作り。ほかの客が粗方終わってしまっていたこともあっ て、かなり広々としている。実際、各 table の space も余裕をもって作られている。お座敷風なのだが、掘り炬燵式になっているの が、腰痛持ちの私にはとても嬉しい。

食事は質・量ともに大満足。どの料理も丁寧にしっかり手間をかけて作られて いて、うまい。特に、海老の真薯揚げは上げたてが運ばれてきて、衣はさっく りと軽い歯触り、中身はホッコリ・プリプリ。

喰い始めてから、件の「5,000 円の毛ガニ」が運ばれてきた。‥‥なんか、すごくデカイんですけど (^^;。とにかくお膳の料理を平らげ、カニに取り掛かる。

カニの足には全て切り込みが丁寧に入れてあって、切り込みを両側に軽く引っ 張るとぱっかり割けてくるので、身を掻き出して喰うだけ。カニを喰うときは よく殻を割るのに苦労することがあるが、そういった面倒がないようにしてあ る。素晴らしい。にも関わらず、身がたっぷりと詰まっているので、結構喰う のに時間がかかってしまった。カニ味噌もたっぷり。

「カニを喰うと無口になるよね」と言いつつ、黙々とカニを喰う。‥‥ふぅ、 堪能しました。以前に新宿で食べ放題を喰ったとき、何杯頼んでも身はすっか すかで味噌もほとんど入っていなかったりして、手間も時間もむちゃくちゃか かったのに全く喰った気がしなかったので、毛ガニにはあまりいい印象を持っ ていなかったのだが、やっぱりちゃんとした毛ガニを喰うと全然違うな、と反 省。喰いごたえあったよ‥‥。結局、カニだけで 30 分かかった。

Dessert の melon がまたうまい。なぜか喰うのに苦労している塩兄ちゃん。 実がうまく削げなくて四苦八苦している。

結局、営業時間を 30 分以上 over。出るときに「すみません、遅くなっちゃっ て」と声をかけると、「カニは時間がかかりますから、仕方ないですよ」と笑っ て見送ってくれた。本当にごちそうさまでした m(__)m

残りの SmartMedia の data も吸い上げておく。疲れていたのか、ほどなく down‥‥。

*21: 僅かな客のために建物全体を供用するのは、明らかに帳尻が合わない。その場 合、空きがある限り新館に集約してしまった方が、hotel としてもかえって有 利なはず。まあ、今回に限らず、現地で部屋が振り替えられるのは、実際よくあることだ。

*22: 実は釧網本線の車内でも吸い上げようとしていたのだが、自宅ではうまく使え ていた USB 経由の adapter が、なぜか connector を挿すと OS ごと固まっ てしまい、何度か試してもうまく行かなかったので、先送りしていた。結局、 4 枚の media を使いきってしまったというわけ。

*23: 以前は PC Card type の adapter を使っていたのだが、NEWCARD になってか らは data を転送しようとすると固まってしまったり、そもそも認識してくれ なかったりして、まともに動かなくなってしまっている。


2002/09/25 (水) 温根湯〜留辺蘂〜遠軽〜旭川〜札幌〜支笏湖・晴れ <「さよなら〔はくつる〕&〔海峡〕ツアー」4 日目>

あさ

6 時頃目が覚めた。ちょうど夜明け。外は明るくなっていて、ようやく街の全 景が見渡せた。無加川に沿って細長く延びた町並み。山肌には、朝靄ともつかない雲がたなびいている。

