「書きかけの歳時記」
2006/12版 その1

(since '05.04.25)

この日記は不定期に更新されます。なんにせよ、大したことは書かれないはずですが。

取扱上の注意

間違って検索サイトから来られた方へ(よくある検索 pattern)

アンテナ管理者の方へ


[前日へ続く]

2006/12/01 (金) <まいる>

なんというか [仕事]

疲れる。なんなんだっつーんだ一体。何を考えてるのか全く理解できん。

状況の変化(というか来るべきものが来たって感じ)を受け、急遽客先へ。問い合わせを受けた以上は事情を説明する義務があるので、社長との打ち合わせの結果に基づいて先方の責任者に簡単に打ち合わせ。先方は非常に不満気だが、それも当然すぎる状況なので、とにかく失った信用を回復すべく努力する旨を説明するしかない。来週の火曜日に社長が後任候補を連れて打ち合わせに行くことが決まっているので、詳しいことはそちらに委ねる。

そのまま帰ってきたのでは往復 980 円の交通費をドブに捨てるようなものなので、ついでに別件について担当者と相談する。

20 時過ぎに離脱。ビックとヨドバシで oil heater の価格を見つつ、帰宅。全く、身程を知らないというか、空気の読めないというか、そういう人間を(形の上とは言え)部下に持つと本当に疲れる。先方の責任者とは結構良好な関係を築いていたからいいようなものの、そうでなければ、せっかくこれまで積み上げてきた信用をたった 1 人のために全て失ってしまったとしてもおかしくない事態だ。社長にはこちらの意向は伝えてあるし、方向性もほぼ一致しているので、あとは社長に一任しよう。とりあえず、私の出る幕は終わった。


SONY の落日? [雑感 / AV]

松下がやってくれた

私は Blu-ray 派だ。というか、HD DVD は正直言って眼中にない。でもって、D-VHS が消滅に向かう中で第 2 世代機の登場をずっと心待ちにしていたわけだが、現時点で発売・発表されている製品群から選ぶなら、Panasonic DMR-BW200 以外に選択肢がない。i.LINK を持っている機種がそれしかないからだ。

言うまでもなく、Blu-ray 陣営において、SONY は盟主と見てもよい立場にあるはずだ。それだけに製品が発表されるのを首を長くして待ち続けていた。一足先に松下が製品を発表したが、それでも「対する SONY は果たしてどんなタマを撃ってくるか」と期待していた。

ところが、発表されたのは「2 層 media 非 support」「i.LINK 非搭載」という中途半端なものだった。正直なところ、これは「がっかり」どころではなく、衝撃だった。これは一体どんな user 層を target としているのだろう。少なくとも、「これまで既に HD 放送を HDD に取り溜めている先取り user」を完全に無視していることだけは確かだが‥‥。あまりの衝撃に、思わず(第 1 世代であることを承知の上で)SHARP BD-HD100 を買ってしまおうかと真剣に考えてしまったほどだ。

そもそも、家電業界には何か誤解がある。「デジタルハイビジョン放送が始まったらその高画質を求めて消費者は HD 機器に飛び付いてくる」という幻想だ。これには「現在の消費者は現行の TV 放送品質に(漠然とした)不満を持っている」という前提が成立しなければならないわけだが、既にそれが大きな勘違いだろう。

これまでにも「高画質媒体」として登場したものはいくつかある。ED Beta は NTSC 信号の analog 記録 format としては最高品質を誇っているが(tape は BETACAM SP の S casette と共用可能なので今日に到るも入手性に問題はない)、これが流行らなかったのは「登場時、既に Beta が死に体だったから」ということで一応説明がつく。では、LaserVision(いわゆる Laser Disc)や S-VHS が流行らなかったのはなぜか。前 2 者に較べて、特に S-VHS は機器の価格という点では極端に高額商品というわけではなかった(もちろん高級機は EDV9000 並の価格だったが、普及価格帯の製品もちゃんと存在していた)。D-VHS も、ハイビジョン放送の stream をそのまま録画できるにも関わらず、S-VHS に較べて著しく高価であったわけではない。少なくとも、user が高画質を求めているのなら、D-VHS はもっと普及していて良かったはずだ。なぜそうならなかったのか。

