「書きかけの歳時記」
2008/07版 その1

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この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。

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2008/07/08 (火) 雨のち曇 <NHK はヲタが好き>

なんか方向性がおかしくないか? [雑感]

秋葉原無差別殺傷事件から 1 ヶ月。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、怪我を負われた方々の一日も早いご回復を切に願う。

18 時頃からの NHK「首都圏ネットワーク」ではこのことを取り上げていたのだが‥‥‥「1 ヶ月が経った」「献花に訪れる人が大勢」「電気街の店舗の客足にも影響が」と軽く触れたあと、それらよりもずっと長い時間をかけていたのが、「ヲタク文化の象徴とも言える、とある女性路上パフォーマー集団」のネタであった。以前から「韓流」と「アキバのヲタク文化」にご執心な NHK らしい着目点ではある(注: 誉めてません)。

事件前は歩行者天国でダンスパフォーマンスを繰り広げ、固定ファンもついていた group。「パフォーマンスを始めると、周りを歩いていた人達がわっと集まってきて一緒に盛り上がる。そのうち、別のところで誰から何か始めると、またそこにも人だかりが」。歩行者天国の中止によって活動場所を失い、代々木公園などでライブをやってみたものの、反応は今一つ。「寂しい。今後は中央通りに面したライブハウスなどで活動を続けていきたい」と話す‥‥‥というもの。

コーナーの最後に「映像の中にあった『代々木公園でのパフォーマンス』には公園の管理事務所の許可が必要」と断りを入れていたが‥‥‥実際に許可を取っていたかどうかに一言も触れていないのはまあいい。歩行者天国で踊れなくなったことをさも「この人達も被害者です」といわんばかりだったのだが、そもそもアキバの歩行者天国では「撮影会やライブなど、歩行者が滞留する原因になる行為」は禁止されてたはずなんだがね。そのことには何も触れず、「早く元通りに活動できるようになるといいですね〜」という論調であったということは、NHK としてはそんなもん関係ない、ということなんだろう。

被害者の現状とか、その他の「事件の影響」よりも、迷惑パフォーマーのほうが大事とは、さすが NHK と言える。こんな連中に被害者面されると、怒りを通り越して悲しくなってくる。もう歩行者天国はこのまま廃止したらいかがか。


先手を打った? [雑感]

その無差別殺戮の犯人(現行犯なので「容疑者」とは敢えて書かない)だが、検察は「責任能力に問題なし」と考えているものの、それを確実なものとするため、鑑定留置することになった、と報じられている。

裁判員制度の導入が近いことから、「それを見越した手順変更だ」と報道*1しているところもあるようだが、そういった側面もあるとは言え、どうせ裁判になれば「人権派」の連中が心神耗弱とかその手合いを持ち出して争ってくるのは間違いないので、そういったことで裁判が無駄に長期化しないように証拠固めの一環として行なうのだろう、やはり。

「人権派」が絡んでくるとかなり様相が濃くなるが、そうでなくとも、弁護側が最近やたらと心神耗弱や心神喪失による無罪を主張することが多いように思う。本来裁判には「公正な事実関係の認定」とか「妥当な量刑の確定」とか、そういった「法の元の平等に基づく裁き」が求められているはずだが、もはやそんなものはどっかにいってしまって、勝ち負け重視のただの game になり果ててしまっているのではないか。で、その一方、あまり注目を集めないような事件では検察と司法の「暗黙の了解」によってどんどん刑が言い渡され、それが冤罪発生の一要因になっているのではないだろうか。裁判員制度が始まると、少しはそういう傾向が変わるのかねぇ。そう考えると、裁判員制度は「もはや自浄作用がなくなった状況を第三者の眼に晒すことで正常化しようとしている」のかもしれないな、と思ったりもする。

しかし、個人的に恐ろしいのは、今回の惨殺犯に対して、「同情する意見」が出てきている、ということだ。どういった経緯で犯人が心理的に追い詰められていったか、理解はできる。しかし、それに同調(または同情)できるかといえば、それは全く別の話だ。原因を理解することと、それに納得できるかは、全く関係がない。いかなる理由があろうとも、全く無関係の人間を惨殺しまた大怪我を負わせ、本人やそれに連なる人々の人生を無惨に踏み躙った罪は、決して軽くなるものではない。「犯人も歪んだ現在社会の犠牲者だ」と主張する人は、「だから殺されたのはしょうがないことなんだよ」と亡くなった犠牲者の遺族に向かって本当に言えるのだろうか。私は甘ったれた「かまって君」の身勝手な残虐行為を決して許すことはできない。

