この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。
取扱上の注意
間違って検索サイトから来られた方へ(よくある検索 pattern)
アンテナ管理者の方へ
・ そういえば、せっかく環境を提供してもらったのに、放置してしまっていた‥‥‥ m(__)m。
・
海外方面で「7 系列で driver が build できないんだけど」とゆーよーな声があったようなので、昨年秋の CBUG meating meeting で相談をして、うめさんに -current な machine への login 環境を提供していただいた m(__)m。で、一応モソモソと作業。ただ、その machine には SD/MMC slot がついていないので、compile はできるんだけど、動作するかどうかは未確認。
・ そんなわけで、成果物はこちら。10 月末時点でのものなだけど、11 月末くらいに compile した時点では build できていたよーな。あと、6.3-RELEASE-RC1 か何かで使った実績もあり。ただ、その後 6.3-RELEASE も出たし、7 系列も PRERELEASE になってたりするので、近々時間を取って試してみたいところではある。
・ 環境を用意してもらってから announce まで期間があったのには一応いいわけがあって (__;、今の code では「一応叩いてるけどなんか不完全」になっている I/F の reset 処理をせっかくだから fix しようと思っていろいろ試していた。結果としては「I/F に reset をちゃんとかけようとしてもその終了待ちが timeout になり、その後割り込みが入った瞬間に刺さる」という現象が解決できず、結局元の状態に。しくしくしく。TI の controller で動かないという件もそのあたりが関係しているような気がしてはいるんだけど‥‥‥。
・ TI の controller の件に関しては、以前に warner さんが「こちらで試せることがあったらなんでも言ってー」と言ってくれているのだが、どこをどうしたらいいかはっきりと判っていない状況では、やっぱり手元に実機が欲しいところ。5〜6 万くらいで手に入れば、買ってもいいんだけどなぁ‥‥‥。もっとも、どのみちここ数ヵ月はそんな余裕ないけど。
・ 既に報道等でご存じの方も多いだろうが、この 3 月のダイヤ改訂で、遂に〔銀河〕(東京〜大阪)が廃止になる。そのほか、同日付で〔あかつき〕(京都〜長崎)と〔なは〕(京都〜熊本)も廃止、現在 2 往復運転されている〔日本海〕(大阪〜青森)と〔北斗星〕(上野〜札幌)は 1 往復となる。さらに、asahi.com のスクープによれば、来年春には〔はやぶさ〕(東京〜熊本)と〔富士〕(東京〜熊本)も廃止することで関係各社が合意しているという。この時点で、東京口と九州から「ブルートレイン」は完全に姿を消すことになる。廃止の理由は、〔北斗星〕を除いて毎度お馴染の「利用者減少」だ(〔北斗星〕については、北海道新幹線建設に関連する「青函トンネル工事の作業間合い確保」であり、利用減を理由とはしていない。実際いつもそれなりに混んでるし)。
・ 残る列車に関しても「整備新幹線の延伸時に見直す」という方針らしい。東北新幹線が八戸へ延伸した際に「新幹線への転移を促進するため」として〔はくつる〕(上野〜青森)が廃止されたことから類推すれば、東北新幹線の新青森延伸時に〔あけぼの〕(上野〜青森)が、北陸新幹線の金沢延伸時に〔北陸〕(上野〜金沢)が、北海道新幹線の札幌延伸時(もしかすると新函館延伸時)に〔北斗星〕が、それぞれ廃止される可能性はかなり高いと思う。