答えは非常に簡単だ。「一般消費者はそこまでの画質を求めていない」のだ。もっと言えば、「見られればいい。画質には拘らない」という人が非常に多い。実際、DVD recoder が普及するまで、多くの消費者は VHS の 3 倍 mode の画質で満足していたはずだ。今でこそ VHS deck を買おうという人はそれほどいないが(それでも「VHS 程度の画質で十分」という人は多い)、DVD recoder の価格が下がるまではやはり VHS の人気は根強かったはずだ。

では、なぜ DVD recoder は売れているのか。ひとつの理由は「安くなったから」だが、価格が下がって売れるようになるには、やはり「欲しい」と思わせる魅力がなければならない。そしてその魅力は、「扱いが簡単になった」ことにあるだろう。よく「disc media になったことによる利便性の向上」が理由として挙げられるが、単に「巻戻しが要らない」などの手間の面だけではなく、compact になったことがかなり効いている。

Disc media としては LD が以前から存在したが、機器の価格云々よりも前に、その「大きさ」が嫌われる理由にあったことは想像に難くない。LD に較べると、DVD は径が小さく、薄い。既に消費者が慣れ親しんでいた compact disc と全く同じ外形にしたことは成功の大きな要因だろう。そして、disc そのものの小型化により、再生機器もかなり小さくなった。この効果は計り知れない。さらに DVD-R などの登場によって録画用 media として利用可能になると、取り溜めた contents の保存 space は VHS tape よりもかなり小さくて済む。これらの利点があったからこそ、価格の低下に伴って普及が進んでいったのではないか。

では、画質面ではどうなのか。実際のところ、MPEG2 の画というのは割と簡単に破綻する。市販の DVD でも破綻しているのがしばしば目につく。この点は実のところ Blu-ray でも同じことで、店頭によくある「Blu-ray と大画面 TV でお茶の間にハイビジョン画質!」な demo 映像を見ていると、結構派手に MPEG2 特有の破綻が発生しているのがよく判る。これは圧縮を前提とした digital 記録方式では宿命的なもので、本来ならば「よく tune された analog baseband 記録」には本質的に digital 記録(たとえ圧縮していなくとも)は勝てないのだ(方式の特性上、digital 化した時点で必ず情報量は減少する)。

それでも digital 化を進めるのはなぜかと言えば、その特性上「analog 記録された信号を正確に伝送・処理するのは極めて困難である」からだ。裏を返せば、digital 記録・伝送は「一定の範囲から外れる情報を切り捨ててしまうことによって、一旦記録された情報は極めて正確に伝送・処理することが可能」である。つまり、信号を手軽に扱えるようになるのだ(信号の劣化が起こりにくいから)。さらに、情報の一部を捨ててしまったことで、data の圧縮も非常にやりやすくなる。これは伝送路の負担軽減や記録媒体の小型化に繋がる。前者は放送電波の有効利用や多 channel 化、後者は DVD や Blu-ray などの登場という形でその merit が現われている。

長々と書いてきたが、それでは一般消費者は果たしてどのような形でこれらの利点を享受しているのかを考えてみれば、「扱いが簡便である」「媒体が小型である」という点に尽きるのではないかと思う。つまり、価格の低下と相まって、「手軽に扱える」ということだ。画が若干破綻していたって、問題にはならない(というか、気付かない。そんなに高画質であることを要求していないからだ)。Analog source を DVD recoder で realtime encode すると結構頻繁にコマ落ちなどが発生するが、気にしない。というより、画がなんとか見られる範囲で 1 枚の disc にできるだけ詰め込もうとする。結果として、市販の DVD とは似ても似つかない、それこそ「VHS 3 倍程度」の画質の disc ができあがる。それを批判するつもりは毛頭ない。User が満足しているのだから、「それが正しい」のである。「Digital だから高画質」などという嘘にどこまで消費者が騙されているかは別としても、そこには「DVD は高画質だから普及した」などという構図は存在しない。