いもむしがいますよ? さなぎって感じ。

6 時半頃、朝風呂を浴びに行く。ふぃ〜。

部屋に帰ってしばしまったり。‥‥いもむしが羽化直前になってます。

8 時に近付いたので、塩兄ちゃんをたたき起こし、朝風呂を奨めてみるが、ま あ、いいや、と。

2 階に降りて、旧館にある朝食会場へ。朝食はバイキング方式。

0940 頃、check out のため 1 階に降りる。清算を‥‥清算‥‥あれ? 「現 地清算で」と言われていたカニ代が入っていませんが? (-.-; その旨を「予約時にお願いしてあって、実際に出してもらっ ている」というと、「そうですか‥‥?」と怪訝そうな顔で伝票を調べ始めた。 Bus の発車まで 15 分しかないことを告げ、調べて電話を下さい、と頼む。

とりあえず清算が終了したところへ、また「お運びします」と台車に荷物を載 せてくれた。が、bus に乗るので、どうせ背負っていかなければならない。と いうわけで「玄関まででいいですよ」というと、向こうに行って何やら相談し ている。‥‥なんと、「荷物が多くて大変でしょうから、BT までお送りしま す」と車を出してくれた。なんてええ宿やー T_T

そんなわけで、bus には悠々乗れた。本当にありがとうございました m(__)m。ていうか、カニ代は請求してくださいよ? いや、ほんとに。

温根湯→留辺蘂

なんだか複雑な模様の bus だな、と思ったら、北海道の各支庁の形を模様と してちりばめてあるらしい。おもしろい :-D

Bus は定時に発車。1 条通りに出たところで何人か客を乗せ、あとはまた non-stop でひた走る。昨夜通ったときは真っ暗で何も見えなかったのだが、 明るくなってから見てみると、沿道には民家が疎ら。ていうか、停留所と同じ くらいの間隔でしか家がありません‥‥。

留辺蘂に近付くと、だんだん民家が増えてきた。やがて前方に渋滞のしっぽが。 Bypass が右に分岐しているところから先(の bypass 側)が詰まっている模様。Bus は最後尾の車をかわして真っ直ぐ旧道へ突っ込んでいく。線路を渡り、商店街を通って、駅へ。定時の 1015 着。

〔オホーツク 4〕号(留辺蘂→札幌)

〔オホーツク 4〕号の発車までは 20 分ほどあるので、また駅周辺をブラブラ。 明るいと雰囲気が全然違うね。ていうか、夜は真っ暗だったので全然様子が わかんなかった (__;

列車到着の 5 分ほど前、改札が開始されたので、ホームへ。ホームにいる乗 客は我々を含めて 5 人ほど。我々が駅に着いたときには男女高校生がたくさ んいて賑やかだったのだが、その集団は特急と交換する形で 1 番線ホームか ら出る北見行き下り始発普通列車に吸い込まれていったので、今となっては静かなもの。

〔オホーツク 4〕号は定時の 1037 に発車。今日も昨日と同じ半室指定席の車 輛。ただ、昨日の車輛の椅子は前の席の背中に大型の table が付いている新 し目のものだったのだが、今日のは国鉄時代の seat に近く、ほとんど table がない。うぐぅ。

留辺蘂を出てまもなく、列車は峠を登っていく。定紋信号場の直後にある定紋 T をくぐると、今度は遠軽への下り坂を下っていく。‥‥やっぱり、登り坂よ り下り坂のほうがゆっくりなのね (^^;

遠軽で方転。ここで switch back するのは旭川方面からの鉄道がオホーツク 海を目指して建設されたからで、実際、以前はこの先に線路があったわけだが、 湧網線が廃止され、さらに名寄本線が廃止された結果、石北本線が switch back になっている理由も、交通の要衝としての遠軽町の繁栄も、同時に失わ れてしまった。機関区等の廃止で人口が激減したということで、町の経済は今では自衛隊に依存しているらしいが‥‥。

遠軽を出てしばらくすると、今度は石北峠への登りに入る。そこへ車販がやっ てきたので、弁当を買おうとしていると、横から塩兄ちゃん

「今何時ですか?」
「もうすぐ 12 時」(← 1150 時頃)
「あー、じゃー、私も買います」

あまり種類がなかったので、二人揃って「かにめし」(820 円)と coffee を 買う。さらに私はお茶を。‥‥値段は札幌で買った「たらばがに弁当」 (1,530 円)のほぼ半額だが、内容的にはあまり違うように思えない。やっぱ り、札幌の駅弁は全体に高いと思います‥‥。

もぐもぐ喰ってるうちに石北峠を越える。反対側へ降りると、まもなく旭川。 杉村さんの故郷ですよ?