・ ‥‥‥え? 「北海道新幹線の建設は新函館までしか決定されていない」って? 「新函館」駅の予定地は現在の函館本線渡島大野駅だ。あんな、函館駅から普通列車で 30 分近くかかって、しかも近隣に access 設備を作る場所もろくにないようなところに作った駅が、まともに terminal として機能すると本気で考えている人は、おそらく誰もいない。新函館までの着工決定時に自民党の誰かが「新函館から函館空港を経由して道内各地へ飛行機で飛べば、本州方面から道内各地への access 性が向上し、函館も北海道の玄関口として発展できる」などと妄言(もしくは虚言)を垂れ流していたが、おそらく本人も本気でそんなことを考えてはいないだろう(渡島大野方面と函館空港との間にはまともな道がなく、唯一の動線である産業道路は早朝・深夜を除いてだいたい渋滞しているので、おそらく bus 連絡で 40 分から 1 時間以上はかかるだろうから、極めて非現実的。どう考えても、出発地近辺から道内各地へ直接飛んだほうが早いのは明らかだ。しかも、産業道路附近を経由する動線は市街地北辺を抜けていくかたちになるので、市街中心部に旅客が移動する積極的理由はない)。そうなると、「新函館まででは中途半端だ。やはり札幌まで作らなくては」という話になるのは火を見るより明らかで、つまり新函館延伸の決定は札幌までの延伸の地ならしに過ぎない。‥‥‥函館〜札幌間(山線経由)が 290km 弱、東京〜新青森間は開業と同時に 320km/h 運転を行なって最速で 3 時間 10 分程度とか言っているらしいので、津軽海峡の前後を含めて東京〜札幌間の所要時間は 6〜7 時間程度だろうか。一体どのくらいの需要があるのかわからんけど。新千歳空港は非常に access のいい空港だし、大多数の旅客は飛行機に乗ると思うけどね?(東北〜札幌間の移動なら、東北各地の空港の状況から言って新幹線の方が便利だが、仙台については先日 access 鉄道が開業して利便性が格段に向上したし、それ以外の各地からの需要の絶対量は首都圏や仙台周辺からのそれに較べれば微々たるものだろう。)
・ 閑話休題。東京口の客車寝台列車は「もってあと数年」と思っていたので、今回の改訂は「遂に来たか」という感じで、驚きはしなかった。「長くない」と思っていたのにはいくつかの根拠がある。
・ こういった事情のためか、寝台列車(というか鉄道旅行そのもの)の需要が全体的に減少する中、目玉になると判断された列車以外はまともにテコ入れされることなく放置され、そうこうするうちに「少客のため」という口実で続々と廃止されるようになってしまった。体のいい「安楽死」と言っていい。
・ 一般的には「時代の流れ」と一蹴する傾向が強いが、近年の動向から言えば、その見方はやや的外れだ。ここ数年、夜行列車については需要に変化が見られ、それまでに較べて「鉄道旅行」に対する関心が高まってきていたからだ。実際に、閑散時の〔銀河〕の客層は大きく変化しており、以前は背広族だらけだったものが、最近は若者を多く見るようになっていた。〔北斗星〕などでは中高年の group や夫婦連れ、または家族連れを多く見るようになってきた。従来鉄道にはほとんど興味を示さなかったような人達からも、「汽車旅」に対する憧憬のようなものを聞くことが多くなってきたように思う。中高年に関しては「定年を向かえて時間に余裕ができ、それまでできなかった鉄道旅行が可能になった」せいかもしれないし、家族連れの場合は「かつてブルトレブームを経験してきた世代が親となり、子供を連れて旅行をするようになった」のかもしれない。しかし、若者層に関しては、青春 18 きっぷの存在で鉄道旅行に馴染んできた世代が、ちょっと余裕ができたために寝台列車に乗るようになってきたのかもしれない。調査をしたわけではないのであくまで憶測に過ぎないのだが、潜在需要は結構あるように感じている。「時代の流れ」から見れば、むしろ再燃の気配すらあるといっていい状況だったのだ。
・ 現に、〔北斗星〕は一時期の「ブーム」ほどではないがいまだに一定の人気を保っているし、〔トワイライトエクスプレス〕は依然としてかなりの人気を誇っている。本来ならチャンス到来と言ったところなのだが、それを生かすどころか、むしろ着々と潰していっている。それはやはり、「新幹線などの客単価も輸送密度も高い列車に較べて手間がかかる割に儲からない寝台列車」に対する JR 各社のやる気のなさの現われとしか思えない。