ある maker の DVD recoder には、非常に長時間の記録が可能な mode がある。地上デジタル放送を transcode して記録するのだが、これがなんと「解像度は 1080I だが、画質は VHS 3 倍並」なのだそうだ。なんとも人を喰ったようなというか、もはや詐欺に近いのではというか、果たしてどういう意味があるのか首をかしげたくなるのだが、詰まるところ「(画素数は)ハイビジョン画質で、長時間」というのが謳い文句だという。これが売りになると踏んだその maker は、ある面で user の needs を正確に把握していると言えるだろう。‥‥どうせならいっそ 525i に down convert したほうがいいのではと個人的には思うのだが、それでは「ハイビジョン画質で」という謳い文句が使えないので、その maker の営業戦略上は NG なのだろうな。

かつて、「PLAYSTATION2 が DVD 普及の原動力になった」と言われた。これはある面では紛れもない事実である。しかし、「家庭用 game 機に搭載された高画質 media は必ず普及する」と考えるのは早計だ。ただ単に、DVD という media には上に書いた通り user にとって受け入れやすい利点があり、それが game 機を player として再生できるようにすることで身近なものとして存在感を持つことができたということに過ぎないだろう。当時の DVD player がまだ価格的にこなれておらず、PLAYSTATION2 が DVD player として考えても価格的に merit があったという側面も無視できない。

だらだらと書いてきたが、何を言いたいかといえば、「Blu-ray や HD DVD のような『次世代 DVD』と呼ばれるものは、(少なくとも当分の間は)一般消費者が必要としているものではない」ということだ。利便性はもちろん、画質の面でも、一般消費者は現行 DVD で満足しており、次世代 media へ移行しなければならない理由はない(機器や media の価格が現行品と極めて接近するか逆転でもすれば話は違ってくるが、それはまだ先のことだろう)。つまり、もしも次世代 media を普及させようと思えば、当面は新しい物好きの user やいわゆる「マニア」を target にし、生産を軌道に乗せていくほかない。中でもいわゆる「マニア」(当事者はよく「先進 user」といった言い方をすることがあるが)の購買意欲は侮れない。決して無視できない存在のはずだ。

ところが、今回発表された製品群は、いずれも中途半端なものだった。松下の 2 機種中上位の Panasonic DMR-BW200 を除き、i.LINK からの move を support していない。Blu-ray recoder の購買層で今までハイビジョン放送を HDD に記録できる recoder を全く持っていない人の割合がどの程度のものかよく判らないが、DVD recoder の低価格化も進んでいる今、多くの人が既に機器を持っているのではないだろうか。そして、(経緯はともかく、結果として)D-VHS にとって代わるものである以上、それら既に持っている機器に保存された stream を Blu-ray disc に書き込んで保存するという用途は重要なはずだ。

松下は上位機のみとは言え i.LINK(MPEG2-TS 対応)付きの機器を用意したが、SONY に至っては i.LINK を装備しているにも関わらず DV/HDV 専用で、camcoder(事実上 HDR- series)からの dubbing しか考えられていない。「SONY 製の HDV camcoder で録画した映像を(PC などで編集したりもせず)Blu-ray に dubbing する」という需要がどのくらいあるのか判らないが、それは果たして HDD recoder から Blu-ray に move して保存する user よりも著しく多いものだろうか。いろいろ理由をつけてはいるが、2 層 media を support しなかったことからも air check に重きを置いていないと見られても仕方がない。Blu-ray 陣営が HD DVD に対する advantage として主張したことの一つが「デジタル放送の stream をそのまま(= 無劣化で)長時間記録可能」であったことからしても、自らの主張を捨ててしまっているとも考えられる。

一方の松下も何を考えているのかよく解らなかった。松下製の製品では「chapter を打つことができない」ということが問題視されているが、それに対する松下の説明は「誰でも簡単に操作できることを最優先にするため、機能を必要最小限に絞った」というものであった。操作を簡単にすることは重要なことだが、それは機能を削減する直接の理由にはならない。機能の多寡と操作性は必ずしも連動しないからだ。特に、一旦録画した stream や media に対して chapter を打つなどといった操作は、行ないたい人だけがすればいい補助的なものであって、interface の作り方次第でそれらの機能を必要としない user から切り放すことができる。単に menu 項目を分離しておくだけで済む話である。また、購買層を考えれば、松下の言い分が的外れであることは確かだろう。