旭川から先は複線電化の函館本線を快走していく。旭川までの石北本線での走 りとは全然違って、なんだか車輛自体が生き生きしているように感じる。気持 ち良くなったところで車販から「十勝カマンベールチーズケーキ」(レアチー ズケーキ)と coffee を購入して、でざあとたいむ。うまいのよー。

ごそごそしたりうとうとしたり、IEEE 1394 の cable で FIVA と s30 を繋いで「IPv6 packet が流れませんよ?」とかやっているうちに、いつの間 にか札幌到着。 1448 時。留辺蘂からここまで、実に 4 時間以上乗っていたのだが、割と苦に はなっていない。

札幌→丸駒温泉

塩兄ちゃんがパラグアイに襲撃を受けたと言って便所へ。‥‥入ったら治まっ てしまったらしい。んじゃ、ま、と駅前 BT へ向かう。‥‥ぐは、ホームへは 地上からは行かれないんですか‥‥。なぜか一旦地下街に潜らされ、またホー ムへの階段を登る。うぐぅ、だったら駅構内の地下街入口に「××バスの乗り 場はこっち」と書いておいてくれればいいのに*1‥‥。

まあとにかく bus に乗り込む。車内に荷物を置き、まだ若干時間があったの で、銀行に行こうと思ってホーム上の案内窓口でみずほ銀の場所を訊くと、 「bus の発車までには行かれません」というつれないお言葉。諦めてまた車内 へ。

1505 時、定刻に発車。市街にある北海道中央バスの BT に立ち寄り、創成川 通りを南下して南 7 条大橋を渡ったところで右折、豊平川通りを走って行く。 広々とした河川敷の水際には木々が生い茂っていて、いい感じ。

突き当たりの藻岩橋南詰で左折、真駒内国道へ。途中真駒内駅前に立ち寄り、 また真駒内国道を南下。少し走り、真駒内川を渡るあたりから、だんだん山道 の様相を呈してくる。

芸術の森前を通過すると、もはや完全に山道。途中の停留所もほとんどなく、 bus はひたすら支笏湖を目指す。いくつか峠を越えて*2、「オコタン分岐点」 を過ぎ、ヘアピンカーブを下っていくと、やがて支笏湖の湖面が見えてきた。

湖面近くまで降りたところ*3で、T 字路を左折。実は今夜の宿である「丸駒温泉 旅館」へはその T 字路を直進した方が近いのだが、付近には停留所はおろか 送迎の車を待てるだけの余地もないので、そのまま支笏湖畔 BT を目指す。湖 水に迫った山肌の崖下を走る国道は、あちこちで工事が行なわれていた。

予定より 10 分ほど遅れて、bus は BT に到着。降車場のすぐ近くに迎えの車 が待ち構えていた*4。早速荷物とともに車内へ。送迎のワンボックスカーの車内にはもう一組お客さんが。

ほどなく出発。車はさきほど bus で通過してきた湖畔の道を逆に辿っていき、 件の T 字路で左折。しばらく走って、森の中から宿前の広場に飛び 出してみれば、自家用車から大型 bus まで、いるわいるわ。こりゃあ混んで るわけだ‥‥。

*1: BT への案内標識に従って行くと、地上から行くことになる。しかし、ビルの 1 階にあって見通しが効かないことに対する安全上の配慮か、一番北端にある ホーム以外は地上からは直接行くことができず、「ほかのホームへはここから 行け」と書いてある階段を降りると、地下街へ出されてしまう。当然、ほかの ホームへの入口も地下街にある。