・ たとえば、〔銀河〕などは B 寝台なら実は新幹線と料金面で極端な差はなく(〔のぞみ〕の通常期指定席と較べてきっかり 2,000 円しか違わない)、運転時間帯も非常にいい*5うえ、大阪発着なので「新大阪で乗り換えて大阪に出る」という手間が不要でもあり、やりようによってはどうにでもなる列車のはずなのだ。実際に、金曜発や連休中は結構埋まっているし、盆や年末年始などは満席になっている。他の日は確かにがらがらだが(特に B 寝台は)、そもそも、〔銀河〕に関しては列車自体の PR がかなり不足しているという実態がある。
・ 他の列車も一様に連休や盆、年末年始などはかなり混み合う。「それ以外の時期ががらがらなのが気にくわない」というのであれば、「閑散期に限ってゴロンとシート*6車を設定する」とか、「繁忙期以外は B 寝台の上段をゴロンとシート扱いにする」など、既に他の列車で実績のあるサービスを拡大することは容易にできるはずなのだ。「時期によって大きく料金を変える」というサービスにはあまり例がないが、閑散期・通常期・繁忙期と区別して料金を変えること自体は昼行列車の指定席で既に行なっているわけだし(ちなみに寝台列車にはこのような区別はない)、札幌〜釧路間の〔まりも〕は「冬季は B 寝台料金を 3,000 円にする」という設定を行なって好評である*7事実もあり、決して不可能ではないはずだ(〔カシオペア〕で行なっているように、割安の企画きっぷとして扱ってもいい)。リネンがなくても東京〜大阪間を運賃+ 1,770 円で横になって寝て行かれるのなら、かなり使いでがあるのではないか?
・ また、設備面でも問題がある。「陳腐化している」「時代遅れ」などというのは「廃止は当然」とする立場の人からよく言われることだが、単純にそういう問題ではない。逆に「現行でも十分に受け入れられている」ものがあるのに、それを生かしきれていない面もあるのだ。また〔銀河〕の例になってしまって恐縮だが、この列車は割と特殊で、普段は列車の中でももっとも単価の高い「A 寝台の下段」(急行料金と合わせて 11,760 円)から埋まっていく。まず A 寝台の下段が埋まり、次に A 寝台の上段(同 10,710 円)が埋まる。そして、B 寝台(同 7,560 円/上・下段同額)はがらがらだ。こうなるには理由があって、A 寝台の下段は寝台の幅も天井の高さもゆったりしていて、さらに寝台内に荷物置き場もあるため、個室ではないことによる安さ*8もあり、cost との balance が非常にいい。だから、数年前まで A 寝台車はだいたいいつ乗っても出張の背広族で埋まっていたし(特に平日)、景気が悪くなったここ数年でも平日ですらがらがらということはあまりなかった。これだけ好評なのだから、B 寝台車を何輛か減らしても A 寝台車を増結すればいいのにと思うのだが、そうまでして収益を上げようという気はないらしい*9のだ。その一方、個室の「ソロ」と料金が変わらないために逆に割高感があって埋まりにくい解放 B 寝台については〔まりも〕を除いて料金面で何の手当ても行なわれていないが、これも〔まりも〕の例を見れば、ある程度の値下げ(例えば上段 4,000 円/下段 5,000 円とか)をすれば状況は当然変わるだろう。決して「設備そのものが嫌われている」のではなく、「料金負担に見合わない」ことが問題なのだ。〔トワイライトエクスプレス〕(全車が〔銀河〕などと同じ世代の車輛を改造したもの)が連日大賑いなのに対し、鳴り物入りで登場した豪華列車〔カシオペア〕(これは今のところ JR が完全に新製した唯一の客車だ)が連日空気を運んでいる(あまりにも空気と仲よしなので、一時期「2 週間前になってもカシオペアツインに空きがある場合」には本来の 1 室料金の半額+ 3,000 円弱で 1 人利用が可能な「カシオペアシングルユース券」なるきっぷが発売されていたほど)。