SONY 製品はある程度の編集作業を行なうことを考慮していたと見え、chapter を打ったりといった操作ができるようになっていた。その点が松下製品に対する唯一の優位点だったのだが、今回松下は(play list 機能を持っていない限定的なものとは言え)chapter 機能を support した。「User からの声」が届いたものかは不明だが、少なくとも弱点の一部が解消されたのは事実であり、率直に評価したい。これでまた SONY 機を買う理由が減ってしまった。

かつて、新しい format が登場するとき、SONY はその potential を生かしきる reference model となるような製品を投入したものだった。また、user に対して新たな style を提案するような「尖った」製品を投入するのも大抵 SONY だった。ところが、今回の Blu-ray recoder に関しては前者の立場を松下に取られつつあり、また近年では後者のような製品は専ら他社(SHARP や HITACHI など)から登場している。Full HD projector などには他社を寄せ付けない優れた製品もあるが、その代わりに価格もまた並外れており、ちょっとやそっとの「マニア」に手を出せるものではない。今やすっかり他社(特に SHARP)にお株を奪われているような気がしてならない。こと AV 分野に関して、かつて SONY が放っていた輝きはもはやない。

SONY は Blu-ray に関して PLAYSTATION3 で「2 匹目のどじょう」を狙っていたようだが、そもそもそれが当たるかどうか以前に device の量産に失敗してしまっている。Game 機市場の側から見ても、ただでさえ PS2 の時のような雪崩現象は起きないと思われるのに、貴重な商機をみすみす失って自滅しているように見える。

一体、SONY はどこへ向かおうとしているのか。



2006/12/02 (土) <振り回される>

素晴らしい shopping site [雑感]

Refino に振り回された。

商品を検索したり詳細情報を見たりしているうちはいいのだが、いざ注文しようとすると、あちこちで無反応になる。一部の button(「次へ進む」など)を押してもなんにも反応しない。無反応になる場所は一定していて、大抵は最終的に処理を実行する画面(「入力した情報を確認し、実行する」など)。Linux 版 Netscape 7.1 で見てるせいかと思って FireFox から試してみたが、状況は変わらない。

仕方がないので Windows2K な machine を引っ張り出し、Netscape 7.1 で試してみたが、同じ結果。さらに FireFox 2.0 を install してみたが、やっぱり変わらない。

いよいよ仕方がないので IE 6.0 で試してみると、無反応ということはなくなった。この時点でいい加減うんざりしていたのだが、それで済まなかったのが素晴らしい。今度は、「カートに入れる」とか「次へ進む」とか、とにかく画面の遷移を伴う場面で読み込み中になったきり反応しない。Button を押してすぐ次の画面が表示されなかった場合はもうこの現象に陥っているので、そうなると一旦 browser を閉じてもう一度最初からやり直す以外に復旧のしようがない。しかも、この現象の出現は極めて不規則。

実に 20 回以上も手順を繰り返す羽目になった。それでも、どうしても注文を完了できない。‥‥最後の手段と、客先から VPN client 用に借りている WindowsXP machine(IE 6.0 sp2)の network 設定を変更し、試してみると‥‥あっさり終わった。

最終的にうまく行った組み合わせで必ず正常になるのかどうかは判らない。大抵の site には「推奨環境」が示されているものだが、「ご利用にあたって」などを見てもどこにも書いていない。よくよく探してみたら、「よくあるお問合わせ」(これがまた「Refinoについて」の画面左にある menu 項目を選ぶか site map からでないと見られない)の一番下のところに「推奨ブラウザ環境について」という項目があり、そこに「IE 6.0 以上」と書かれていた。これが事実なら、Win2K 環境から見られなかった理由がない。数日前に注文したときにも(今日ほど酷くはなかったものの)同じようにやり直す羽目になったが、それでもうまくいくときはすんなりいったので、今回うまくいったのもただの偶然かもしれない。いやあ、もう 2 度と使いません。> Refino

実は、Netscape や Firefox で無反応になる button が置かれた page の source を見てみると、Opera や Gecko、Safari など、browser engine によって分岐しているところがある。一応対応しようとしてみたらしいのだが、結局中途半端に終わっているということか。つーか、button の押下 event を全て javascript で処理しているのだが、本当にそうする必要があるのか、よく解らない。なんとなく「design 上の理由」でしかないような気がするのだが、だとしたらなんともおかしな話だ。