*2: この間に恵庭市の西部を横切っているらしいが、山の中。

*3: このあたりは既に千歳市内になる。

*4: 事前に申し込んでおけば、ここまで迎えに来てくれる。

丸駒温泉旅館

早速 check in し、部屋に案内してもらう。案内された部屋は、front の真上あたりの、広場に面した山側の 8 畳間。眺望はない*5が、すぐ隣が従業員詰め所で、 そのさらに隣に階段と EV があり、風呂に行くには結構便利な場所。

まずはお茶を飲んで一服。‥‥お茶請けが割となぞの物体。「ピリ辛しいたけ」‥‥。 椎茸を唐辛子入りの味噌で合えてあるらしいんだが、ちっともピリ辛でない。 味噌の味しかしません‥‥。

予約の際に「別注料理は到着後に」と言われていたので、部屋に入ると早速 menu を検討。やっぱり名物のチップ(ヒメマス)料理を喰うでしょう、というわけで見てみると、4 種類あった。全て 1,500 円。塩兄ちゃんが「てんぷらは外せない」と主張、私も当然異論はない。しかし、お造りも喰いたい。姿焼もいいなぁ‥‥というわけで、全部 1 つづつ頼んで share することに。ところで、問題はもう一つの料理。「寿し」なのだそうだが、「1 日 5 食限定」などと書いてある。「これだけお客が泊まっていれば、もうないでしょう」と塩兄ちゃんが言うのだが、まあ訊いてみないと始まらないので、あれば頼もう、ということで、とにかく front に電話。‥‥確認して、折り返し電話をくれることになりました。どきどきしながら待っていると、すぐに電話が。‥‥あるってよ @_@。当然お願いする。一人頭 3,000 円ずつの追加だが、このくらいは当初から折り込み済。やっぱり、そこでしか味わえないものを喰うのも、旅の楽しみだからねぇ (^^)

まだあたりは明るかったので、食事の前にひとっ風呂浴びることに。‥‥ところが、室内でへろへろ準備していたら、あっという間に日が沈んでしまった。山に日が沈むと、あっという間に暗くなるなぁ。というわけで、風呂に行ったときは、既に薄暗くなっていたのでした。まあ、風呂には照明があるし、朝になったらまた風呂に入るので、周囲の風景はそのときに眺めれば良いということで。

軽くひとっ風呂。内湯で体を洗い、その外にある露天風呂にざっと入る。こことは別に岩場を利用したという「天然露天風呂」もあるのだが、そちらは食後の楽しみにとっておくことにする。

晩飯ー。部屋食です。標準の食事も結構品数豊富。ところで、これは全体としてはどういう括りになるんだろう。会席膳にしては、なんか洋風の料理も混じってるし。‥‥「鍋物」の「ピリ辛ゴーヤ風味」ってのが気になるんですが‥‥。喰ってみると、なんだかやっぱり取り合わせが謎。まあ、洋皿の「海の幸のグラタン」は単体としてはうまいし、和食の品々も普通にうまいんだが、組み合わさると‥‥。鍋物に至っては、結構謎の物体。こちらはひたすらピリ辛苦い。なんか、具材の味がしませんが‥‥。「ピリ辛ゴーヤ風味」というより、「ピリ辛ゴーヤの味」って感じ。

お膳を早々にやっつけて、別注料理に取り掛かる。‥‥こっちは普通にうまい ですよ? ていうか、むしろうまい。もっとも、2 人ともお膳の方で割と疲労 気味 (-.-;。せっかく名物のうまい料理があるんだから、お膳の品 数を若干減らして、名物を標準 menu に取り入れたほうがいいと思うんだが‥‥。 最近はヒメマスも数が減ってきているらしいので、それも無理なのかな? 「1 日 5 食限定」の寿しは、いわゆる押し寿司。かなりいけます。もしあれ ば、迷わず喰うべし。てんぷらもお造りもうまいですよ? 特に、てんぷらは 塩(若干山椒が混ぜてある)で喰わせるあたりにこだわりが感じられる。姿焼 もうまかったが、もうちょっと脂が乗る時期だともっとうまいんだろうな。