・ ‥‥‥とまあ、こんなことはわざわざ部外者の私が書かなくても現場の人間なら解っているはずなので、やっぱり「やる気がないのでわざと放置している」ように思えてならない。「寝台がなくなったら新幹線に乗れ。それが嫌なら鉄道に乗ってもらわなくて結構」ということだろう。まあ、東は首都圏の通勤需要で全管内の赤字を補って余りあるほど金がわいてくるし(国鉄時代は全国の営業赤字を埋められるほどだったし、だからガーラ湯沢で赤字を垂れ流しても痛くも痒くもない)、海はやっぱり東海道新幹線で湯水のように金が沸いてくるので在来線にはやる気なし。一方西は元々民鉄との競争が激しいので「ドル箱」の京阪神圏もそれほど余裕がなく、乾燥地帯から多雨地帯から豪雪地帯までローカル線を抱えている上に山陽新幹線は決して需要が多くない(唯一需要の大きい小倉〜博多間は九州と熾烈な争いを繰り広げている)し、そこへもってきて阪神・淡路大震災の復旧費用や福知山線事故の処理費用(後者は自業自得だが)の負担もあって財政が厳しい(ちなみに、今回の廃止で〔銀河〕〔あかつき〕〔日本海〕(西日本車)がなくなり、西日本持ちの客車寝台列車は〔トワイライトエクスプレス〕のみとなる)。低金利による経営安定基金の運用利益減や少子・高齢化による人口減少、大都市への人口流出によって九州と北海道がじり貧なのは言うまでもない(同じく今回の廃止で〔なは〕が、来年〔はやぶさ〕〔富士〕が廃止されると、九州持ちの寝台列車は消滅する)。
・ 営利企業である以上利益を追求するのはある意味当然なんだが、それは本来「公共交通」とは相容れない方向性だ。もっとも、「交通の足を国の責任で担保する必要はない」という選択をしたのは国民なのだし、それによって営利を追求することに対し JR 各社はお墨付きを与えられたわけなのだから、移動手段の多様性が切り捨てられていくのはやはり当然なのだろう。
・ 〔銀河〕に関して言えば、前述の機廻し方法の変更に伴って、発車前の在線時間が 10 分から 37 分に拡大され、ゆったりと乗車することができるようになった(しかも A 寝台はかなり早く改札を開始するため発車前から寝ることもできる)、接客面で大幅な改善となり、〔銀河〕に対するやる気を垣間見たような気がしたのだが、気のせいだったらしい‥‥‥。〔銀河〕がなくなったあと、大阪方面にはどうやっていったらいいんだろう。〔ML ながら〕は腰がもたないし(「普通列車乗継」は論外)、東海道新幹線なんぞに乗る気はさらさらないので、飛行機かなぁ。早割とか使えば新幹線より安いしな(爆)。空港に行くのと荷物の扱いが面倒くさいけど。さもなければ、新潟から〔きたぐに〕だろうか。いずれにせよ、西のほうに行く機会が激減することだけは間違いない。「夏・長崎から」がなくなったあとだったのは、果たしてよかったのか悪かったのか。
*1: 例えば〔銀河〕の場合、機関車は東日本(田端)、客車は西日本(宮原)が担当している。また、車掌は全区間西日本が担当し、機関士は各会社境界(熱海と米原)でそれぞれの社員へ乗り換えている。〔はやぶさ・富士〕の場合、客車は九州(熊本)、機関車は西日本(下関/東京〜下関)と九州(門司/下関以西)が受け持ち、車掌は西日本と九州が下関で乗り換え、機関士は東日本・東海・西日本・九州が各会社境界で乗り換える(各社内でも乗務区間などの関係で乗り換える場所がある)。余談だが、小田原に停まらない〔はやぶさ・富士〕が熱海に停車するのは、旅客需要によるものではなく、機関士の乗り換えが必要だから。
*2: 〔サンライズ瀬戸・出雲〕は西日本と東海それぞれが車輛を保有し、運用上も両者の区別が全くないのだが、これは財政的に厳しい西日本が東海に泣き付いて一部の車輛の建造を請け負ってもらったという事情が背景にあるらしく(そもそも管内の通過時間帯が深夜〜未明となる東海が積極的に関与しなければならない理由は本来ない)、また片方の拠点であるはずの首都圏を抱える東日本は一方的に乗り入れを受け入れる立場となっている。
*3: 機関車を一旦切り放し、編成の逆側に連結し直すこと。東京駅から西へ向かう寝台列車は、品川の車輛基地から出てきたあと、また品川方面へ走っていくことになるが、一般に機関車は必ず編成の先頭に連結されるため、このような扱いが必要になる。ちなみに、上野駅では機廻しのための配線がないことと線路に余裕があることから、こういったことをせずに機関車で列車を後押しする「推進運転」が行なわれている。