「だったらそんなとこで買わなきゃいいじゃん」って? ごもっとも。できればそうしたかった。しかし、以前に購入したときの point が 1 万円近くあったのに加えて、今回の買い物のために石丸の point を Refino point に変換してしまっていたから、ここで買わざるを得なかったのよ。「石丸 → Refino」の point 変換はできるが、その逆はできないので‥‥。


たい焼きアニメが絶賛放送中ではありますが [雑感]

キッドが倒産かぁ。中の人は「さんざんな日々」をおくっていたのかもしれないと思うと切ないのう。しかも、その報が事実上他の内容のつけ足り程度でしかないところに哀愁を感じる。いい会社でした。


変なきっぷ [雑感 / 鉄道]

ていうかそのきっぷ(の状態)は完全におかしい。

原券は「(塩尻)→中央西→(金山)→東海道→(名古屋)→新幹線→(新横浜)」と乗車する意図をもって購入したのだろうが、実際の発売上の経路は「(塩尻)→中央西→(金山)→新幹線→(新横浜)」であり、金山⇔名古屋は経路外乗車。静岡〜名古屋間については新幹線と在来線を別線扱いとする特例がないからで、上記経路を乗車する際は金山⇔名古屋間について分岐駅通過列車に関する特例を適用することになる。新幹線と在来線を乗り継ぐきっぷの場合その接続駅が券面に表示されるのだが(経由に「長野」「新横浜」が含まれているのはそのため)、にも関わらず経由に「名古屋」が含まれていないのがその傍証(新幹線に「金山駅」はない)。

この乗車券を持って名古屋駅で途中下車を申し出た場合の正当な扱いは、

  1. 区間変更と見做して原券を回収する(過剰額の払い戻しはない)
  2. 区間外乗車を申し出たものとして金山⇔名古屋間の別途往復を収受する

のどちらかになる。いずれの場合も名古屋の途中下車印が押されることはない。やあ3が書いている通り、もし押されるとしたら(1. の扱いとなって)無効印でなければならないはず。名古屋で「磁気異常」となった理由が不明だが、おそらく経路外だったからではないか。

塩兄が書いている「菱形の印」というのは規程 145 条 3 項にある「特別下車印」のことで、これは確かに(経路や有効日数の関係で)途中下車ができない乗車券に対して押されることがありうる。しかし、これの扱いは「接続駅で駅の設備、接続関係等によつて(中略)旅客を一時出場させる場合」に途中下車印に準じて押すというものだ。具体的には、

  • 駅の構造上、乗り換えに当たって改札外乗り換えが必要(浜川崎やかつての石巻など)
  • 列車別改札を行なっている駅であり、乗り換えのために改札内に滞留することを認めていない
  • 便所や売店等の設備が改札外にしかない

といった理由が該当し、あくまでも鉄道会社側の都合で旅客が出場せざるを得ない場合が対象となるものであって、「旅客が途中下車を申し出た場合」に適用されるものではない。実際問題として、規則の規程に関わらず途中下車印を押さないのが標準の取扱いとなっている現状において、特別下車印を押す状況というのは事実上なかったりする。まして名古屋駅では理由がない。一度見てみたいような気はするが、きっと特別下車印自体を設備してないんじゃないかな。

それにしても、興味深いのは松本と新横浜で NG となった理由。新横浜のほうは「下車するはずが誤って連絡改札を通過しようとした旅客」に対応するため新横浜ないし横浜市内駅着の乗車券を一律に撥ねているような気もするが、松本は意味不明。経路上(信越・篠ノ井線・中央西)も有効日数にも問題はない。まさか実際には「信越→北陸→大糸→篠ノ井線」と乗車した旅客でないかどうか check するためとも思えないが‥‥。

もう一つ気になったのが、北陸新幹線が「新幹線」と表示されていること。元々「新幹線」(シンカ)って、MARS上は東京〜博多間(東海道・山陽新幹線区間)の線区名だったはずなんだけど(券面に表示されているもう一つの「新幹線」がそれね)、いつからこう表示するようになったんだろう。発券した窓口がどう入力したのかが興味深い。