きっと、裁判員制度が始まると、「情に絆されやすい人を如何に泣き落すか」が「人権派」の主な戦術になるのだろうな。

*1: 裁判員制度が始まった場合、裁判の長期化はそのまま裁判員の拘束期間の長期化に繋がるので、可能な限りの資料を事前に揃えておく必要がある。


日本は平和だな [雑感]

そういや、洞爺湖サミットなんてやってたんだっけかね。今回のサミットで日本は「存在感のなさ」を世界に存分に示すのだろう。

で、それに合わせ、会場近くに北海道初となる「バイオガソリン取り扱い GS」が登場したんだそうな。「環境問題が主要な theme なので、それに対する地元の取り組みを PR」ということらしいのだが‥‥‥暢気なもんだね。

今回のサミットでは確かに環境問題は主要な theme だが、それと同時に「食糧高騰による食糧難や飢餓・貧困の拡大」も大きな theme だ。そして、その原因として挙げられているのが、「原油高騰による cost 増」と並んで「原油高や温暖化対策に絡む食糧用作物からバイオマスの原料となる作物への転作」であることを知っていれば、とてもじゃないがそんな「PR」なんてできないと思うのだが。逆に民度の低さを参加各国に絶賛 PR 中風味。

ところで、いつも客先へ行く道の途中に、バイオガソリンを扱っている(ことになっている)GS がある。以前は幟を立てて盛大に PR していたのだが、食糧問題が深刻化していると報じられているせいか、最近はバイオガソリン取り扱い GS であることが見た目にはさっぱりわからなくなっている。いくら「環境」が流行になっているからといっても、その裏で起こっている現象を考えれば、とても積極的に PR できる状況ではないということだろう。非常に解りやすい。もしかすると扱い自体を止めてしまっているかもしれない。まあ、バイオガソリンにも例によって利権が複雑に絡み合っているそうなので、扱いを止めたとしたらそっちが原因かもしれないけど。

しかしなんというか、「おしゃれなエコバッグ」を買い集めることが流行になってるとか(← 本末転倒もいいところ)、トヨタの「エコ替え」campaign とか(← もはやなんといっていいものやら)、「エコ」が「ブーム」化していつものように暴走してるような気がする。「エコ」って言ってればとりあえずイイコトした気になるのかしらね。「純朴」と言えば聞こえはいいが、「従順」というのか、(以下自粛)。



2008/07/09 (水) <忘れてた>

なるほどね [雑感]

調べてみたら、洞爺湖サミットに合わせて会場附近でバイオガソリンを販売した件は、石油連盟の主導で行なわれたらしい。なるほどね。近視眼的であることにも非常に納得がいく。

ところで、従来国内で販売されていた「バイオガソリン」と言えば「バイオエタノールを 3% 程度含んだもの」だったのだが、この件を報じていた記事ではバイオエタノールの混入割合について「3%」と「7%」の 2 通りの記述があったようだ。しかし、別に今回のバイオガソリンが特別な仕様だということはないようだ。おそらく、「7%」という記述は ETBE の混入割合を記載したものだろう。

既報の通り、現在国内で販売されている「バイオガソリン」は、「植物由来のエタノールを体積比 3% 相当含んだもの」となっている。海外では直接バイオエタノールを 3% 混合したもの(「E3」と呼ばれている)が用いられているが、日本で販売されているものは「バイオ ETBE」を 7% 程度混合したものだ。

では、ETBE とは何か。これは、液化石油ガスに多く含まれるブタンの変成物(異性化・脱水素化したもの)であるイソブテンとエタノールを 4:3 の割合で反応させたもの。このエタノールに植物由来のものを用いたものが「バイオ ETBE」と呼ばれ、これをガソリンに 7% 混合すると、結果的にバイオエタノールが総量の 3% 含まれることになる。ETBE の原料であるイソブタンは化石燃料由来であるため、当然ながらバイオマスには含まれない。そのため、「バイオ ETBE の混合割合」として 7% と記載するのは間違いではないが、「バイオマスを 7% 混合した」とするのは明らかに間違い。もちろん、「バイオエタノールを 7% 混合」とするのは完全な誤りとなる。ちなみに、混合割合の「MBTE は 7% 以下」「エタノールは 3% 以下」などという上限は揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則 第十条で定められ、これに違反する自動車用ガソリンの販売は揮発油等の品質の確保等に関する法律 第十三条で禁止されている。余談だが、よく「安売り GS のガソリンには灯油が混ぜられていることがあるが、4% 以下なら適法」と言われる根拠もこの政令。