*4: かつては品川から出てきてから一旦東京駅のホームを素通りして神田駅手前まで行き、そこで機廻しをした上で、発車の 10 分ほど前に改めて神田方面から 9 番線に入線していた。これが一昨年の改訂で変更となり、現在は発車の 37 分前に品川方から 10 番線に直接据え付け、乗車を開始したあとに 9 番線を使って機廻しを行なうようになっている。前者はホームの専有が最小限になる反面、発車前が非常に慌ただしかったのだが、現在はゆっくりと乗車することができる。
*5: 下りは東京 2300 時発/大阪 0718 時着、上りは発着ともそれぞれ 30 分ほど早い。おおよそ「最終の新幹線よりあとに出て、始発の新幹線より先に着く」という時間帯だ。実際、下り列車では新大阪で降りて下りの〔のぞみ〕(東京発の始発より 1 本早い列車に乗れる)や関空行きの特急に乗り換える利用者も結構いるようだ。横浜や大船にも停車するため、これらの駅からは新幹線に乗るより便利だという merit もあるだろう。
*6: シーツや毛布、枕といったリネン類が提供されない代わりに、指定席特急料金で乗れるというサービス。〔あかつき〕やかつての〔なは〕にあった「レガートシート」とは異なり、通常の寝台車を使用するため、横になることができる。〔あけぼの〕のほか、廃止された〔はくつる〕でも実施され、好評を博している(これらの列車では通年実施)。また、〔サンライズ瀬戸・出雲〕には同じく指定席特急料金で利用できる「のびのび座席」(こちらは毛布のみ提供・通年)があり、常にほぼ満席。
*7: 現在は列車自体が夏期中心の多客期のみ運転となっているが、制度は存続しており、該当期間(始発駅発が 11/1〜5/31)に運転されればもちろん適用される。
*8: 1 人用 A 個室寝台はもっとも安い「シングルデラックス」でも 14,700 円(寝台料金のみ)。〔銀河〕や〔日本海 2・3〕に使われている A 寝台は個室ではなく通常の B 寝台と同様に curtain で仕切られたもの(「解放寝台」と呼ばれる)なので、料金は高い方の下段でも 10,500 円(同)と、2/3 程度で済む。ちなみに、B 寝台の場合、 1 人用個室でもっとも単価の安い「ソロ」「デュエット」と解放 B 寝台(上・下段)はいずれも同額の 6,300 円(同)で、こちらは解放寝台に乗る価格的 merit はない。
*9: かつて国鉄時代末期の寝台列車は「A 寝台車 0〜1 輛+ B 寝台車」という編成が一般的だったが、「編成中に A 寝台車はあっても 1 輛」という原則は〔北斗星〕の登場と同時に崩れたわけだし(〔カシオペア〕に至っては全車が 2 人用 A 個室だ)、昔は A 寝台が 2 輛以上繋がった列車もあったようなので、必ずしもその原則に拘る理由はない。また、わざわざ A 寝台車を建造するのは金がかかるが、一時期 JR 東日本は〔日本海 2・3〕用の 3 輛のほか全く使っていない解放 A 寝台車を 3 輛持っていたので、それを買い取ることも可能だったはずだ。
・ 列車の廃止となると、つきものなのが「葬式鉄」の跳梁跋扈。廃止直前の列車や路線にどこからともなく沸いてきて傍若無人の限りを尽くすハイエナ共だ。
・ 先日の 1/12〜13 に、大阪方面の人達と毎年恒例の余部カニツアーに参加。土曜の朝大阪駅に集合し、〔はまかぜ 1〕号で一路但馬へ向かって豊岡から bus で出石へ。名物の皿蕎麦を堪能したあと、再び豊岡へ出て、城崎温泉へ。一っ風呂浴びたあとまた余部へ移動し、お馴染の川戸屋さんでカニ三昧。翌日宿を出て湯村温泉へ向かって一っ風呂浴び、浜坂駅から〔はまかぜ 4〕号で大阪へ戻り、晩飯のあと解散。いつもなら〔きたぐに〕で帰るところなのだが、今回はせっかくなので〔銀河〕で帰ってきた。実は上り〔銀河〕に乗るのは今回で 2 度目という衝撃の事実。下り〔銀河〕には数えきれないほど乗っているのに上りにほとんど乗っていないのは、当初は〔ちくま〕に、〔ちくま〕が電車化(同時に寝台が廃止)された後は〔きたぐに〕に乗ってしまっていたから。〔銀河〕と〔きたぐに〕では大阪場面の発車時刻が 1 時間違うので、つい遅いほうの〔きたぐに〕を選択していたのだ。もっとも、今回に関して言えば旅行中に体調を崩してしまったため(初日に三宮で喰った神戸牛がよくなかったらしいよ? 脂っこすぎて‥‥‥)、〔銀河〕で直接帰ってくることにしていたのは大正解だったのだが。