結構時間をかけて、平らげる。いささか喰い疲れ風味。お膳はもっと味の balance を考えたほうがいいと思うです‥‥。別注料理は、なかなかいけました。

お膳を下げてもらい、床を延べてもらっている間に、お風呂第 2 弾。今度は「天然露天風呂」を中心に。天然の岩でできた浴槽は直接湖水と繋 がっていて、じっくり漬かるのにとてもいい。ただ、水位も当然湖水の水面と 連動しているので、水位が比較的低いらしい今の時期は、風呂に漬かると湖面が 全く見えません。縁のあたりには結構ぎりぎりの位置に水面の跡があるので、 水位が最も上昇するという冬場になると、湖水を見渡しながら風呂に入れるん だろう。ともあれ、夜空を見上げながら岩場で入る露天風呂というのも、野趣 があってとても良い。ふぃ〜。ちなみに、露天風呂のすぐ外側には、湖との間 に船着き場のようなものがある。露天風呂の水はその船着き場のようなものの 中と繋がっているんだが、湖には波がほとんどないので防波堤が必要とも思え ないし、かといって温度低下を防ぐ「ヌルメ」にしては、容量が大きすぎて役 に立たないような気がする。不思議に思っていたら、説明書きがあった。曰く、 「湖水と直結して温度が下がりすぎるのを防ぐもので、中の水には温泉が流し 込んであるので、暖かい」のだそうだ。なるほど。

のーんびり漬かったあと、さっきも入った内湯の隣の露天へ。こちらは湖面を 見下ろす位置にあるので、常に湖を見ながら入れます。湖の対岸には、BT 前 の「支笏湖温泉」の明かりが見える。天然露天風呂よりは熱めだが、内風呂よ りはぬるいので、こちらも割とじっくり漬かれる。ちなみに、内風呂と、そこ を経由して行き来するこの露天風呂は、深夜は入浴不可。脱衣所からアヤシイ 通路を通っていく天然露天風呂は、いつでも入浴可。

部屋に戻って、ゴロゴロ。〔オホーツク 4〕号の車内で塩兄ちゃんからACPIの 規格書をもらったので、それを読みながらs30のASLをいじっているうちに、沈 没‥‥。

*5: 宿の前の広場と、広場を挟んで向かいに立っているバンガロー風の建物が見え るが。ちなみに、こういう部屋になることは予約時からわかっていた。その分、 宿泊費は安め。


2002/09/26 (木) 支笏湖〜札幌〜小樽・晴れ <「さよなら〔はくつる〕&〔海峡〕ツアー」5 日目>

あさ

5 時頃目が覚めた。外はまだ薄暗い。しばらく ACPI 周りをいじりつつモソモソ。

6 時になったので、朝風呂に出かける。‥‥しまった! そういえば、部屋が北向きだったんだ‥‥「朝靄の中で湖面を見ながらお風呂ー」とか思っていたんだが、もう陽が昇っています‥‥。あと 1 時間くらい早ければ、夜明けが見られたかなー*1

まあ、とにかく朝風呂。露天風呂行って、天然露天風呂行って、また露天風呂。ぬはー。

7 時頃。「そろそろ一旦上がって塩兄ちゃんを起こして連れてくるかな‥‥」と思っていたら、目が覚めたらしく、塩兄ちゃんが露天風呂に現われた。というわけで、引き続きまったり。ぬふー。

しばらく漬かっていたら、宿の人がサウナに入ってごそごそ。掃除をしているらしい。ご苦労様です。‥‥しばらくして、「サウナ、もう入れますので、よろしければどうぞ〜」と言い残して去っていった。‥‥ということは、もうすぐ 8 時?*2