余談だが、以前に松本駅で特別下車印を押されたときには驚いた。‥‥この時は元々途中下車ができる乗車券だったので、むしろ「まだ残ってたのか」という意味で (^^;


ぐるぐる [雑感]

しゅしょーんとこから。葬式こあいね。コワイので、結局神岡鉄道には乗らず仕舞だったなぁ。

同じくしゅしょーんとこから知財戦略本部のたわごと。なんつーかまあ。あーあと、国内の contents 産業の正常な育成を図るなら、「権利者団体」や広告代理店による利益搾取を制限するのがじゅーよーかもしれませんな。「コンテンツ産業の胴元」の利益を保護するのではなく、制作者に正当な利益がもたらされる環境をつくらないと、作れば作るだけ現場は疲弊する一方ではないかと。創作活動に対して正当な報酬が得られなければ、いつか破綻するよな。Contents 産業に限った話でもないような気はするが。


そこですか [雑感]

塩兄とかしゅしょーんとこから、「ぬれ煎餅でいい気分になってるお前ら、高千穂鉄道のことも知ってください」。別に他人が善意で動いてることに文句付ける理由はないんじゃんてーか、正直言って銚子電鉄のことを僻んでるように読めるのだが、まあツッコミどころ満載ですな。

総じて言えば、何をどうしたいのかよく解らない。というか、「どうせ儲からないんだからとっとと潰してしまえ」というようにしか読めない。改善命令が出たのを受けて「廃業すべき」という考え方に変わったと書いているが、それ以前の内容からして理解できない。『私が批判しているのは、タイトル通り「煎餅を買っただけでいい気分になってる者」です』というが、だったらどうしろというのか。というより、本文を読んでもそうは読めないのだが。

まず、高千穂鉄道が被災したのはもう 1 年以上前のことだ。この人がそれについて当時どのような記事を書いてたのかは面倒だから調べてない。しかし、それこそ結構な数の日記や blog が反応していたし、九州・中国地方を中心にいくつもの新聞社が時々刻々と事態を報道していた。中国地方で比較的大きく取り上げられていたのは、同時期に錦川鉄道も被災していたということに理由があるかもしれない。その後の紆余曲折を経て当事者の責任から離れたところで事態は頓挫しているわけだが(後述)、正直いって、「何を今更」という感を抱かざるを得ない。「騒ぐならもっと早く騒げよ」とというか、「騒ぐ方向性が違うだろ」というか。

銚子電鉄に対して言っていることも何かおかしい。副業で稼いで何が悪い? せんべいで電車が走るなら結構じゃないか。それが継続するかどうかは別として、保安設備の回収などもあって財政的に窮地に陥っているのは確かだ。それをせんべいの利益で乗り越えられるなら、とりあえず幸いと言えるだろう。副収入を得る方法を模索して経営基盤を強化するという試みは否定されるべきでなく(もし否定するなら JR 東を槍玉にあげた方がよほど公共の利益に適うだろう)、その点が第三セクターと民間企業の footwork の違いなのではないかという気もしている。「5 億数千万円の設備投資して延命させ、将来への負担を作るよりも、会社を解散して退職金に回したほうが社員や銚子市民にとっては幸福かもしれない」と言うなら、26億円強の復旧費用をかけて延命せず会社を解散した高千穂鉄道は全くもって正しかったことになる。トロッコ社が経営を引き継いでも問題の先送りにしかならないんでしょ? 何を主張したいのかよく解らない。

「せんべいよりも収入の少ない鉄道を『本業』とするのはおかしい」という主旨のことも書いているが、どこに軸足をおくかはその経営者の意志だ。「地域公共交通」というものに対する責任感の発露と見ることもできるし、「鉄道会社が売っているという物珍しさがあるからこそ濡れせんべいが売れている」と冷静に見ているのかもしれない。いずれにせよ、「黙って待ってれば客は勝手にやってくる」と片手間で鉄道をやっておいて「副業」に精を出すどこかの会社よりはよほどましだろう。