・ で、問題は行きだった。集合は土曜の 9 時頃なので、いつもなら金曜発の〔銀河〕で行くところ。ところが、発売日に叩いてもらったところ、何と A 寝台が瞬殺。いくら連休前の金曜とはいっても、こんなことはこれまでなかった。前日の木曜を叩いてもらったら発売の翌日にも関わらずその時点ではあまり売れていなかったので、木曜発に変更して難を逃れたのだが、何やら悪い予感がひしひしと‥‥‥。
・ そして木曜夜。入線直後あたりに東京駅へ着いてみれば、‥‥‥それっぽいのがうようよしている。品川方のホーム端などは鈴生りだ。そして A 寝台に乗り込むと、喫煙室にはヲタがごちゃっと集まっていて、あまつさえ列車無線をハンディーで垂れ流している馬鹿までいる(このテの輩はなぜか必ずいる。もっとも、車掌室の真ん前なのでさすがに止めさせられたようだが‥‥‥)。そして、遅くまで車内をどかどか歩きまわって写真を撮りまくる連中が発生(このテの馬鹿も結構いて、〔さくら〕廃止直前の時期にはわざわざ「車内を歩きまわっての写真撮影は他のお客様のご迷惑になりますのでおやめ下さい」と車内放送をする事態を引き起こしていた)。さらに、これまたよくいる「相手もいないのに一人で喋っている(検閲削除)」もいる。よりにもよって真上の寝台内でこれをやられて、鬱陶しいことこの上ない。そして、翌朝は勝手に寝台を解体して悦に入っている馬鹿もいる(当然、まだ寝ている人がいる時間帯にガタガタと大きな音を立ててだ)。恐れていた通り、既に葬式鉄による蹂躙が始まっていた。廃止まで 2 ヶ月以上あるというのに‥‥‥。
・ さらに日曜夜。発車の 7 分前に改札を通ってホームに上がってみたら、ちょうど据え付けた直後。そして、発車 5 分前に扉が開いて乗車開始。自分の寝台に荷物を置き、後ろから来る人が途切れたので「今のうちにホームへ降りて飲み物を買っておこう」と思って振り返ると‥‥‥道理で人が来ないわけだ。なんと、A 寝台車の客室に入ってすぐの通路に三脚を立てて寝台の写真を撮っている(検閲削除)がいる。ただでさえ発車まで 5 分しかないのに、何を考えているのかさっぱり解らない。そして、ここでもやっぱり夜中までどかどかと歩きまわって写真を撮る馬鹿共が。かつて「名士列車」と言われ、最近でもビジネスマンから家族連れまでなぜか一般に乗車マナーが極めて良く(ただし A 寝台限定)、淡々と深夜の東海道筋をひた走っていた〔銀河〕の姿は、もう失われていた‥‥‥。
・ そして、これまたもはや恒例となってしまった「廃止間近の列車の指定券をヤフオクで売る馬鹿」も発生している。毎度毎度同じことを繰り返している常習者だ。有価証券*10はヤフオクのガイドラインにおける出品禁止物に当たるのだが、こういった違反に対するヤフオクの動きは非常に鈍いので(どんな商品であろうが、取引が成立すればヤフオクには出品手数料が入る)、また今回も大量に出品される恐れが。
*10: 商法における「狭義の有価証券」に乗車券類は含まれないのだが、社会通念上は(非常に大雑把な言い方をすれば)「財産権を表章する証券一般」を指すとされ、鉄道の乗車券はその代表的なものとされている。ヤフオクの出品禁止物の規定の一つには単に「有価証券」とあり、どちらの範囲を示すものかは一切書かれていないのだが、「社会通念上の有価証券」を指すと考えるのが妥当だろう。
・ 先日のこと。1 月末までの作業目標を 1 週間ほど早く達成したので、検証作業を進めていた。で、いい機会だからと土日に出掛けたりしようと思っていたのだが、また体調を崩して微妙に便器とお友だち風味になってしまい(上げたり下したり)、出るに出られなくなってしまった。
・
実は、上記の カニ地獄 カニ三昧後の解散直前に、おさかなさんから「はるかっか(というかアイマスキャラ)でやってみた恋愛症候群」な動画↓があることを教えてもらっていた。おさかなさんはこれで友だちを 3 人まっさんに染めたそうだ。何と素晴らしい布教材料 :-D