せっかくなのでサウナに入る。丸太小屋風の室内からは、窓を通して湖面が見渡せる。なかなかよいですな。

もういっぺん露天風呂に漬かってから、上がる。そろそろ朝飯を喰って、出発の準備をしないと。

部屋へ帰る途中に、館内放送が入る。9 時から、宿の前に係留してあるクルーザーで遊覧をやるらしい。ただし、1 回あたりの定員は 10 名。所要時間はおよそ 20 分程度だというので、乗ってみてもいいかなと思ってみたりみなかったり。

0815 頃、1 階の朝食会場へ。玄関から入った正面奥の、湖を見渡せる食堂。せっかくなので、窓際の席に座る。

ここもやはりバイキング方式。‥‥料理は普通にうまいですよ? オムレツをその場で作っていて、作り立てをもらえた。ふんわり仕上がっていて、うまい。やっぱり、変に奇を衒わなければ、うまいのね (^^;。ハスカップの jam を乗せた yogurt がこれまたうまくて、思わずおかわり。

席からは遊覧用の船着き場が見えるのだが、時間を繰り上げて開始した挙げ句、船が帰ってくるまでの間にも桟橋に次の乗客がどんどん集まってくる。本来は 30 分毎に運行されるようなのだが、その日は乗降が済むとすぐまた船が出ていった。どうも希望者がたくさんいたらしい。これは到底間に合わなくなるので、今回は見送り。

Coffee を飲んでまったりしたあと、部屋に引き上げる。ご馳走さまー :-D

「支笏湖 BT を 1025 に出る bus に乗るには、0945 に宿を出る送迎車に乗ってください」と言われていたので、0930 頃 front に降り、check out。‥‥手続きが終わったあと、発車まで 8 分ほどあり、車もまだ来ていなかったので、急いで土産を買い込む。

荷物を背負って大急ぎで送迎車へ。定刻の 0945 に発車。宿の方のお見送りを受ける。

*1: 内風呂(と、それに隣接した露天風呂)の入浴可能時間帯が 6 時からだと勘違いしていた。実際には 4 時から利用可能なので、「日の出を眺めながらの露天風呂」が楽しめる。「天然露天風呂」の方は 24 時間入れるが、そちらは水位が低い時期だったので、漬かりながら湖面を見ることができない。もちろん、湖の水位が高い時期なら、「天然露天風呂」からでも夜明けの風景が楽しめるはず。

*2: 露天風呂(内湯の外に隣接しているほう)の一角にはサウナがあるのだが、22 時〜 8 時の間は施錠されていて入れない。

支笏湖畔

送迎の車は昨日と同じ湖畔の道をひた走り、0958 には BT へ。ありがとうございました m(__)m

札幌 BT 行きの bus の発車までは 25 分ある。当然のように、bus はまだ来ていない。塩兄ちゃんは近くの売店を冷やかしに行ったので、しばらく停留所付近でぼーっとする。やがてソフトクリームを片手に帰ってきた。いいなあ、それ(爆)

「ここにいる」という塩兄ちゃんに荷物を見ていてもらい、付近を散策。 まずは湖畔へ。おう、遊覧船がいますよ。平日のせいか、気の毒なほど静かだ。 案内板を入れつつ湖面のの写真を撮ろうと camera を構えていると、背後から 50〜60 歳くらいの夫婦の会話が。

「ああ、なんか書いてあるのがあるよ。写真撮ってる」
「撮ってやるから、そこの前に立ってみな」
そしてババアが視界に。‥‥すぐ目の前で既に camera を構えているのがわかっていて、なぜ無理やり入ってくる? 実は天都山の山頂でも同じ目にあっているのだが、こんなところにも馬鹿がいますよ。こういう連中が親なんだから、最近の親が子供をしつけられないのは至極当たり前。仕方がないから camera を降ろしたら、いかにも夫婦揃っての写真を撮って欲しそうな視線を送ってきたのだが、断固として無視*3する。実際、言葉で頼まれてもいないしね。あたりを眺めながらいなくなるのを待っていたら、恨みがましい視線を送りつつ立ち去っていったが、俺は知らん。