さて、ETBE をガソリンに混合すると、オクタン価の向上が見られるという(実施にオクタン価向上剤としても使われているようだ)。その一方、ETBE を燃焼させた場合の人体に対する影響はまだ十分に研究されておらず、国によっては添加を禁止しているらしい(遺伝子組み替え作物を規制するのと同様の理由と言える)。で、肝心のバイオエタノール、条約上は全量が「カーボンニュートラル」とされるようだが、実際にはこれを作ったり輸送するにも energy が消費されるため、実際の CO2 の削減割合はサトウキビの場合でエタノールとしての混入量の 9 割程度、トウモロコシでは「糖化」に energy を大量に使うため 3〜4 割程度しかないらしい。つまり、バイオ ETBE 7% 混入の場合、ETBE やイソブタンの製造に排出される CO2 の排出量を考慮しなければ、

  • 条約上の CO2 排出量: 同一質量のガソリンの 97%
  • サトウキビ由来のバイオエタノールを使用した場合の実質 CO2 排出量: 同 97.3%
  • トウモロコシ由来のバイオエタノールを使用した場合の実質 CO2 排出量: 同 98.8〜99.1% 程度

となる。日本で使われている ETBE は全量を輸入に頼っているはずなので、実質的な排出量削減効果はもっと低くなる。

では、直接エタノールを混合しないのはなぜか。ガソリンに直接アルコールを混合した場合、次のような問題点があるという。

  • 混合物は親水性が高くなり、高濃度の場合は水分を吸収して「エタノール+水」と「ガソリン」に分離しやすくなる(「相分離」)。水分を含んだガソリンが engine で燃焼すると、高い腐食性を発揮する。また、分離してエタノールが抜けてしまったガソリンはオクタン価と揮発性が低下してしまうため、異常燃焼の原因となる。
  • 混合物は有機溶剤に近い性質を持つようになるので、配管や engine のガスケット・パッキンなどやアルミ素材などに攻撃性がある。

一時期販売されていた「ガイアックス」を給油した自動車に爆発事故があったのは、これらが理由とされているらしい。後者の攻撃性の問題については対応車両を用いることで解決できるが、日本では販売されていない(ブラジルなどでは販売されている)。ちなみに、「ガイアックス」は「高濃度アルコール混合燃料」だそうだが、そのアルコールは「化石燃料由来のメタノール」だそうなので、「カーボンニュートラルな成分」は含んでいない‥‥‥らしい。

実際には「ガイアックス」の規制には税制上の問題(高濃度アルコール混合燃料を何に相当すると見做して課税するか)やいろいろな利権が絡み合っていたらしいが(石油業界にはいかにもいろんな魑魅魍魎が跋扈していそうだ)、とにかくアルコール自体の混合比率そのものが規制され、現在に至っている(ちなみに、メタノールの混合は認められていない)。


そういえば [FreeBSD]

すっかり忘れてたんだが、SD/MMC driver の件について、GW ちゅうに nork さんから連絡をもらっていたのだった。

実は 3 月中旬にやはり nork さんから「SD card slot に card が入った状態で kldload すると panic が起きて reboot してしまう」という連絡をもらっていた。ところが、こちらの手元では再現しない。なんとなくそのまま放置してしまっていたのだが、takawata さんが patch(I/F の reset 周りに lock を追加するもの)を作ってくれたそうで、それを適用してしばらく使ってみたところ、「プロダクションクォリティと言えるくらい安定して動いてくれています」とのこと。

その patch の在処を 4/28 に連絡してくれていたのだが、旅行に出発する直前だったこともあってそのまま放置して忘れちゃってました。すんません。手元で再現しないものって motivation が‥‥‥ (^^;;

というわけで、patch を取り込んだものを置いておきました

なんか、海外からもちょくちょく取りに来る人がいるようなので(一部では ume さんが作ったことになってるらしいが‥‥‥まあいいや (^^;。英語圏へ紹介してもらってるしなー)、そろそろちゃんと簡単な document を書かないとなあ。



2008/07/10 (木)


[後日へ続く]

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