・ もうひとつ教えてもらったのは、シラミ騒動↓。
・ こちらの関連でうろうろしていたところ、昨年暮れあたりから、「初音ミクにさだまさしの歌を歌わせてみた動画」が某ニコ動方面で微妙に盛り上がっていたことを今更ながら知る。なんとなく楽しそうなので、パラグアイ情勢が落ち着いたところを見計らってアキバに行き、初音ミクの体験版が付いた mook を買ってきた(爆)。で、ごそごそといじってみたり。
・ 実際にいじってみると、かなりよくできていることが判った。結構面白い。で、気がついたことをメモを兼ねて書いておいてみる。
・ そんなこんなで、とりあえず 2 曲ほど歌わせてみた(「ぢゃすらっくのほうから来ましたー」攻撃が怖いので公開はしません)。何とか聞ける程度にはなったが、何せ試用版を使ってるもんだから、いくら parameter を追い込んでも一度 VOCALOID Editor を終了させてしまうとそれらはきれいさっぱり失われてしまうので、一抹の虚しさが付きまとう。今はちょっとだけ後悔している(爆)。
・ ところで、この試用版付の mook、なんだかヤフオクですごい値がついてたらしいね? 確かに版元では 3 日で在庫切れになったらしいけど、たしか年が明けてもアニメイトにタワーがあったと思うし、私が買ってきた 1/24 頃でもまだめろんな本屋には山積みだったよ(さすがにアニメイトのタワーは消えていた)。昨日の時点でも、さすがにタワーはなくなってたけどめろんな本屋には店頭在庫があったしねぇ。客先の友だちは「地方格差なんですよきっと」と言ってたが、そのせいでテンバイヤーに荒稼ぎされた人達は気の毒だなぁ‥‥‥。普通の本屋間だと取次店経由で在庫を探したりする case もないではないらしいが、mook だし、そもそも駄目な本屋とかだと買い取りだったりする可能性もあるので、こんなことになってるのかしらん。まあ mook の内容自体参考にはなるんだけど、これに何千円も出すくらいなら最初から正規版を買ったほうがいいと思うよ‥‥‥。
・ さて、「アカペラで独唱させる」といった場合を除き、大抵は何らかの方法で伴奏と mix することになる。個別に WAV を出力して mixing する場合以外は、当然両者の同期を取って再生する必要があるのだが、Mook や DTM MAGAZINE などの記事は ReWire で同期を取るものばかり。試用版でもちゃんと VSTi 用の DLL は install されるのに、VST での制御があまり取り上げられないのはなぜか。特に、Realtime VSTi を使えば data は全て DAW software 側で握ることになるので、data を保存できない試用版でも安心して利用できるはずだ(まあ、他の software で作った SMF を読み込ませれば同じことなんだけど‥‥‥)。
・ そこで、Domino の site から link されている「初心者になるための耳コピMIDI講座」に VOCALOID2 を VSTi として制御する方法が紹介されていたので、早速試してみた。その結果、次のようなことが解った。まずは Realtime 編。
・ Realtime VSTi を使って声を出させることは確かに可能。しかも、設定さえ終わってしまえば、かなり簡単に実行できる(曲の先頭に「歌詞を先頭に」event を入力しておけば、再生を途中で止めた場合などでも曲の先頭から再生させた場合に歌詞の位置を自動で reset することもできる)。
・ ただ、VOCALOID Editor を使用して rendering させた場合に「よしなに」行なってくれている処理が全く行なわれないので、発声はかなり不自然。しかも、default で発声遅延が 1 秒あるので伴奏とはずれるし、この delay を短くするとそもそも何にも喋らなくなってしまったりする。
・ さらに(これは試用版固有の制約かもしれないが)入力しておける歌詞の長さには結構厳しい制約があるので(さだまさしのとある曲の場合は 1 番全部+数文字程度)、普通の曲を丸々 1 曲歌わせることは難しいのではないか。