湖畔の道路から見えた鉄橋が気になっていたので、行ってみる。「山線鉄橋」というのだそうな。‥‥ほほー、かつてこの湖畔まで苫小牧から軽便鉄道が走っていたとは、知らなかった。1899 年製の輸入トラス橋が美しい姿を湖面に映している。

発車時刻が近付いたので、bus 乗り場へ戻る。途中でソフトクリームを買う。うまい。喰いながら戻っていくと、乗り場では塩兄ちゃんが首を長くして待っていた。Bus はもう停車している。行きは観光 bus 用車輛だったのだが、今度は普通の路線車。ううむ。

荷物を車内へ運び込む。まだ発車まで 2 分ほどあったので、急いで付近の便所で小用を足す。で、戻って車内へ。‥‥定刻を過ぎても発車しません‥‥。運転士は停留所前の電話 box でずっとどこかと話している。何か揉めているらしい‥‥。

*3: いつでも無視するわけではもちろんない。能取岬で「オホーツクの塔」の写真 を撮っていたら、こちらの frame に入らないように横で待っていた couple が私が撮り終わったときに「すいません、撮っていただけますか?」と言ってきたので、気持ち良く撮ってあげましたさ (^^)。若い世代のほうがよっぽど最近の中高年よりもしっかりしてるってのは、どういうわけ?

支笏湖→札幌

定刻から 7 分ほど過ぎて、ようやく発車。湖畔の道路を戻り、丸駒温泉との分岐点を右に曲がって、峠越えの道へ。さようなら支笏湖。

オコタン分岐点を過ぎ、真駒内へ向かう。ふと気付くと、道の左側の歩道に、女子中学生の大群が発生しています。皆運動着姿なのだが、熱い視線をこちらに送ってくる。‥‥見るからに「あああー、バスだぁ。いいなー、乗りたいなー‥‥」という羨望のまなざし。雰囲気的には「山道をマラソンさせられているんだが、いい加減疲れてしまったので、みんなして歩いてます (^^;;;」って感じ。大変だの。← 他人事

行きと同じように真駒内に立ち寄り*4、真駒内国道から豊平川通りを経由し、創成川通りを北上。中央 bus の BT へ寄ったあと、駅前 BT へ。

*4: ただし、支笏湖行の bus は駅舎の南方の線路沿いに停まったのに対し、札幌行は駅舎正面の停留所に停まって U turn。

おひる

塩兄ちゃんはどうもパラグアイで内戦が勃発したらしく、一旦便所へ。その間に、GORRYさんお奨めの店の場所を web で調べてみたり。

まずまじすぱを‥‥うを、定休日でした T_T。しからばトリトン寿しを‥‥なんか、どの店舗も駅から遠そうなんですが‥‥。

Guide book の地図を照らし合わせてみる限り、平岸店が最も駅から近そう。というわけで、地下鉄に乗って向かうことに。幸か不幸か南北線沿線なので、ゴムタイヤ地下鉄に乗れます*5よ?! それにしても、店舗案内地図は、北を上にして書いてください‥‥。 >北一食品さん

どうせ戻ってくるのだから、と荷物を coin locker へ‥‥locker へ‥‥改札外に見当たらない*6。仕方がないので、改札内へ‥‥なぜ大きな locker が全部「使用中」ですか T_T。ぐるぐる改札内を探しまわって、西改札近くでようやく 1 つだけ空いているのがあった。それはもう(荷物を)突っ込みまくり。