「駅をコンビニに」というのも、所詮は都会人の考え方と言うべきか。それで儲かるなら、曲りなりにもそれなりの人口がある地域に無人駅などというものは存在しないはずだ。そうなっていないのは、公共交通に頼っていれば事足りる大都市以外ではモータリゼーションの進行などによって駅(というか鉄道)の求心力がとっくの昔に低下してしまっているからだ。クルマで動くのが当たり前の地域では、商圏の中心は国道や主要道路の沿線に移動している。かつての名残で駅前に中心部が形成されている都市も多いが、それとて例外ではなく、「駅前」の凋落は各地で問題になっている。まして人口の少ない地域では、駅の乗降客を含む周辺住民だけで収入を賄えないのは明らかだ。

高千穂鉄道に関する言及もどこか変だ。枕木オーナー制度がよくて濡れせんべいが悪い理由は何なのか。どちらも一時凌ぎであることに変わりはなく、ただ単に鉄道の部材に直接金を出すか間接的であるかという違いしかない。ちなみに枕木オーナー制度はトロッコ社の専売特許ではなく、今年廃線になった北海道ちほく高原鉄道でも行なっていた他、しなの鉄道や平成筑豊鉄道、樽見鉄道など、複数の鉄道事業者が以前から行なっている(しなの鉄道は他にもいろいろな施策を行なっている)。銚子電鉄に対して「悪あがきはするな」というなら、これらの施策もすべからく批判されて然るべきではないのか。

そして何より不思議なのは、高千穂鉄道がなぜ今のような窮地に陥っているか、その理由に全く触れていないことだ。高千穂線の復活に向けて事態が進んでいないのは、単に「復旧費用がない」という理由によるものではない。本来なら、受け皿となる会社が設立された以上、復活に向けて粛々と進んでいくはずだ。それがそうなっていないのは、設備等の資産を無償譲渡することで合意しているにも関わらず、それに対して 4 億円近い国税が発生し、その負担をどうするかについて結論が出ていないからだ(この問題を解決しない限り、トロッコ社が事業を継承する目処が立たない)。国が課税を免除しても、鉄道が残る分だけ plus になりこそすれ、minus にはならない(どうせ廃業すれば水の泡だ)。関係者(自治体等)が国に話を持っていっていないのか、それとも国が拒絶したのか、その辺りの事情はよく判らない。しかし、国がこの税金を免除すれば復活に向けての動きが一気に具体化することは火を見るより明らかで、本来高千穂線のことに言及するならこの点を取り上げるべきなのではないか。どうせ Wikipedia から年表を引用するなら、この点を無視して欲しくないのだ。その上の部分にちゃんと書いてあるんだから。この高千穂線問題の根本とも言える部分を全く無視しているので、「高千穂線は復活できないでいるのに銚子電鉄にばかり救いの手が差し伸べられている」と僻んでいるようにしか見えないのである。

Comment 欄を含めて何度か読み返してみても、やっぱり何を主張したいのかよく判らない。「他にも苦境に陥っている公共交通はたくさんある」という割にはくりでんは無視ですかそうですか。というか、「本業」だけでウハウハなのはどんなに虐げられようが拒否権なく大量の通勤客や business 客が押し寄せる JR 東と海くらいなもんではないかと思うわけで。大都市圏など一部の路線以外は、皆「他人事ではない」のが実情だろう。その点でも、「なぜいまさら高千穂鉄道?」と感じてしまう。取り上げるのは大変結構だと思うんだが、建設的な方向でお願いしたいと思う。

余談だが、高千穂鉄道の 26 億円強という復旧費用は、流失した鉄橋の再建費用ではないことに注意が必要。「将来同規模の水害が発生した場合に備えて線路を付け替える必要がある」とし、その費用がかなり膨らんでいる(この試算には当時の高千穂鉄道経営陣も愕然としたのではないだろうか)。なので、見積もりを出したのが JR 東の関連会社だということをおいておいても、当座の危機を乗りきればとりあえずどうにかなりそうな銚子電鉄とはこの点も大きく異なる。

そうそう、comment 欄での読者からの高千穂鉄道に対する批判に、某旅行会社の提案を蹴ったことが含まれていた。これについては蹴飛ばして当然だったと思うね。あ(以下自粛)



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