・ 結論としては、Realtime VSTi を使って伴奏に合わせて歌わせる方法は実用にはならない。ただ、note 入力時の発声 check には十分使える。
・ では、VSTi として演奏させる方法はどうか。
・ 実は市販の DAW とは(ROLAND 製など多くの製品で)VST で繋げられない場合があり*11、その理由として「VOCALOID が扱う MIDI data はかなり特殊である」ことが挙げられている。Domino の場合は上記 site の作者である逃亡者氏が作成した音源定義 file が存在するので出力自体は割と簡単にできるのだが、その data を作る方法が「一旦 Realtime VSTi や他の一般的な音源を使って medoly line を入力し、それを一音ずつ手作業で VSTi 用 event に置き換えていく」というものなので、かなり骨だ。
・ 幸い、SMF と text 形式を相互変換する script を公開してくれている方があり、これの text format file に対して VOCALOID2 の note 情報への変換処理を自動で行なう script をでっち上げることができた(歌詞の埋め込み機能はまだ作っていない)。これによって手動でちまちま変換を行なった結果と同じ SMF を一発変換で作ることができるようにはなったのだが、これを再度 Domino に読み込ませると、困ったことが起きる。
・ VOCALOID の MIDI data は、一つの処理単位を複数の Control Change(NPRN および data)を組み合わせることで構成されている。Domino でこれを編集するときには音源定義 file によってこの処理単位ごとにまとめて表示してくれているので非常に判りやすいのだが、一旦 SMF として出力するとそういった「まとめて表示するための情報」が失われてしまい、再度 SMF を読み込ませたときには単なる「Control Change の固まり」になってしまい、可読性がかなり落ちてしまうのだ。もちろん音源定義 file と首っ引きで解読することは可能なのだが、そんなことをするくらいなら Domino 上だけで手作業でちまちまと作業しているほうがよほどマシかもしれない、と思わせるほど面倒くさい。
・ そんなわけで、この方法も挫折風味(歌詞を埋め込む script を作らずに放ってあるのもそれが原因)。だもんで、VSTi として歌わせた場合と VOCALOID Editor から歌わせた場合とでどのくらい quality が異なるのかも未検証。
*11: むしろ繋がるのは YAMAHA 扱いの CUBASE のみなのかも?
・ そんなわけで、一言で言えば、「紹介されないにはそれなりの理由があるのね」、というところ。うーん。せめて、Domino の data を何らかの text 形式で保存できるか、.dms file の format が判れば、それなりに解決できるんだけどなぁ‥‥‥。作者さんに振ってみるかなぁ‥‥‥?
・ 自分でもすぐ忘れそうなので (__;、ごく大雑把に Music Studio Producer での down mix 手順やら注意点やらを書いておく。
・ 他にもいろいろあるけど、だんだん manual(てゆーか tutorial)を書いてるのと変わらなくなってきたので、とりあえずこの辺りで。
・
それはそうと、市販の DAW の話。実際に試してないからあれなんだが、評判だけ聞いてると「MUSIC CREATOR 4」がかなりお値打ちらしい。実売価格は 7k 円前後なのに機能はかなり本格派で、VOCALOID との接続性もいいらしい。実際、Sofmap やらあまぞんやらでは初音ミクとの抱き合わせ販売もやっている。両方合わせて 2 万円強とは、いい時代になったもんだ‥‥‥ T_T。
メールはこちらへ...[五反田 秋彦 as (五) / a-gota @(at) agt .(dot) ne .(dot) jp]
この日記は、GNSを使用して作成されています。作製者の GORRY さんに感謝 m(__)m。