西改札を出る。で、南北線の駅はここから少し南下したところ。どうせならその途中で銀行に寄りたい。どこかになんか書いてないかしら‥‥とあたりを探していたら、東通路側に「情報コーナー」なるものがあるのを塩兄ちゃんが発見してくれた。早速向かう。東西連絡通路を通って‥‥ぐはぁ、こんなところに改札外の大型 locker がありますよ? さっき荷物を突っ込んだ改札内 locker の裏側でした。うぐぅ。まあどうせあとで改札内にはいやでも入るから、いいんだけど。ああ、その前にはにっくき〔白鳥〕(新)のポスターが‥‥ほんとに〔北斗〕の色違いなのね‥‥。

行ってみたらば、「情報コーナー」は bus のものでした。で、その隣に電光式の駅周辺案内図があったのだが‥‥銀行が書かれていません (-.-;。公的資金を投入して無理やり救済してるくらいなんだから、準公的機関なんだろ? だったら地図に書いとけよ! 「私企業だから」ってんなら、放漫経営のツケを国民に廻すな! そんな金があったら、阪神・淡路大震災の被災者救済に廻せよ! ‥‥と、みちみち塩兄ちゃんと盛り上がってみたり‥‥ (-.-;

確かみずほ銀の支店があったはず、と公衆電話備え付けの電話帳で調べるが、載っていない。‥‥と、guide book の駅周辺拡大地図に「富士銀」の表示があるのを発見。ちょうど南北線のさっぽろ駅直上にあるらしい。塩兄ちゃんもそこでいいとのことなので、早速向かう。あれ? みずほ銀ですよ? ‥‥そこでようやく富士銀もみずほ銀の母体行だったことを思い出す (-.-;。まあ、怪我の功名ってことで‥‥。

記帳。‥‥あれ? 入金予定は昨日だったはずなのに‥‥。入金されるはずの金が入っていません‥‥。まあいいや‥‥とりあえず手持ちはあるので‥‥。

2 人とも用が済んだので、早速地下へ潜る。さて、きっぷを‥‥うーん、往復の運賃と一日乗車券の金額がたいして変わらない‥‥。まあ、記念になるし、いちいちきっぷを買わずに済むので‥‥と、揃って一日乗車券(地下鉄専用券/800 円)を買い込む。

改札を通る。‥‥おう、ここでも非接触の実験やってるわ。‥‥あれ? 隣りの lane を通ろうとした塩兄ちゃんが通せんぼされてます。‥‥よくよく見ると、普通乗車券以外の「card 類」が通過可能な改札機は限られているらしい。うぐぅ。

2 分と待たずに真駒内行きがやってきたので、早速乗り込む。‥‥うーん、ゴムタイヤのおかげで、乗り心地が東京モノレールちっくです‥‥(-.-;。それにしても、車輛断面がむちゃくちゃでかいなぁ‥‥。

しばらく地下をもぞもぞ走り、平岸からの急坂を駈け上がって、南平岸着。さらに坂を登っていく列車を見送る。

改札を出て、すぐ南で地下鉄の高架と直行している道路を西へ。すぐ目の前にある焼肉屋のところから斜めに西南西方向へ分岐している路地があったので、そちらへ入ってみる。やがて平岸通にぶちあたったので、歩道橋を渡り、通りを南下。大きな三叉路を右側に進んで‥‥ありました。目指す「トリトン寿司・平岸店」に到着。駅からは結構近く、10 分とかかっていない。

ちょうど空席があったので、box 席に案内される。喰う。喰いまくる。‥‥まあまあかな。会計時に危うく皿を double count されそうになりつつ*7、離脱。

また駅に戻って、さっぽろへ。‥‥びみょーに時間が余っている。

*5: 乗るのははじめて。

*6: 実はあった。

*7: しかも、よりによって一番高い皿を‥‥。


2002/09/27 (金)


2002/09/28 (土)


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2002/09/30 (月)


[後日へ続く]

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